ON AIR REPORT オンエアレポート

9月25日 ジョージ・ガーシュイン

11/09/28


日付も代わり、9月26日。今夜は1898年9月26日生まれのアメリカの作曲家、ジョージ・ガーシュインを取り上げました。いわゆる音楽の専門教育を受けたわけではありませんが、幼少よりピアノに興味を持ち、即興演奏などを得意としたガーシュイン。作詞家となった兄のアイラ・ガーシュインと組んで、様々なヒット作品を生み出しています。先にポピュラーソングやミュージカル、映画音楽などの分野で有名になったガーシュインですが、一方でオペラや管弦楽曲など、いわゆるクラシック作品も遺しています。その作風は、伝統音楽やジャズ、クラシックなど、様々な要素を自然と融合させたもので、独特の雰囲気を持っています。なんと38歳の若さで亡くなってしまいます。

1曲目にお聴き頂いたのは、ガーシュイン26 歳の作品、《ラプソディー・イン・ブルー》。もともとはピアノと小編成のジャズ・バンドのために作曲されたもので、現在よく演奏されるオーケストラバージョンは、先輩作曲家であったグローフェの編曲です。グローフェといえば、組曲《グランド・キャニオン》で有名ですよね。ガーシュインはその後、独学で管弦楽法を勉強し、翌年には《ピアノ協奏曲ヘ調》を書き上げ、自らオーケストレーションを行っています。もしかして、《ラプソディー・イン・ブルー》を自分の手で編曲できなかったのが、少し悔しかったのかもしれませんね。

ガーシュインの人生&音楽をご紹介しましたが、改めて聴いてみると、ジャズのような、スペイン音楽のような、クラシックの要素もあったりと、本当に多彩で魅力的な音楽ですよね。もっと他の曲も聴いてみたくなりました。僕にとってガーシュインは、正直あまり近い存在ではありません。<サマータイム>の歌の伴奏をしたことはありますが、そのくらいですね。たまに学生が《ラプソディー・イン・ブルー》をレッスンに持ってくることはありますが、自分で演奏したことはないんですよ。でも実は、来年仙台フィルで《ラプソディー・イン・ブルー》を演奏することが決まっています!最初ガーシュインを弾いて欲しいとの依頼があったときは、何かの間違いだろうと思ったんですが・・・(笑)ぜひに、ということでお受けしました。僕にとっての初挑戦です!楽しみにしていてください。

【オンエア楽曲】
♪M1 ガーシュイン《ラプソディー・イン・ブルー》
  /アンドレ・プレヴィン(指揮&ピアノ)、ロンドン交響楽団
♪M2 ガーシュイン《ポーギーとベス》より<サマータイム> 
  /歌:キャスリン・バトル
♪M3 ガーシュイン《ピアノ協奏曲 ヘ調》より第三楽章
  /アンドレ・プレヴィン(指揮&ピアノ)、ロンドン交響楽団

【今後の予定】
●第7回ショパン国際フェスティバル 三大ピアニスト
日時:10月9日(日)、午後2時〜4時
場所:大賀ホール
曲目:ショパン<幻想ポロネーズ>他

●プレイエルによるショパン ピアノ独奏曲全曲演奏会 最終回!
日時:10月17日(月)、午後7時〜9時
場所:東京上野 石橋メモリアルホール
曲目:3つのマズルカOp.56、3つのマズルカOp.59、3つのマズルカOp.63
   晩年の3つの最後のマズルカ、幻想ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61
2つのノクターン Op.62、3つのワルツ Op.64、舟歌嬰ヘ長調 Op.60 他

●TOKYO FM主催 横山幸雄 ベートーヴェン ジルヴェスター コンサート
日時:12月31日 東京オペラシティコンサートホール
   開演は午後5時半〜。終演予定は、深夜0時45分(翌1月1日 0時45分)
曲目:ピアノ協奏曲(第1番〜5番「皇帝」)全曲
   ソナタ「悲愴」、「月光」、「テンペスト」、「ワルトシュタイン」、「熱情」
共演:指揮:山田和樹さん、横浜シンフォニエッタ