1月1日 2012年は・・・ドビュッシー生誕150周年
12/01/03
皆様、明けましておめでとうございます。
ジルベスターコンサートにお越し頂きました皆様、どうもありがとうございました!コンサートの模様は来週8日に改めて振り返りたいと思います。
さて2012年初回の放送では、今年がメモリアルイヤーとなる作曲家の中から、生誕150周年のフランスを代表する作曲家、クロード・ドビュッシー(1862-1918)を特集しました。
その他にもメモリアルイヤーを迎える作曲家としては・・・・
ジョン・ケージ生誕100年 (1912-1992)
ジュール・マスネ没後100年 (1842-1912)
フリッツ・クライスラー没後50年(1875-1962)
ジャック・イベール没後150年 (1890-1962)
などがいます。毎年、メモリアルイヤーに合わせた演奏会、イベントが多く企画されるので、ぜひご注目くださいね。
さて今年生誕150周年を迎えたドビュッシーですが、印象派音楽の先駆者といえる作曲家で、ピアノ曲や管弦楽曲を多く遺しています。ロシア音楽や、アジアの音楽(万国博覧会で聴いたガムランの音色など)に影響を受け、独特の音色を用いた色彩感あふれる音楽を生み出しました。今夜1曲目にご紹介したのは、ドビュッシーの《水の反映》。1994年のアルバム、『イマージュ』よりお聴き頂きました。この曲はドビュッシーの《映像》第1集の1曲目にあたる作品です。非常に映像的な想像を喚起させる曲です。もともと美術の分野で「印象派」という流れがあり、それまでの風景画などと異なり、雰囲気や印象をそのまま絵にしました。それを同じように音楽で表したのがドビュッシーです。フランス近代音楽の幕開けといえるでしょう。ドビュッシーの作品はそれまでのロマン派の作品のように起承転結がはっきりしたものとは異なります。もし起承転結で理解しようとすると、かえって分かりにくい。そうではなくて、音の響き、そこからうける感覚、印象、それらを味わうような音楽といえるかもしれません。もっと時代が進んで現代音楽になると、どこがメロディー、ハーモニーなのかも分かりにくくなる。その中間に位置するよう作品を書いたのがドビュッシーです。もしかすると、ドビュッシーの音楽はつかみどころがない、と感じる方もいるかもしれません。しかし、そのとらえどころのなさがドビュッシーの音楽の魅力の一つでしょう。そこから感じられる色彩感、陰影、立体感・・・これらは僕にとってフランス、パリという町がもっている独特の感覚、センスと非常に密接に結び付いているような感じがして、自分が10代を過ごした時のことを思い出し、なんとなく懐かしい感じがします。ドビュッシーだけのプログラムでの演奏会は難しいかもしれませんが、今年はメモリアルイヤーということもありますので、いろいろ取り上げて行ければと考えています。今夜お聴き頂いた作品以外にも、まだまだご紹介したい曲がたくさんあります。ドビュッシーについては、また近いうちにじっくり掘り下げてご紹介したいと思いますので、どうぞお楽しみに!
【オンエア楽曲】
♪M1 ドビュッシー <水の反映> / 横山幸雄
♪M2 ドビュッシー《牧神の午後への前奏曲》 / 編曲&演奏:横山幸雄
(1994年のアルバム『イマージュ』より)
【今後の演奏会予定】
●横山幸雄ピアノリサイタル
日時:1月14日、午後2時〜4時
場所:杉並公会堂
曲目:ベートーヴェン:ソナタ「ワルトシュタイン」、ドビュッシー:喜びの島 他
●第278回神奈川フィル定期演奏会
日時:2012年 2月 17日 (金曜日) 午後7時〜9時
場所:横浜みなとみらいホール
曲目:ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番
共演:指揮:金聖響氏、神奈川フィル
●デビュー20周年後期ロマン派三大協奏曲の夕べ
日時:2012年 2月 28日 (火曜日) 午後7時〜9時
場所サントリーホール (地図)
曲目:チャイコフスキー:第1番、ラヴェル:ト長調、ラフマニノフ:第3番
共演:指揮:小泉和裕氏、東京都交響楽団
●ドビュッシー生誕150年記念「ショパンとドビュッシー:前奏曲を巡って〜」
日時:2012年3月4日、午後3時〜
場所:三鷹市芸術文化センター風のホール
♪ぜひ足をお運び頂ければと思います♪