鈴木優人さんをお迎えして(後編)
18/03/05
今夜もお聴きいただきありがとうございます。
鈴木優人さん(指揮者、チェンバリスト、オルガニスト、ピアニスト、プロデューサー)
をゲストにお迎えした後編。お楽しみいただけましたか?
M1 J.Sバッハ:世俗カンタータ「鳴らせ!トランペット、響け!ティンパニー」BWV214/ バッハ・コレギウム・ジャパン、鈴木正明(指揮)
M2 J.S.バッハ:無伴奏パルティータ 第3番ホ長調 BWV1006
/若松夏美(ヴァイオリン)
M3 OVERTURE:A PARTIAL HISTORY OF BLACK MUSIC
/クインシー・ジョーンズ・プロジェクト
作曲・編曲、指揮、演奏(即興演奏)、プロデュース・・・と現在では分業化が当たり前になっていますが、音楽の歴史を振り返ると、一人の「音楽家」がすべてこなすのが当たり前であった時代の方が長く、鈴木さんは現代において昔ながらの「音楽家」を体現しています。ご本人の中ではただ目の前にある課題に必死で取り組んでいるとのことですが、ヴァイオリンが弾けたら本当にバッハです・・。
そのJ.S.バッハは、ライプツィヒ時代の5年間、毎日が漫画になるほど忙しく、日曜日に教会で歌うための音楽を毎週つくり、家族総出で演奏家たちのために写譜をしていたそうです。鈴木さんいわく、バッハの偉大なところはそのように曲を量産したのにもかかわらず、ハイレベルのオリジナリティを感じること。無尽蔵な才能、とのことです。またバッハは、M1「響け!ティンパニー」という題で、曲がすぐにティンパニーで始まるなど、言葉の使い方もうまいと感じるそうです。
バロックの音楽家は、現代音楽には取り組むものの、その中間のロマン派をとりあげることが少ないのでは?という横山さんの質問に、鈴木さんは、お家では「ショパンを弾くのが大好き、本当は内緒です。」と教えてくださいました。
鈴木さんがエグゼクティブ・プロデューサーの「調布国際音楽祭」は、今年も6月24日から7月1日に開催されます。フィナーレはモーツアルトのめったに上演されないオペラ「劇場支配人」。ソプラノ歌手2人が超絶技巧を披露します。
そのほか無料コンサートなども多数ありますので、ぜひお楽しみに。
調布音楽祭公式サイト
今夜、鈴木さんが選んでくださった曲は、バッハのカンタータ全曲録音が完成したバッハ・コレギウム・ジャパンのCDから、ご自身が通奏低音を担当している1曲。この曲は、のちにクリスマス・オラトリオにも転用させています。
そのバッハ・コレギウム・ジャパンのコンサート・マスター、若松夏美さんのソロアルバムから。そして、ヘンデルの「メサイア」をクインシー・ジョーンズが中心となりブラック・ミュージックで再現したアルバムは、みなさんに聞いてほしい、鈴木さんも落ち込んだ時に聞くアルバムなんだそうです。
2週間にわたって楽しいお話をありがとうございました!
来週は、3月生まれのショパンを特集。
「横山幸雄 入魂のショパン2018 Vol.9」の予習第一弾です!