ON AIR REPORT オンエアレポート

3月25日 ドビュッシー特集

12/04/04


3月25日は、この番組でも、すでに何度か紹介してきましたが・・・クロード・ドビュッシー(1862-1918) の命日です。ドビュッシーといえば、19世紀末から20世紀にかけて活躍したフランスの作曲家です。今年生誕150年ということで、各方面でいろいろな催しが企画されていますね。今回はそんなドビュッシーの遺したピアノ作品の中でも、最高傑作の一つと言われる、《前奏曲》を中心にご紹介しました。

もともと「前奏曲(プレリュード)」とは、その名前の通り、大規模な楽曲に先立って演奏する楽曲の意味ですが、後に演奏技巧を凝らした、即興的な自由な作風の作品の意味へと変わって行きます。プレリュードを遺した作曲家としては、バッハ、ショパン、ドビュッシー、ラフマニノフ、スクリャービンなどが有名ですね。ドビュッシーの作曲したピアノのための前奏曲は全24曲あり、各12曲からなる曲集『前奏曲集第1巻』(1910)、『前奏曲集第2巻』(1913)に収められています。おそらくバッハやショパンのプレリュード集を念頭において構成されたと考えられますが、バッハやショパンのように各調性に1曲ずつ割り当てられてはいません。ドビュッシーのプレリュードは、それぞれタイトルが付けられていますが、オリジナルの楽譜では、各曲の終わりの余白に小さく書込まれています。第1集に続いて書かれた第2集は、ドビュッシー50歳頃の作品で、晩年の傑作の一つです。終曲の「花火」は、お祭りの雰囲気や、花火の鮮やかな色彩が技巧的に描かれた作品で、曲の終わりには、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が遠くから聞こえてきます。第2集の最後を締めくくるのに相応しい名作だといえるでしょう。今年は、メモリアルイヤーにちなみ、僕もドビュッシーを取り上げる機会をいろいろと予定しています。どうぞお楽しみに!


【オンエア楽曲】
♪M1 ドビュッシー<前奏曲集第1集より第8番「亜麻色の髪の乙女」> ピアノ:横山幸雄
♪M2 ドビュッシー<前奏曲集第1集より第12曲「ミンストレル」> ピアノ:ミシェル・ベロフ
♪M3 ドビュッシー<前奏曲集第2集より第12曲「花火」> ピアノ:横山幸雄
♪M4 ドビュッシー<前奏曲集第2集より第6曲「風変わりなラヴィーヌ将軍」> ピアノ:横山幸雄
(M1,3,4:横山幸雄ピアノ・リサイタル・シリーズ〜Volage 第2回〜「ショパンとドビュッシー:前奏曲を巡って」[2012年3月4日三鷹市芸術文化センター 風のホール]のライブ録音より)