ON AIR REPORT オンエアレポート

1月8日 2011年ジルベスターコンサート振り返り

12/01/31


昨年2011年の大晦日から2012年元旦にかけて行った「TOKYO FM主催 横山幸雄 ベートーヴェン ジルベスターコンサート」の様子を振り返ってお送りしました。会場にお越し頂いた皆様、改めてありがとうございました。昨年に引き続き、ジルベスターコンサートは2回目となりましたが、今回は、オール・ベートーヴェン・プログラムで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲、そして代表的なピアノ・ソナタ5曲、計10曲を演奏いたしました。7時間にわたるコンサートとなりましたが、共演して下さったのは、指揮者・山田和樹さん、そして横浜シンフォニエッタの皆さんです。カウントダウンをはさんで、最後の「皇帝」で会場にいらして下さった皆様と新年のお祝いをしました。

昨年は大震災もあり日本が本当に大変な中、こうして1年たって同じステージに立てたことが非常に感慨深く感じました。今回は、ベートーヴェンの「苦難から歓喜へ」という音楽のテーマ、そして自身の人生とも重なるテーマがあり、それを今の日本の状況と重ね合わせ、ベートーヴェンの音楽からたくさんのエネルギーをもらいたいという企画意図がありました。ピアノ協奏曲を5つ並べて聴きますと、若い頃に苦労し、人生の紆余曲折があり、そこから最後の歓喜へ、という流れが感じられるのではないでしょうか。ベートーヴェン自身がまるで一つのストーリーのように、並べて演奏することを前提に作ったような印象すら受けます。

今回の演奏曲は、僕が普段あまり弾かないレパトーリーが多かったので、正直、準備が大変でした。当日も緊張しましたが、第1番の協奏曲を17時半頃に弾き始めて、そこがうまく乗り越えられた頃から、気分も落ち着いてきました。僕も昨年はデビュー20周年ということで、これまでいろいろなオーケストラと共演させて頂いていますが、メンバーの多くは自分よりも年上のことが多く、先輩たちに導かれてきた、という風に考えていましたが、いつの間にか同世代となり、そして今回は全員が僕より年下という若いメンバーでした。音楽を心底楽しんでいる姿に僕も心を打たれ、そういう意味でも気持ちよく演奏できたと思います。また共演の機会を持てたらと思います。


【オンエア楽曲】
M1 ベートーヴェン《ピアノソナタ第8番「悲愴」》より第3楽章/横山幸雄
M2 ベートーヴェン《ピアノ協奏曲第5番「皇帝」》より第3楽章
   /横山幸雄、山田和樹、横浜シンフォニエッタ 
   (ともにジルベスターコンサートのライブ録音より)