ON AIR REPORT オンエアレポート

9月11日 レクイエム〜フォーレ、ヴェルディ、モーツァルト〜

11/09/16


9月11日で、ちょうどこの番組『横山幸雄のピアノでめぐり逢い』が放送100回目を迎えました!この日は僕のデビュー20周年記念コンサートも重なり、オール・リスト・プログラムで無事に演奏会を終えたところでした。
また、この日は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロからちょうど10年。そして東日本に大きな被害をもたらした3月11日の大震災からちょうど半年が経ちました。僕自身、一人の音楽家として何ができるのか、日々考えながら音楽と向き合っています。音楽がもつ力を信じ、より多くの人が音楽で幸せになってもらえればと願いながら今後も演奏活動を続けていきたいと思います。番組では、失われた命への哀悼の気持ちと、平和への願いを込めて、「レクイエム=鎮魂歌」をご紹介しました。

レクイエムはミサの中の一つの種類ですが、現在では、宗教的な意味を離れて、単に「葬送曲」、「死を悼む曲」という意味合いで用いられることも多いようですが、本来は魂を鎮める為のものではなく、死者に対する罪を軽くしてくれるように神に祈るというものです。もともとミサ曲の冒頭が「Requiemレクイエム」(ラテン語で「安息を」の意)という言葉で始まることから、レクイエムと呼ばれています。多くの作曲家がレクイエムを遺していますが、作曲家も身近な人の死を経験したり、命の重さや大切さ、そういった想いを作品に込めたのかもしれません。その中でもモーツァルト、ヴェルディ、フォーレの作品は「3大レクイエム」と呼ばれることもあります。

ガブリエル・フォーレ(1845〜1924)のレクイエムは、フォーレを代表する作品の一つといえるでしょう。僕自身、この作品は、パリ音楽院の合唱の授業でよく歌った、思い出深い曲です。次にご紹介したジュゼッペ・ヴェルディ(1813〜1901)は、19世紀を代表するイタリアロマン派の作曲家で、とりわけ《リゴレット》《椿姫》《アイーダ》《オテロ》などのオペラ作曲家として有名ですが、60 歳の時に書かれたのがこのレクイエムです。そして最後にご紹介した、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756〜1791)のレクイエムは、1791年、彼の死の直前に着手されますが、モーツァルトの死により未完のまま残され、弟子のシュースマイヤーにより補筆完成された作品です。

少しずつしかご紹介できませんでしたが、今後も音楽の力を信じ、そして音楽を通して少しでも幸せを感じてもらえればと願っております。

【オンエア楽曲】
♪M1 フォーレ《レクイエム》より<サンクトゥス〜聖なるかな〜>
   /シャルル・デュトワ指揮、モントリオール交響楽団
♪M2 ヴェルディ《レクイエム》より<怒りの日>
   /ゲオルク・ショルティ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
♪M3 モーツァルト《レクイエム》より<イントロトゥス>、<キリエ>
   /リッカルド・ムーティ指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

【今後の予定】
●ピアノ・リサイタル
日時:9月18日、午後2時〜4時
場所:大宮ソニックシティホール
曲目:ショパン:ワルツ5番、6番、スケルツォ4番、リスト:リゴレット・パラフレーズ 他

●プレイエルによるショパンピアノ独奏曲全曲演奏会 第11回
日時:9月26日、午後7時〜9時
場所:石橋メモリアルホール
曲目:3つのマズルカOp.50、2つのノクターン Op.55、スケルツォ第4番、
    子守歌変ニ長調 Op.57、ピアノソナタ第3番 ロ短調Op.58 他
お問合せ:上野学園大学 Tel.03-3842-1020

● ジルベスター・コンサート
日時:12月31日 午後5時半〜深夜0時45分(翌1月1日 0時45分)
場所:東京オペラシティコンサートホール
曲目:ピアノ協奏曲(第1番〜5番「皇帝」)全曲
   ソロ:ソナタ「悲愴」、「月光」、「テンペスト」「ワルトシュタイン」、「熱情」
共演:横浜シンフォニエッタ/指揮:山田和樹
お問い合わせ:東京FM 03−3221−0080