ON AIR REPORT オンエアレポート

ベートーヴェン没後190年

17/03/27


今夜もお聴きいただきありがとうございます。

3月26日はベートーヴェンの命日。 今年は、没後190年です。
ベートーヴェンは、若い頃はピアノ演奏家として活躍していましたが、耳の不調もあり、30代前半には自殺まで考えるほどの絶望を味わいます。しかしその苦難を乗り越え、作曲家としての道を進み、ピアノ曲はもちろん、多岐にわたるジャンルで傑作を遺しています。今夜はベートーヴェンの人生の中でも最もドラマティックで、傑作を続々と生み出した30代にフォーカスしました。

<プレイリスト>
M1 ベートーヴェン《ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」》より 第1楽章/矢部達哉(ヴァイオリン)、横山幸雄(ピアノ)

M2 ベートーヴェン 《交響曲 第3番 「英雄」》より第1楽章/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

M3 ベートーヴェン《ピアノ協奏曲第5番「皇帝」》より 第3楽章/横山幸雄(ピアノ)、トリトン晴れた海のオーケストラ (コンサートマスター矢部達哉) 2016年9月22日 東京オペラシティ コンサートホール「ベートーヴェン・プラス Vol.4」より

M1は、「ハイリゲンシュタットの遺書」と呼ばれる甥と弟への手紙から1年後、1803年33歳のときの作品。ベートーヴェン自身「極めて協奏風に書かれたヴァイオリン助走つきのピアノソナタ」と記しています。ヴァイオリンとピアノが対等に活躍するあり方は、その後のヴァイオリン・ソナタの方向を変えました。ヴァイオリン・ソナタの傑作のひとつです。

M2、交響曲第2番「英雄」も、同じく1803年、33歳の作品。翌年、ナポレオンが皇帝に即位、民衆のリーダーと期待していたベートーヴェンは失望し「英雄」の献呈を取りやめています。およそ50分の演奏時間の長さも、葬送行進曲やスケルツォを配した構成も常識破りでした。

M3は、1809年、ナポレオンがウィーンを占領し、ウィーンが混乱に陥った時期に書き始めた、ベートーヴェン39歳の作品。こちらの「皇帝」というタイトルはベートーヴェンがつけたものではありません。

●ミューザ川崎ホリデーアフタヌーンコンサート2017前期 
 「黄金のデュオ」矢部達哉&横山幸雄 デュオ・リサイタル
日時:4月1日(土) お昼1時半開演
会場:ミューザ川崎(神奈川)
曲目:ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 「クロイツェル」/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」/シューベルト:即興曲D.899より第3番/ショパン:ワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」/フランク:ヴァイオリン・ソナタ
共演:矢部達哉

そして、今年のベートーヴェン・プラスVol5は、ピアノソナタ「月光」や、「テンペスト」、そして「幻想曲」をキーワードにした最終パートなど、現在プログラムを考えているところだそうです。

●セルヴィアーノグランドハイブリッドでの番組のための横山さんの演奏が聴けるのは、3月末まで。
ぜひ右のバナーからアクセスしてください。

●次回は、チェリストの伊藤悠貴さんをゲストにお迎えします!