ON AIR REPORT オンエアレポート

12月26日 ピアノでめぐり逢い ゲスト:平野啓一郎さん

11/01/06


こんばんは、横山幸雄です。

今年も残すところあとわずかとなりました!
今夜は作家の平野啓一郎さんをゲストにお迎えしました。
2010年のショパンイヤーを締めくくるべく、
平野さんとたっぷりショパン談話で盛り上がりました。
 
平野さんが2002年に発表された『葬送』は、19世紀のパリを舞台に、
ショパン、ドラクロワ、ジョルジュ・サンドらが織り成す人間模様を
壮大な歴史小説として描いた作品。
平野さんはもともとショパンが好きで、小さい頃からピアノを習ったりもされていたそうですが
ショパンを主人公にした作品を執筆することで、恋愛、親子関係、芸術家、
そしてナショナルアイデンティティの問題など、様々なことを描けると考えたそうです。

小説執筆にあたり、ショパンにまつわる書籍にくまなく目を通されたそうですが、
なかでも重要な資料として、サンドの書いた書簡集を丹念に読み込まれたとのことです。
平野さん独自の鋭い視点から、ショパンの人間としての魅力や、時代背景など、
たくさんの興味深い話を聞くことができました。
何と言っても、ショパンの魅力は「ノーブルさ」にあるとお答え頂きましたが、
ショパンの持っている気品、気高さは、まさしく才能ですよね。
それに加えてショパンの作品は弾いてても聴いていても、とても個人的な感じがするんですよね。
耳元でショパンが自分に語りかけてくるような・・・
他の作曲家にはない近い感じがするように思います。

平野さんには今後もいろいろな形でショパンの魅力を伝えていってもらいたいですね。
来年春からは、また新しい連載が予定されている平野さん。今後の活動からも目が離せません。



<オンエア楽曲〜平野さんセレクト〜>
♪M1 ノクターン第8番 変ニ長調 作品27-2
♪M2 バラード第4番 ヘ短調 作品52