ON AIR REPORT オンエアレポート

11月6日生まれの楽器製作者、アドルフ・サックスに注目!

17/11/06


今夜もお聴きいただきありがとうございました!

1814年11月6日ベルギー生まれの楽器製作者、アドルフ・サックスにちなんで、サックスの歴史や名曲をご紹介しました!いまからおよそ170年前の1846年に誕生したサクソフォン。金属でできていますが、木管楽器です。金属でできたクラリネットといったイメージがある、と横山さん。フランスを中心に広がった楽器なのです。

<Playlist>
M1 ビゼー 《アルルの女 第2組曲》 より<間奏曲>/小澤征爾指揮、フランス国立管弦楽団
M2 チャーリー・パーカー《コンファメーション》/ チャーリー・パーカー(アルト・サックス)
M3 ミヨー 《スカラムーシュ》/ブランフォード・マルサリス(サックス)、オルフェウス室内管弦楽団
M4 ドビュッシー 《アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲》/ジャン=マリー・ロンデックス(サックス)、ジャン•マルティノン(指揮)、フランス国立放送局管弦楽団

サクソフォンの歴史・・・
1846年に特許を取得し、正式に「サクソフォン」として発表されます。1847年にはパリの軍楽隊学校にサクソフォン科が設置されます。その後1857年、パリ国立高等音楽院に初めてサクソフォン科が設置され、製作者のアドルフ・サックスが初代教授に就任します。しかし、その後の財政難のためサクソフォン科は一時閉鎖。再び設置されるのは1942年。サクソフォンの名プレーヤーとして知られるマルセル・ミュールが教授に就任します。日本では1953年に東京芸術大学にサクソフォン科が設置されています。

パリ音楽院のサクソフォン科はなんと72年もの空白期間があるんですね。その間にアメリカでサクソフォンが人気となります。主にビッグバンドに取り入れられ、大活躍します。その後はチャーリー・パーカーをはじめとする名プレーヤーが次々と誕生し、ジャズに欠かせない楽器として位置付くようになりました。


クラシックの分野ではロマン派以降の作曲家が自分の作品に取り入れはじめます。
ビゼー「アルルの女」
ラヴェル「ボレロ」 (テナーとソプラノのソロあり)
ムソルグスキー「展覧会の絵」より「古城」
ミヨー「スカラムーシュ〜サクソフォンとオーケストラのための組曲〜」
イベール「アルト・サクソフォンとオーケストラのための室内小協奏曲」
ドビュッシー「アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲」
グラズノフ「アルト・サクソフォン協奏曲」
ヒンデミット「サクソフォン・ソナタ」

M4のドビュッシー「アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲」は、アメリカのお金持ちの委嘱を受け報酬を先にもらったものの、なんと未完のまま作品を渡しています。サクソフォンをよく知らずに完成まで持っていけなかった作品として知られています。のちにロジェという人が補完し演奏されるようになりました。

サックスはドイツよりもフランスやロシアの作曲家の作品に積極的に採用されました。フランスの音楽は、管楽器が活躍します。フランスの色彩豊かな音楽に新たな魅力を加えることになりました、と横山さん。