ON AIR REPORT オンエアレポート

9月27日 月にまつわる音楽

15/09/28


こんばんは、今週は、9月27日が中秋の名月だったことにちなんで、月にまつわる音楽をおおくりしました。

M1 ドビュッシー作曲《ベルガマスク組曲》より第3曲〈月の光〉/ピアノ:パスカル・ロジェ

M2 ドビュッシー作曲 歌曲《艶やかな宴》第1集から〈月の光〉/ソプラノ:ヴェロニク・ディエッチ、ピアノ:フィリップ・カッサール

M3 フォーレ作曲《月の光》/バリトン:ジェラール・スゼー、ピアノ:ダルトン・ボールドウィン

M4 シェーンベルク:「グレの歌」より「おお月光が静かに滑るように輝き」 /
ソプラノ:デボラ・ヴォイト、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮:ジェイムズ・レヴァイン


M1のドビュッシーのピアノ曲「月の光」は、1890-1905年(30歳前後)に作曲された《ベルガマスク組曲》の一曲。《ベルガマスク組曲》は前奏曲、メヌエット、月の光、パスピエの4曲から成り、
象徴派の詩人ポール・ヴェルレーヌの『艶やかな宴』(1869)からインスピレーションを得て作曲されたと言われます。

M2、ドビュッシーはこの「月の光」に強い思い入れがあり、歌曲としても2度にわたり作曲しています。1度目は20歳のころ、2度目は1891年ごろ29歳に歌曲集『艶やかな宴』の中で。お聞きいただいたのは2度目の作品で、ドビュッシー独特な作風。横山さんは学生時代によく伴奏した曲だそうです。

M3は、フォーレ作曲の歌曲。詩は同じヴェルレーヌのもので、ドビュッシーと比べてシンプルで、フォーレのもっとも美しい歌曲のひとつ、学生時代を思い出す歌曲を懐かしく聞きました、と横山さん。バリトンのジェラール・スゼーは、横山さんが留学時代に、自宅でレッスンを受けた往年の名歌手。2004年に亡くなっています。

M4は、現代音楽の先駆け、シェーンベルクが、若い頃は後期ロマン派のような作品を書いていたことがわかります。

月は星よりも、ミステリアスで幻想的な雰囲気をもち、詩人や音楽家にインスピレーションを与えたことを感じた放送でした。