<ベートーヴェン・プラスVol.5>直前スペシャル1!
18/08/13
今回もお聴きいただきありがとうございました。
9月23日に迫ってきました、東京オペラシティでの秋のコンサートシリーズ「ベートーヴェン・プラス Vol.5」の直前スペシャルをお送りしました。
「ベートーヴェン・プラス Vol.5」は、30代前半のベートーヴェンに焦点を当て、第21番から第23番のピアノ・ソナタを中心に、<創作主題による6つの変奏曲 Op. 34>、<「エロイカ」の主題による15の変奏曲とフーガ Op. 35>も取り上げます。
そしてベートーヴェンに「プラス」して、ブラームスとショパン、さらにドビュッシーとラヴェルの同じく30代の傑作も聴きどころとなっています。
<PLAYLIST>
M1ベートーヴェン 《ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」》op.31-2より
第1楽章/横山幸雄(ピアノ) 2017年の「ベートーヴェン・プラスVol.4」のライブ録音より
M2 ベートーヴェン 《ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」》より 第1楽章/横山幸雄(ピアノ)CD『ベートーヴェン12会』より
M3 ベートーヴェン 《ピアノ・ソナタ第23番「熱情」》より 第3楽章/横山幸雄(ピアノ)
CD『ベートーヴェン12会』より
30代になったベートーヴェンは、作曲家として一大転機を迎えます。
20代後半から現れ始めた耳の病の兆候がどんどん悪化していき、
32歳では遺書をしたためます。
しかし、その絶望を乗り越えた後、次々と傑作を生み出していくようになります。
まさに30代からの十数年間はベートーヴェンの創作の絶頂期と言って良いでしょう。
今回のベートーヴェン・プラスでは、見事な創作力を開花させた30代前半の魅力あふれる作品群をお聴きいただきたいと思います。
《ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」》は、
1802年、ハイリゲンシュタットの遺書を書いた直後の1803年から04年にかけて作曲されました。
ちょうど本作の献呈者でもあるワルトシュタイン伯爵からエラール社の新しいピアノをベートーヴェンは贈られています。それは5オクターヴ半の音域を備え、音量も従来より大きく、迫力ある表現を追求できるピアノでした。このことがベートーヴェンの作曲の幅を大きく広げたと言われます。
ワルトシュタイン伯爵はベートーヴェンが10代の時に出会い、
ベートーヴェンを早くからパトロンとして支えたことで知られています。
実験的な《ピアノ・ソナタ第22番》をへて、
《ピアノ・ソナタ第23番「熱情」》はドラマティックでロマンティックな傑作、人気作品です。
1804-05年に作曲され、次の第24番のピアノ・ソナタ「テレーゼ」は1809年作で、
第23番の作曲からしばらくあいています。
ベートーヴェンにとっても「ピアノ・ソナタ」の頂点に達したという感覚が23番にあったのではないでしょうか。
この直前スペシャルを放送すると横山さんご自身も身がひきしまる思い、
充実したコンサートにしたいと意欲がわいてくるそうです。
次回の直前スペシャルは、9月2日。
来週は、生誕100年のバーンスタインに注目します!お楽しみに!