ON AIR REPORT オンエアレポート

入魂のショパン2017〜直前スペシャル1

17/04/17


今夜もお聴きいただきありがとうございます。

今年も近づいてきた「横山幸雄 入魂のショパン2017」
3回にわたって、直前スペシャルをお送りします。

ショパン生誕200年を機に始めた演奏会、今年で第8回目を迎えます。これまで、いろいろな形でショパンの人生・作品にスポットをあててきましたが、今回は20代半ばから後半にかけてのショパンに焦点をあてます。

<プレイリスト>
M1 ショパン《12のエチュード op.25》より<エオリアンハープ>(「入魂のショパン2016」ライブ音源)
M2  ショパン 《2つのポロネーズOp.26》より 1曲目(ポロネーズ第1番)(「入魂のショパン2014」ライブ音源)
M3  ショパン 《24のプレリュードOp.28》より <雨だれ>(横山幸雄最新アルバム『入魂のショパン』より)

M1の12のエチュード作品25、この曲集を出版した27歳の頃、ショパンはマリアとの婚約破棄を経験し、失恋の傷を癒すために友人のプレイエルとロンドンへ旅行に出かけています。作品10はリストに、作品25は、その愛人のマリー・ダグ伯爵夫人に献呈されています。今回の演奏会では、2つの『12のエチュード』作品10と25を全曲演奏します。現代の演奏家にとっても演奏がとても難しい作品群で、すべて演奏される機会は実は少ないもの。お聴きのがしなく!

M2、ポーランドの代表的な民族舞曲にはポロネーズとマズルカがあります。マズルカが農民の間で伝承されてきたのに対し、 ポロネーズは貴族の間で伝わってきたという違いがあり、堂々とした力強い音楽です。ポーランドの民族としての力強さと悲劇性を表しているのがショパンのポロネーズです。作品22の「アンダンテ・スピアナートと大ポロネーズ」を除けば、ポーランド時代に9曲ものポロネーズを作曲していますが、作品26は、ショパン自身によって作品番号が与えられた最初のポロネーズです。

M3 26歳から28歳にかけて作曲した「24の前奏曲」から、これは、ジョルジュ・サンドの一家とマヨルカ島にヴァカンスにでかけて作曲の仕上げが行われた有名な1曲。この20代後半の後半は、ショパンがジョルジュサンドと出会い、生活のパートナーとなっていく時期と重なります。ショパンにとっての人生の春、ともいうべき時代です。この前奏曲集の出版社からの前金の支払いを、ショパンはマヨルカ島旅行の費用にあてたと言われます。

◎入魂のショパン2017
日時:5月5日(金・こどもの日)、お昼1時開演
会場:東京オペラシティ コンサートホール
曲目:<第1部> エチュード集 Op.10 、エチュード集 Op.25
<第2部> 2つのポロネーズ Op.26 、 2つの夜想曲 Op.27 、24の前奏曲 Op.28
<第3部> 即興曲 第1番 Op.29 、4つのマズルカ Op.30 、スケルツォ 第2番 Op.31
2つの夜想曲 Op.32 、4つのマズルカ Op.33 、3つの華麗なるワルツ Op.34
ピアノ・ソナタ 第2番 「葬送」 Op.35
<第4部> 即興曲 第2番 Op.36 、 2つの夜想曲 Op.37 、バラード 第2番 Op.38
スケルツォ 第3番 Op.39 、2つのポロネーズ Op.40 、4つのマズルカ Op.41
ワルツ 第5番 「大円舞曲」 Op.42 、タランテラ Op.43 、ポロネーズ 第5番 Op.44
<第5部> マズルカ風ロンド Op.5 、 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22、バラード 第1番 Op.23 、ポロネーズ 第6番 「英雄」 Op.53 、子守歌 Op.57
舟歌 Op.60 、 ポロネーズ 第7番 「幻想」Op.61


来週は、3部と4部のききどころをご紹介します!ぜひお聴きくださいね。

2017年4月スタジオで