【後編】『トーク&ライブ・イン・大阪』イベントレポート
16/08/29
今週は大阪での公開収録後編をお届けします。
まずはリスナーの方からのメッセージ&質問コーナー
FM OSAKA のDJ若宮テイ子さんとのトークパートでは、リスナーからのメッセージや質問も。
「ピアノを始められたきっかけは?」との質問には「覚えていません(笑)。ピアノを弾いていない自分に記憶はない」と横山さん。
「自宅にあったピアノをおもちゃのように弾いていて、習い始めていたのは5歳。(プロになるなんて)何も考えてもいなかったけれど、楽しかった」とのことです。
さらに「指がまわるようになるには?」という質問には「ピアノに座っていない時間にも指を動かしておくと良い」とのアドバイス。「(自身も)よく指が動いていると指摘されます。無意識なんですが。これも練習時間の削減です(笑)」と会場が笑いに包まれるシーンも。
シューベルト・ブラームス・ショパン
そして後半では、シューベルトの《4つの即興曲 作品90》第3番からスタート。シューベルトは先輩作曲家であるベートーヴェンを慕い、尊敬していたと言われていますが、「ベートーヴェンの音楽にみられる意思の強さやドラマティック性とは反対に、シューベルトは優しい人柄が音楽にも表れている。」歌の作品を多く書いたシューベルトは「歌のような、人間の声のような部分をピアノから引き出している作曲家」と解説。続いてはブラームスの《6つの小品 作品118》より第2番。ロマン派の時代には、「性格的小品」とよばれるピアノのための短い楽曲が多く作られるようになりますが、シューベルトもブラームスも晩年にこのピアノのための小品を残しています。いずれもゆったりとした曲調で美しい作品です。そして最後を締めくくるのはショパンの《幻想即興曲》。ショパンのピアノ曲の中でも人気の高い作品ですが、実はショパンが生前出版しなかった遺作と呼ばれる作品の一つです。「(自分の死後は)焼いて処分してくれ」と言い残したといわれますが、天才ショパンの傑作であることは間違いありません。
このイベントでは、横山さんが「CELVIANO Grand Hybrid」を演奏。前半2作品が「ウィーン・グランド」の音色で、後半3作品が「ベルリン・グランド」の音色で演奏されました。「こちら(CELVIANO Grand Hybrid)の場合、アコースティックピアノよりもさらに演奏家の技量があらわれる」という横山さん。時に繊細で優しく深い表現から、時に情熱的でドラマティックな表現まで多彩な音色を使い分けた見事な演奏に会場も引き込まれました。
なおこのイベントで演奏した音源は、『天才ピアニスト 横山幸雄のピアノでめぐり逢い』のこちらの番組ホームページから聴くことができます。合わせてお楽しみください。
⇒『トーク&ライブ・イン・大阪』公開収録音源はこちら
【演奏楽曲】
・J.S.バッハ《イタリア協奏曲 BWV971》
・ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ第14番「月光」》
・シューベルト《4つの即興曲 作品90》より第3番
・ブラームス《6つの小品 作品118》より第2番
・ショパン《幻想即興曲 作品66》