ベートーヴェンプラスVol.4直前スペシャル1
17/08/28
今夜もお聴きいただきありがとうございます!8月も終わりですね〜。
9月になるとやってくるのが、ベートーヴェン・プラス!
今回からリサイタルまでは予習を兼ねて、番組もベートーヴェンつながりで参ります。
番組を聴いてご興味もっていただけましたら、ぜひ東京オペラシティコンサートホールにお集まりください!
<今夜のプレイリスト>
M1ベートーヴェン 《ピアノ協奏曲第5番「皇帝」》より 第3楽章/横山幸雄(ピアノ)、トリトン晴れた海のオーケストラ(コンサートマスター矢部達哉)、2016年の「ベートーヴェン・プラス」ライブ録音
M2 ベートーヴェン 《ピアノ・ソナタ第14番「月光」》より 第1楽章/横山幸雄(ピアノ)、(2013年ベートーヴェンプラスVol.1 ライブ録音)
M3 ベートーヴェン 《ピアノ・ソナタ第15番「田園」》より 第1楽章/横山幸雄(ピアノ)(CD『ベートーヴェン12会』)
2013年に始まった横山幸雄<ベートーヴェン・プラス>は、ベートーヴェンのピアノ作品とそれにプラスしてプログラムに関連するピアノ作品を演奏するリサイタルです。
昨年は、デビュー25周年記念の特別バージョン、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲を1日で演奏しました。
今回は、ソロ・ピアノにもどって、30代のベートーヴェンに焦点を当て、第13番から第18番のピアノ・ソナタを中心にお送りします。そしてベートーヴェンに「プラス」して、音楽史上の代表的な「幻想曲」を第4部、第5部で演奏します。
偉大な作曲家、ベートーヴェンですが、作曲家としては比較的遅咲きといえます。記念すべき「作品1」は、20代半ばになってからのことです。これは当時のヨーロッパの政治的な混乱なども影響しているかもしれません。そして20代終わりには耳の不調が現れ始めます、30代のベートーヴェンは耳の病に対する絶望とそれを乗り越えていく、まさに人生の岐路を迎えます。今回のベートーヴェン・プラスでは、「世紀の天才作曲家」へと飛躍していった変遷をお聴きいただければと思います。
「ピアノソナタ第14番「月光」」について
M1のは、1801−1802年、ベートーヴェン31−32歳のころの作品です。ベートーヴェン自身は「幻想曲風ソナタ」というタイトルで発表しました。「幻想曲」とは、いまでいう「即興的」ということ。これまでのソナタは、急緩急の形式を重視するのがふつうでしたが、この14番は、第一楽章でゆったり、第二楽章でやや活気づき、第三楽章で爆発、という全くちがう雰囲気を持っています。第13番のソナタも「幻想曲」とタイトルされていますが、こちらは一続きに演奏する、これも従来とはちがう手法をとっています。
「月光」の呼び名は、詩人であり音楽評論家であったルードヴィヒ・レルシュターブが第1楽章を聴いて「ルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と例えたコメントからとられています。この作品は、イタリアの伯爵令嬢ジュリエッタ・グイチャルディに捧げられています。「愛らしい、魅惑的な娘」ジュリエッタは当時18歳でベートーヴェンとは一回り以上年の差があったが、ベートーヴェンは年齢差よりも身分の差から、恋が成就しないであろうことを告白している。ベートーヴェンの手紙には、「結婚が幸せをもたらせてくれるかもしれないと考えたのは、これが初めてです。ただ残念なことに彼女は僕とは身分が違うのです。そして今のところ僕は彼女と結婚できそうもありません」と記されています。
リサイタルでは第1部に演奏する、この13番、14番のピアノソナタにちなんで、第4部、第5部では、バッハからシューマンまでの「ピアノ幻想曲」に注目したプログラムです。
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来週は、「テンペスト」などに注目します。お楽しみに。