横山幸雄ニューアルバム「ファンタジー」特集!
17/10/30
今夜もお聴きいただきありがとうございます!
9月に発表されたニューアルバム『横山幸雄/ファンタジー』を今夜はご紹介しました。
タイトルどおり今回は「幻想曲(ファンタジー)」にフォーカスし、古典派からロマン派までの幻想曲の傑作を集めたアルバムです。
<Playlist>
M1 J.S.バッハ 《半音階的幻想曲とフーガ ニ短調》 BWV903
M2 モーツァルト 《幻想曲 ニ短調》 K.397
M3 シューマン 《幻想曲 ハ長調》op.17 (より第2楽章)
ピアノ、横山幸雄 アルバム『横山幸雄/ファンタジー』より(ARTINFINI MECO-1043)
先日の<ベートーヴェンプラスVol.4>でも、第4部、5部は「幻想曲」がテーマとなっていました。バロック時代の「幻想:ファンタジー」は、形式にこだわらず自由に即興風に書かれた作品を意味していました。M1は、バッハの鍵盤作品のなかでも最高峰の1つ。JSバッハ自身がレッスンの必修科目とし、ベートーヴェンも入念に楽曲を研究したことでしられています。
M2 モーツアルトの「幻想曲」は、初版譜に「導入部としての幻想曲」という表記があり、ソナタやフーガに続いていく役割をもった作品だったと推測されます。
M3は、3楽章からなるソナタ風幻想曲。約30分を要する大曲です。リストが提唱した「ベートーヴェン記念碑建立募金」に寄付するために、ピアノソナタとして書き始めたものの、普通はゆったりとした楽章の第2楽章で行進曲のスタイルがでてきたり、ソナタ形式にあてはまらない内容になりました。
今回は、製造されてから40年ほどのニューヨークスタインウェイで録音しました。これは先日のオペラシティでも弾いたピアノで、スタインウェイは、ニューヨークとハンブルクに拠点があり、同じ設計図で作られていても素材や職人で出来上がりはだいぶ違ったものになっています。
日本の多くのコンサート・ホールなどはハンブルクのスタインウェイを備えていますが、ニューヨーク・スタインウェイの音色もぜひお楽しみください。
これまでは、一人の作曲家に焦点をあてたCDが多かったですが、今回「幻想曲」でまとめたのは珍しいところ。作曲家の自由さと同時に、幻想的で夢見るような部分も感じてみてくださいね!