ON AIR REPORT オンエアレポート

大谷康子さんを迎えて 後編

17/07/31


今夜もお聴きいただきありがとうございます。
日本を代表するヴァイオリニスト・大谷康子さんを迎えた後編、スタジオで309歳という愛器も演奏していただきました。いかがでしたか?

<プレイリスト>
M1 R.シュトラウス:ヴァイオリンソナタ 変ホ長調 Op18/大谷康子(ヴァイオリン)、イタマール・ゴラン(ピアノ)
M2 エルガー:愛のあいさつ/ 大谷康子(ヴァイオリン)(スタジオ生演奏)
M3 サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン/ 大谷康子(ヴァイオリン)、藤井一興(ピアノ) 

M1のリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタは、R.シュトラウスが、ここはホルン、ここはチェロをイメージしていたんだなとオーケストラに置き換えたり、若いころの作曲ですがのちのオーケストラ作品の断片を感じ取ることができる作品、と大谷さん。
大谷さんのデビュー40周年の記念にベルリンのイエス・キリスト協会での録音です。ここは、カラヤンとベルリンフィルがレコーディングしていたところとして有名ですが、飛行機の音や鳥のさえずりなども自然に録音されてしまうので、そんなときはしばし録音も中断になるそうです。そして、この曲はピアノ奏者にとってはとても難しい曲だそうです。いつか横山さんとの共演を聴きたいですね!

M2はスタジオでの生演奏でした。大谷さんのヴァイオリンは、309年前に作られたガルネリ。大学院生のころに楽器やさんの紹介で出会い、その柴犬のような色あいに一目ぼれしてしまったそうです。

ヴァイオリンを弾くときに大切なのは?という横山さんの質問に、「音のイメージが第一、そして女優のようになりきって演奏すること。表現を決めるのは右手の弓のテクニック。バランスよく弓をあつかえるようにならなくてはいけません。たとえば、お習字の筆のように、墨をたっぷりつけて力強く書くとき、すこしの墨でなめらかな線を書くときのようにちがいます。」と実際に音を出して、明快にお答えいただきました。

そして、馬の尻尾の毛で作られている弓にもいろいろあり、大谷さんの弓はなんと、ナポレオン家の紋章入りなのです!すごいですね。

大谷さんのヴァイオリンの弓

8月12日 大谷康子、横山幸雄デュオリサイタル(軽井沢 大賀ホール)もお楽しみに!

そのほかの大谷さんのご予定は・・
11月12日 10年プロジェクト<大谷康子のヴァイオリン賛歌>今回はサラサーテを中心に。(ハクジュ・ホール)
12月20日 大谷康子、横山幸雄 大阪でデュオリサイタル
12月21日 大谷康子(ヴァイオリン)×キエフ国立フィルハーモニー交響楽団 メンデルスゾーンとチャイコフスキー2大協奏曲を一挙演奏!ニコライ・ジャジューラ(指揮)(オペラシティ・コンサートホール)
そしてBSジャパンで放送中の<おんがく交差点>もぜひご覧ください。(毎週水曜夜11時30分〜)

来週は、8月生まれの作曲家からリリー・ブーランジェをご紹介します。女性ではじめてのローマ大賞を受けた作曲家です!お楽しみに。
大谷康子さんと