ブラームスの「ピアノ協奏曲第一番」初演の日にちなんで
18/01/22
今夜もお聴きいただきありがとうございます。
1月22日は1859年、いまから159年前、ブラームスの「ピアノ協奏曲第1番」が作曲家自身のピアノによって初演された日です。
ブラームス(1833-1897)といえば、時代的には後期ロマン派に位置しますが、作風は古典派のスタイルを踏襲しています。交響曲、協奏曲のほか、室内楽作品や合唱曲など幅広いジャンルに作品を遺した、ドイツを代表する作曲家です。
今夜は、ブラームスのピアノ協奏曲第1番の初演にちなみ、ブラームスの生涯を振り返りながら改めてピアノ協奏曲の特徴や魅力についてお送りしました。
<プレイリスト>
M1 ブラームス 《ピアノ協奏曲第1番》より第1楽章/ クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ)、サイモン・ラトル(指揮)、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
M2 ブラームス 《ピアノ協奏曲第2番》より第1楽章/ウラディミール・アシュケナージ(ピアノ)、ベルナルド・ハイティンク(指揮)、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
●ブラームスの「ピアノ協奏曲」はなぜ長大なのでしょうか??
「ピアノ協奏曲第一番」は、当初はクララ・シューマンとの共演を意図して、2台ピアノのためのソナタとして構想されました。その後、一度交響曲として改作を試みますが頓挫し、ピアノ協奏曲へ仕立てることを決めた後も細かな改訂を重ね、ようやく1859年の初演に至っています。そうした背景もあり、本作は全3楽章で約45分という、ピアノ協奏曲としては長大な作品となっているのかもしれません。「シンフォニックでオーケストラの1つの楽器としてピアノを使っている部分も多いのが特徴です。」と横山さん。
この「ピアノ協奏曲第1番」はブラームス26歳の時の作品。初演直後は不評でしたが、徐々に評価が高まったと言われます。世間の評価が変わり、傑作と認められるようになったのは初演から14年後、1873年にクララ・シューマンが弾いてからだそうです。
「ピアノ協奏曲第二番」は、第一番から22年後、ブラームス48歳、キャリア最盛期・成熟期に作曲されました。全4楽章構成、約50分。
1881年にブラームス本人の独奏で初演され、この作品は即座に、各地で大成功を収めています。こちらも、ピアノ付の交響曲とでもいうようなニュアンスが強く長大です。
横山さんは「ブラームスの作品は「重厚」と言われますが、若い頃の作品には渋さに暗さと情熱を感じ、年齢を重ねてからは重厚感に柔らかさや軽さが加わっている、そんな変化を感じます」とのこと。あまりに長大で演奏会で弾く機会は限られる作品ですが、今年は久しぶりに2つのピアノ協奏曲を弾く横山さんの演奏会が予定されています。ぜひお出かけください!
◎オーケストラを聴こう ブラームス交響曲全集
会場:2月4日(日)15時開演
日時:静岡音楽館AOI
共演:沼尻竜典(指揮)、東京交響楽団
◎日本フィル杉並公会堂シリーズ
会場:杉並公会堂
日時:3月6日(火)19時開演
共演:大友直人(指揮)、日本フィルハーモニー交響楽団