ON AIR REPORT オンエアレポート

ロシアのピアノ協奏曲で熱くなれ?!

16/02/01


今夜もお聴きいただきありがとうございます。

1月後半からとっても寒くなりましたね。
こんなときは思い切って、もっと寒い国へ!
「ロシア」で生まれた「ピアノ協奏曲」の代表作に注目しました。
「思わず聴き入ってしまった」と横山さんもおっしゃった力強く熱い名曲3曲でした。

M1 チャイコフスキー作曲《ピアノ協奏曲第1番》から第1楽章
    横山幸雄(ピアノ)、小泉和裕(指揮)、東京都交響楽団
    (横山幸雄デビュー20周年アルバムより、2012年サントリーホールで録音)

M2 プロコフィエフ作曲《ピアノ協奏曲第3番》ハ長調 作品26から 第1楽章
    マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)、クラウディオ・アバド(指揮)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

M3 ラフマニノフ作曲《ピアノ協奏曲第3番》から第1楽章 
    横山幸雄(ピアノ)、小泉和裕(指揮)、東京都交響楽団
    (横山幸雄デビュー20周年アルバムより)


M1は、1874年、チャイコフスキー34歳のときの作品です。
モスクワ音楽院の校長、ニコライ・ルビンシテインの前で試奏したところ、
演奏に向かないと酷評され、書き直しをすすめられた、というエピソードが残っています。
これはなぜなのか?
横山さんが実際に弾いてみると、難しく聴こえないところがピアニストにとってはひきずらい、と感じるそうです。
リストは、難しそうに聞こえるところが実はそうでもない、といった効果的な作品を書いています。
チャイコフスキーはピアニストではありませんでしたから、
そういったピアニストと作曲者の分業の時代のはじまりと言えるのかもしれません。
ちなみに、苦心作に自信のあったチャイコフスキーは、この曲の書き直しはせず、
ハンス・フォン・ビューローの演奏でボストンにて初演。爆発的な人気を獲得しました。

M2は、1921年に完成。同年、プロコフィエフ自身のピアノでシカゴで初演されました。
横山さんが演奏したことのある唯一のプロコフィエフのピアノ協奏曲です。(2001年)
ロマンティックな要素を残しつつ、モダンな音楽へと変わっていく時代が感じられる重要な作曲家です。

M3は、1909年の作曲。ラフマニノフは、最初のアメリカ演奏旅行で自分の実力をアピールするために
とても難しい作品として書き上げています。
横山さんは「手の大きなラフマニノフの作品にアプローチするのは難しい。
ピアニストにとって、勇気と時間、エネルギーがいると感じます。」
と語っていました。今年の4月に大阪で演奏予定です。
映画「シャイン」でも演奏された曲ですね。

●来週は、セルヴィアーノ・グランド・ハイブリッドでの演奏をお送りします!
●番組イベントへのご応募おまちしています!!!!