5月22日は、パガニーニ特集
16/05/23
今夜もお聴きいただきありがとうございます!
今回は、5月27日に命日を迎えるニコロ・パガニーニ(1782年ー1840年)に注目しました。
パガニーニは19世紀を代表するイタリアのヴァイオリニストで、自ら演奏するための作品を
多数作曲しました。
聞き手を圧倒する超絶技巧で、悪魔に魂を売り渡してそれを手に入れたにちがいない、
と噂されたほど。同時代、そしてのちの音楽家にも大きな影響を与えました。
今夜は、パガニーニの代表的な作品「24のカプリース」から有名な24番、
そして、この24番の主題を用いた多くの作品から2曲ご紹介しました。
M1 パガニーニ 《24のカプリース》作品1 より 第24番 イ短調
五嶋みどり(ヴァイオリン)
M2 ラフマニノフ 《パガニーニの主題による狂詩曲》 作品43 より 第18変奏
ラフマニノ自身のピアノ、ストコフスキー指揮、フィラデルフィア管弦楽団
M3 ブラームス 《パガニーニの主題による変奏曲》作品35 より
フランソワ=ルネ・デュシャーブル(ピアノ)
パガニーニの演奏を直接聞いた同時代の音楽家、
リスト、ショパン、シューベルト、シューマンなどが、自身の人生が変わるほどの衝撃を受けています。
そして、ブラ―ムス、ラフマニノフなどのちの音楽家も、パガニーニの主題をモティーフにして
たくさんの作品を産みました。
インスピレーションがわきやすい主題といえると思いますが、多くはそこから自分なりの作曲を
展開しているのに対して、リストの作品だけは珍しいタイプですね、と横山さん。
パガニーニは、技術が他人に知られるのを好まなかったため、生前はほとんど自作を出版しませんでした。
オーケストラにすらパート譜を配るのは演奏会の数日前(時には数時間前)、
演奏終了後は配ったパート譜をすべて回収したというほどの徹底ぶり。
パガニーニ自身が死の直前に楽譜をほとんどを焼却してしまったので、大部分の作品は廃絶しています。
自分が死んだあとなら、技術が盗まれるといっても別にかまわないのではないかなと思います。
ショパンとパガニーニ、ショパンはピアノのために作曲し、パガニーニはヴァイオリンのために作曲、
そこは似ていますが、ショパンは「遺作」もたくさん残っている、その点は違いますね、と横山さんはおっしゃっていました。
来週は、世界的なヴィオラ奏者、今井信子さんをお迎えします!
今井さんは、世界でも珍しいヴィオラ音楽の祭典「ヴィオラ・スペース」を1992年に始められ、
今年は25回目です。
大阪では、5月25日にフェニックスホールで、
東京では5月28日と6月1日に上野学園 石橋メモリアルホールでコンサートが行われます。
お楽しみに!