ON AIR REPORT オンエアレポート

10月9日 サン=サーンス特集

11/11/02


10月第2週目の放送では、ちょうど10月9日生まれのフランスの作曲家、シャルル・カミーユ・サン=サーンス(1835年〜1921年)の人生&音楽をご紹介しました。

1曲目にお聴き頂いたのは、《動物の謝肉祭》より<白鳥>、サン=サーンスの作品の中でも、最も有名な曲でしょう。この作品は、全部で14曲からなる組曲ですが、もともと一般に公開するというよりも、プライベートな演奏目的で、サン=サーンスが51歳の頃に作られました。他の作曲家の旋律をパロディーとして用いていたり、ユーモアや皮肉たっぷりのウィットに富んだ作品として知られています。しかしサン=サーンス自身は、あくまでも仲間内で楽しむために書いたこの作品の出版を「自分が死ぬまで」禁止したそうですが、その中でも唯一生前に出版を許したのが、この<白鳥>です。

パリで生まれたサン=サーンスは、幼少より叔母から音楽の手ほどきを受け、3歳で最初の作品を作曲、11歳の時には、モーツァルトに匹敵する神童と言われたそうです。13歳でパリ国立音楽院に入学し、卒業後はヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、オルガニストとして名を馳せました。リストからは「世界で一番偉大なオルガニスト」と賞賛されるほどだったと言われています。晩年は、国から勲章を受けるなど、輝かしい功績をおさめ、86歳で生涯を閉じました。葬儀はその多大な功績にふさわしく、国葬で執り行われたそうです。

続いてお聴き頂いたのは、ピアノの作品の中から《ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」》より第2楽章です。ちょうどサン=サーンスのデビュー50周年を祝う記念コンサートがパリで開かれた際に初演されたのが、このピアノ協奏曲第5番です。61歳のサン=サーンス自身がピアノ演奏をしました。冬の寒さから逃れるために訪れたエジプトで見聞した、エキゾティックな風景、雰囲気が反映された作品となっています。皆さんはどんな風に感じられましたか?興味をもたれた方は、ぜひサン=サーンスの他の作品も聴いてみて下さいね。

【オンエア楽曲】
♪M1 《動物の謝肉祭》より<白鳥>
  /ジャクリーヌ・デュ・プレ
♪M2 《ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」》より第2楽章
/ピアノ:パスカル・ロジェ、指揮:シャルル・デュトワ、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団