ON AIR REPORT オンエアレポート

FIFAワールドカップにちなんでロシア音楽特集1!

18/07/02


今夜もお聴きいただきありがとうございました!
2018FIFAワールドカップ、連日盛り上がっていますね!
深夜の応援で、寝不足という方も多いのではないでしょうか。
4年に一度のサッカーの祭典、今年はロシアで開催されています。

今週、来週と2週にわたって、「ロシアの音楽」を特集してお送りします!
横山さんも今年の春、久しぶりにロシアに演奏旅行に行ったばかりです。


M1 グリンカ 歌劇《ルスランとリュドミラ》 より 序曲 /アンドレ・プレヴィン(指揮)、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団

M2 ムソルグスキー《はげ山の一夜》 /エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)、ソビエト国立交響楽団

M3 チャイコフスキー《ピアノ協奏曲第1番》 より第1楽章/横山幸雄(ピアノ)、小泉和裕(指揮)、東京都交響楽団(2012年のアルバムより)


M1は「近代ロシア音楽の父」と呼ばれる、ミハイル・グリンカ(1804-1857)の代表作。歌劇「ルスランとリュドミラ」は、イタリアやドイツで作曲理論を学んだグリンカが、ロシア語で書いた歌劇です。華やかな序曲は、現在でもコンサートの1曲目に演奏されることも多い人気曲です。

後期ロマン派に当たる19世紀後半になると、ドイツを中心とした西ヨーロッパのロマン派音楽が周辺諸国へ波及し、その国々の民族的要素と融合した新しい音楽様式が生まれました。これを「国民楽派」または「民族楽派」と呼びます。この勢いは、まずロシアへ押し寄せます。そこで活躍したのが、グリンカです。
その後ロシア5人組(ボロディン、キュイ、バラキレフ、ムソルグスキー、リムスキー=コルサコフ)に受け継がれました。

M2は、ロシア5人組のひとり、ムソルグスキーの代表曲を、リムスキー・コルサコフが編曲したバージョン。「はげ山の一夜」は、ムソルグスキー28歳の作品。 「聖ヨハネ祭前夜、禿山に地霊チェルノボグが現れ手下の魔物や幽霊、精霊達と大騒ぎするが、夜明けとともに消え去っていく」というロシアの民話を元に作られています。

一方、それまでの西洋音楽の伝統的な流れを受け継いだのが、チャイコフスキー(M3)です。チャイコフスキーの師匠であったアントン・ルビンシュタインはショパンやリストとも面識があり、ピアニストとしても活躍しました。ヨーロッパの音楽的伝統をロシアに根付かせるために貢献し、1862年にロシア最初の専門的な音楽教育機関であるサンクトペテルブルク音楽院を創設しました。

チャイコフスキー(1840-1893)は、「ロシア五人組」と同時代にモスクワで活躍しています。民族伝統の音楽を意識的に使ってはいないものの、十分にロシア的であり、チャイコフスキー独自の音楽だと横山さんは感じているそうです。

横山さんは、こどもの頃からチャイコフスキーが大好き。ベートーヴェンやショパンのレコードを聴いて感動しながら、とりわけオーケストラでは哀愁ただようロマンティックなチャイコフスキーの作品が好きで「ピアノ協奏曲」も何度も聞いたそうですよ。

来週も、お楽しみに!