ON AIR REPORT オンエアレポート

復活祭(イースター)と春にちなんだ作品をお送りしました。

16/03/28


3月も最終週、TOKYOFMの前、半蔵門から千鳥ヶ淵の桜は咲き始めていますが、
見ごろは今週末かもしれません。

3月27日は、復活祭(イースター)でした。そこで、復活祭と春にちなんだ作品をお送りしました。
「復活祭」とは、クリスマスとともに、キリスト教にとっては最も重要な祭典。
キリストが死後3日目に甦ったという「復活」を祝う日で、同時に春の訪れを祝うお祭りでもあります。
復活の象徴の卵を食べたり、ペイントした卵(実際にはチョコレートで代用も多い)を贈り合ったりして、盛大に祝います。
パリに留学していた横山さんにとっては、イースターは日本の春休みのような感覚がしていたそうです。
イースターが終わると、試験の準備をしなくては!という季節だそうです。

お届けしたのは・・
M1 バッハ《復活祭オラトリオ BWV249》より<シンフォニア>
         演奏 エンパイヤ・ブラス
M2 フェリックス・メンデルスゾーン  《無言歌集 第5巻》より 第6番<春の歌>op.62-6
         ピアノ 田部京子
M3 グリーグ 《抒情小品集》第3集op.43 第6曲<春に寄す>
          ピアノ 横山幸雄  (1998年、CD『グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調』 より)
M4 グリーグ 《2つの悲しき旋律》より<過ぎにし春>
          ピアノ 横山幸雄  (1998年、CD 『グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調』 より)


バッハは生涯で3つのオラトリオ(クリスマス・オラトリオ、昇天祭オラトリオ)を遺し、
「復活祭オラトリオ」は、11曲、40分ほどの作品。1曲目の<シンフォニア>は春らしい華やかな祝祭の音楽です。
バッハの本作以外では、復活祭に演奏される代表的な作品として、ヘンデルの傑作オラトリオ《メサイア》が挙げられます。

2曲目は、メンデルスゾーン。この曲は、楽譜の冒頭にある、「春の歌のように」というメンデルスゾーン自身が書いた
発想標語からタイトルが付けられている有名な曲です。

3、4曲目は、ノルウェーの作曲家、グリーグ(1843-1907)のピアノ作品です。
<春に寄す>はグリーグの作品中で最もよく知られる名曲の一つ。
春の息吹と自然の美しい情景が目に浮かぶような抒情的な作品。
グリーグがデンマークへ旅行した際、ホームシックになり、この曲を作曲しました。
「厳しく野性的な美しさがあふれる、ノルウェーの自然が恋しくて仕方なく、それを讃える歌をつくってしまった。」と友人への手紙に記しています。
《抒情小品集》は1886年の作品。<過ぎにし春>は、もとは歌曲で、本来ならば<最後の春>と訳されるべきタイトル。
やっとめぐって来た美しい北欧の春を迎えながら、死を間近に控えた人が「これが春をみる最後の機会になるだろう」と歌っています。

春の曲は、たくさんありますが、華やかなわくわくするような春、
故郷の春を思い出したり、寂しい思いの春までさまざまな曲があります。