ON AIR REPORT オンエアレポート

12月生まれの作曲家・シベリウス特集!

16/12/05


12月に入りました。
今夜もお聴きいただいてありがとうございました!風邪が流行っているようです。気を付けてくださいね!

今週は、12月生まれの作曲家から、12月8日生まれのジャン・シベリウス(1865年〜1957年)の音楽を紹介しました。
フィンランドを代表する作曲家で、北欧の豊かな自然をモティーフにした民族的な音楽を多く遺しています。
昨年、2015年に生誕150年を迎えました。

<PLAY LIST>
M1 シベリウス: 交響詩《フィンランディアop.26》
ペトリ・サカリ(指揮)、アイスランド交響楽団

M2 シベリウス 《ヴァイオリン協奏曲》 より 第3楽章
ピンカス・ズッカーマン(ヴァイオリン)、ダニエル・バレンボイム(指揮)、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

M3 シベリウス 《5つの小品op.75》より 第5曲<樅(もみ)の木>
田部京子(ピアノ)

「フィンランディア」は、シベリウス(1865-1957)によって1899年に作曲、1900に改訂された交響詩。1900年のパリ万博でフィンランドのオーケストラによって初めて演奏され、同時に<フィンランディア>という名称を得ました。フィンランディアとは土地、文化、生活習慣など全て包括した「フィンランドというもの」の意味です。
・作曲当時、フィンランドはロシアの圧政下にあり、言語や言論、出版など厳しく統制されていたため、独立運動が起こっていました。最初の曲名は「フィンランドは目覚める」 。新聞社主催の演奏会で上演された劇音楽のフィナーレとしてつくられました。ロシア当局はこの曲がフィンランドの愛国心を高揚させることを恐れ、国内での演奏を禁止、音楽のもつ力を当局も警戒したのです。
・重苦しい序奏(「苦難のモティーフ」)から始まり、途中に有名な「フィンランディア賛歌」がはさまれ、最後は「勝利に向かうモティーフ」も加わり盛り上がって終わる「フィンランディア」。
・「フィンランディア賛歌」は、シベリウス本人が合唱用に編曲したもので、フィンランドでは現在も第二の愛国歌として広く歌われています。

「ヴァイオリン協奏曲」は、ヴァイオリニストを目指していたシベリウスが残した唯一の協奏曲。初演は1904年。シベリウスの作曲活動も脂ののった40歳のころの作品です。初演は、独奏者の力量不足で失敗におわりましたが、改定版を発表し大成功をおさめます。

シベリウスは交響曲や劇音楽が有名ですが、ピアノの小品も残しています。この「5つの小品」は、シンプルなメロディーとハーモニーで、北欧の自然や情景をすがすがしく描いています。

シベリウスの作品は、近代音楽の幕開け、フランス、イタリア、ドイツなど音楽の歴史を作った国の周辺、ロシア、東欧、北欧などが、
民族的な音楽に注目して独自の音楽を作った新たな時代の展開のひとつです。目をつぶると、北欧にいるようなそんな気持ちにさせてくれます。