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村上RADIO ~村上の世間話5~

村上RADIO ~村上の世間話5~

こんばんは……村上春樹です。
今日は恒例の「村上の世間話」。これでたしか5回目になります。あくまで世間話ですから、主張とか問題提起とか教訓とか、そういう立派なものがあるわけじゃありません。だから手仕事でもしながら気楽に聞き流してください。いろり端でせっせとわらじでも編みながら……なんてことは、いまさらもうないでしょうが、ま、そのへんは適当に。話の合間に例によってうちからもってきたレコードやCDをかけます。

<オープニング曲>
Donald Fagen「Madison Time」


秋も深まってくると、温かいものが食べたくなってきますね。僕はローマにしばらく住んでいたことがあるのですが、冬場はかなり冷えこみます。床が大理石でできている上に暖房が貧弱だったものだから、家の中にいると寒くて寒くて。毎日温かい野菜スープを作って、それを飲んで暖を取っていました。イタリア語でいうと「ズッパ・ディ・ヴェルドゥーレ」ですね。近所の野外マーケットで新鮮な野菜を買ってきて、それを鍋にどんどんぶち込んでスープを作ります。これがうまいんです。寒い季節になるとこのズッパのことを懐かしく思い出します。日本で同じように作ってもなんか味が違うんです。たぶん野菜の種類や性格が違うんでしょうね。
Star Eyes
The Frank Wess Quartet
Moodsville Volume 8
prestige
まずは1曲聴いてください。フランク・ウェスがフルートで演奏します。「スター・アイズ」、チャーリー・パーカーの演奏で有名な曲です。バックの練れたピアノ演奏は名手トミー・フラナガン。

世間話①
東京に表参道って広い通りがありますね。今では高級ブランドショップがずらりと建ち並んで賑わっています。でもね、昔話になって恐縮なんですが、40年ぐらい前は、ここはけっこう閑散とした通りだったんです。店なんかもあまりなく、人通りもまばらだった。なだらかな坂道に沿ってクラシックな同潤会(どうじゅんかい)アパートがあって、普通の一軒家もあり、お店も床屋さんとか、そのへんのなんてことない喫茶店とか、そんな感じのものでした。原宿はその頃からすでにわいわい賑やかだったけど、表参道の方まで人は流れてこなかったんです。
それで、表参道が青山通りと交差している角っこに交番があるのですが、その近くにかつては一軒の小さな鰻屋さんがありました。店の名前は忘れちゃったけど。僕はときどきそこでお昼にウナギを食べていたんだけど、その店には店付きの猫が1匹いまして、いつもどっかの席でぐっすり昼寝をしているんです。猫はウナギにはまったく関心がないみたいで、匂いがしても、隣で人が食べていても、目を覚ます気配はまったくありません。僕はそういうのんびりした佇まいが好きでした。昼下がり、穏やかに眠っている猫を見ながらウナギを食べていると、なんかほかほか幸福な気持ちなれるんです。でも時は移り、そういう場所もいつしか失われてしまいました。残念です。
Mama Told ME Not To Come
Randy Newman
The Best of Randy Newman
Rhino
ランディ・ニューマンの歌を聴いてください。「ママ・トールド・ミ−・ノット・トゥー・カム」、母さんには来るなって言われたんだけど……。お母さんの言うことはできるだけ聞いたほうがいいです。バックのスライド・ギターはライ・クーダーです。

世間話②
青山通りも昔は高層ビルなんてなく、会社みたいなものもほとんどありませんでした。スーツを着たサラリーマン風の人の姿もあまり見かけなかったですね。カジュアルな格好でそのへんをぶらぶらしているのは、だいたい自由業者というか、なんとなく暇そうな人たちで、たとえば安西水丸さんとか、和田誠さんとか、糸井重里さんとか、道を歩いているとそういう人たちにしばしば出会いました。もちろんみんな忙しい人たちだから、なにも暇でぶらぶらしていたわけじゃないんでしょうが、でもまあなんとなくそういう自由っぽい、風通しのいい雰囲気がありました。
今では表参道も青山通りもすっかり賑やかになり、人通りも増えて、週末なんかはまっすぐ歩けないくらい混み合っています。おかげでその「ぶらぶら感」もほとんど消え失せてしまいました。通っていたレコード屋さんとか書店とかもどんどんなくなって、淋しい限りです。
和田さんも水丸さんも残念ながらもう亡くなってしまいましたが、でも通りの角を曲がると、向こうから彼らがふらりと歩いてやってきそうな錯覚に襲われることが、今でもあります。水丸さんとはよく飲みに行きましたね。あの人は気持ちよくお酒が飲める、こぢんまりした店を見つけるのがとても上手なんです。そういうことには何しろまめな人でした。
Jambalaya
Fars Domino
CD FIVE best of the sixties
EMI gold
ファッツ・ドミノの歌で聴いてください。「ジャンバラヤ」

世間話③
当時、VAN99ホールっていうこぢんまりした劇場が青山通りにありました。服飾メーカーのVANジャケットが所有するビルの中にあって、座席数99、料金99円というずいぶんユニークなホールでした。落語だとか、小さな音楽コンサートだとか、いろんな興味深い催し物をやっていました。
僕は29歳のときにふと思いついて『風の歌を聴け』という小説を書いて、それがたまたま「群像」という文芸誌の新人賞を受賞して、その授賞式に出ることになりました。正式な場だし、いちおう僕が受賞者なわけですから、スーツを着ていかなくちゃならないんですが、そんなもの持ってないから、何か買わなくちゃならない。で、ある日、青山通りを歩いていたら、そのVANのビルでバーゲンセールをやっていたんです。中に入ってみたら、なかなか素敵なオリーブグリーンのコットンスーツを売っていました。試着してみたらサイズもぴったりで、値段も安かったので、それを買って、淡い黄色のボタンダウン・シャツに、黒のニットタイを合わせました。当時はそういう正統的アイビー・スタイルがまだしっかり流行っていたんです。でも靴までは予算がまわらず、普段履きのケッズだかコンバースだかのスニーカーを履いていきました。VANジャケットの、オリーブグリーンの三つ釦(ボタン)のコットンスーツ……思い出すと懐かしいです。記念にとっておけばよかったんだけどね、どこかに行っちまいました。
The Last Emperor
坂本龍一
1996
gut
音楽を聴いてください。坂本龍一の演奏する「ラスト・エンペラー」のテーマ。

世間話④
僕が『風の歌を聴け』で「群像」の新人賞をとったときの選考委員というのが、なかなかすごい顔ぶれでした。吉行淳之介、丸谷才一、島尾敏雄、佐多稲子、佐々木基一……若い人にはあまり親しみがないかもしれませんが、当時の文壇の錚々(そうそう)たるメンバーです。その5人が全員一致、一発で僕の作品を選んでくれたので、それがちょっとした話題になりました。僕は業界の事情に疎(うと)かったもので、それがそんなに大したことだとは知らなかったのですが、選考会で審査員の意見が一発で一致するというのはかなり珍しいことなんですね。だいたいがもめます。
授賞式のパーティーでいろんな方が僕に話しかけてきて、たくさん挨拶みたいなことをしました。誰と何を話したかよく覚えていませんが、作家の高橋三千綱さんが来られて、「いや、全員一致なんてほんとにすごいよねえ」と声をかけてくれたことを覚えています。僕も「ありがとうございます」とか素直に差し障りなく受け答えしていればよかったんでしょうが、生来、性格が真っ直ぐじゃないというか、「でも、全員一致のものは信用するな、とも言いますから」みたいなことを言っちゃったんです。そうしたら三千綱さんはなんだか困った顔をして、「うーん、まあ、きみ、何もそこまで言わなくても…」と言ってそのままどこかに行ってしまいました。そのことは今でもよく覚えています。つい減らず口をたたいてしまうというのは、僕の昔からの欠点ですね。
Golden Earrings
Alexis Cole With One For All
You'd Be So Nice To Come Home To
Venus
アレクシス・コールが歌います。「ゴールデン・イヤリングス」、バックのバンドは「ワン・フォー・オール」です。

世間話⑤
新人賞の授賞式のあとで、銀座のクラブに行きました。いわゆる文壇バーです。「姫」だったか「眉」だったか覚えてないですけど、いずれにせよ名の知れた一流クラブです。僕としてはべつにそんなところに行きたくはなかったんだけど、吉行さんに「君もいらっしゃい」と言われたので「はい」と言ってついていきました。
店に入るときれいな女の人は、みんな吉行さんのところにわあっと行っちゃうんです。当然ながら僕は末席で、そばにつく女の子も新入りの学生アルバイトみたいなレベルです。吉行さんって、本当にもてるんです。どうしてかはわからないけど、きっと何か女の人を引きつける特別な色気みたいなのがあるんでしょうね。それに話もうまいし、振る舞いも垢抜けています。
僕の席についた女の子は案の定、新入りのアルバイトで、家は千葉にあって「これから仕事を終えて家に帰ったら、お母さんが魚を焼いて待っているんだ」みたいなずいぶん地味な話をしました。なんでそんな話になったのかなあ?
とにかくそれが僕にとって唯一の「文壇バー」体験です。あとにも先にも、そんなところに行ったのはその1回だけ。吉行さんに誘ってもらったおかげで、社会勉強みたいなのにはなりましたけど、そんなに楽しいところでもなかったな。ほんと、文壇というのはよくわからないです。
Alarm Clock
Sheryl Crow
Evolution
The Valory Music Co.
シェリル・クロウが歌います。「アラーム・クロック」、目覚まし時計なんて大嫌い。

世間話⑥
鰻屋の話に戻るんですが、吉行淳之介さんの短編に鰻屋の出てくるいささか気味の悪い話があります。ずっと昔に読んだきりでこまかい筋はうろ覚えです。もし間違っていたらすみません。でも、だいたいのところは合っていると思います。題名は『出口』。2人の男が(これは出版社に缶詰になっている作家と編集者という設定だと思うのですが)、とある遠くの街まで車に乗って鰻を食べに行く話です。

その町においしいと評判の鰻屋さんが一軒あるのですが、ここは出前専門でして、店の入り口は常にぴたりと閉ざされています。中に人のいる気配もありません。おまけに注文しても、肝(きも)を出してくれません。肝焼きも肝吸いもきっぱり「ありません」と断られる。どうして肝を出さないのか、そこが文字通りこの話の肝になります。ここではその事情を明かすことがはばかられるので、よかったら作品を読んでみてください。数ある吉行作品の中でとくに名高いものではありませんが、いかにも吉行さんらしい「ぬめり感」の漂う、ちょっと不思議な小品(しょうひん)になっています。
Life During Wartime
DJ Tunez
Everyone's Getting Involved: A Tribute To Talking Heads' Stop Making Sense
A24 Music
DJチューンズが歌います。「Life During Wartime 戦時中の生活」、トーキング・ヘッズの曲ですね。

世間話⑦
もう1人の選考委員だった丸谷才一さんは2012年10月に亡くなっています。僕はちょうどそのとき外国にいて、葬儀には出られなかったので、しばらくしてからお宅に弔問(ちょうもん)にあがりました。そこで息子さんとお話をしていたら、「実は父には遺稿(いこう)があるのですが、それはちょっと世間には出せない性格のものなんです」と言われました。
どういうことか事情を聞いてみると、それは僕がノーベル文学賞をとったときに、新聞に載せるために書いたお祝いの原稿なんだそうです。新聞社に頼まれて、前もって用意されていたんですね。でも僕はもちろんそんな賞はとらなかったから、それは机の引き出しに入れたままになっていた。
それを聞いて、申し訳ないことをしたなと思いました。べつに僕に責任はないんですけど、結果的に発表するあてのない原稿を遺稿として書かせてしまったわけですから。でも、自分が30年以上前に新人賞に推した作家のことを、こうして最後まで温かく見守ってくださっていたのだなと、深く感謝しました。
Um Vento Passou (para Paul Simon)
Milton Nascimento, Esperanza Spalding
Milton + Esperanza
CONCORD RECORDS
ミルトン・ナシメントとポール・サイモンがデュエットで歌います。
Um Vento Passou、ポルトガル語で「風が通り過ぎて」。ナシメントが作ったとても美しい曲です。
Guilty of Loving You
Jerry Fuller
Teenage Love
Collectables Records
世間話⑧
そういえば、ジェリー・フラーが今年の7月に亡くなりましたね。といってもピンとくる方はおそらく少ないだろうと思います。ジェリー・フラーは1960年代に活躍したシンガー・ソングライター、といってもシンガーとしては、ほどほどの成功しか収めませんでした。それよりは作曲家として有名で、リック・ネルソンの「トラヴェリン・マン」「ヤング・ワールド」、そしてゲイリー・パケット&ユニオン・ギャップの「ヤング・ガール」「レディー・ウィルパワー」などのヒット曲を作り出しました。僕は昔からこの人の作る曲がわりに好きでした。だからジェリー・フラーっていう名前を久しぶりに耳にして、訃報ではあったけど「ああ、懐かしいなあ」としみじみ思いました。

「トラヴェリン・マン」は元々サム・クックのために書かれた曲だったのですが、クックが「こんなアホらしい曲を歌えるか」と断って、代わりにリック・ネルソンが歌って大ヒットしました。全世界で600万枚を売り上げたと言われています。
それでは、ほどほどの成功しか収めなかった歌手ジェリー・フラーの歌を聴いてください。
「ギルティ・オブ・ラヴィング・ユー」1961年にヒット・チャートの96位まで上がりました……というか、ギリギリのところで滑り込んだというか。
悲しくてやりきれない
小室等・石川鷹彦とザ・101
フォークギターにっぽん
東宝レコード
今日のクロージングの音楽は小室等さんのギター演奏です。「悲しくてやりきれない」、サトウ・ハチローの作詞、加藤和彦の作曲です。
今日の「村上の世間話」は、なんだか思い出話っぽくなっちゃいましたね。年齢を重ねると当然のことながら思い出すことも多くなってきます。それと同時に忘れることも多くなってきます。できればなるべく嫌なこと、つらいことは忘れて、良いこと楽しいことだけを覚えて生きていたいものですね。過去の傷をいつまでも抱えてくよくよしていると、人生はどんどんうす暗いものになっていきます。健康にもよくありません。

ということで、今日の言葉は英国の古いジョークというか、パンチライン、つまり決め台詞です。
「笑うときだけ痛む」 It only hurts when I laugh
これには説明が必要ですね。戦場で1人の兵隊が胸に槍を突き刺されて倒れています。虫の息で今にも死んでしまいそうだ。戦友が駆け寄って尋ねます。「おい、大丈夫か? 傷は痛むか?」
すると兵隊は答えます。「いや、笑うと痛いだけだ」

僕は昔からこのジョークが好きで、ことあるごとによく思い出します。笑うときだけ痛いって言われても、胸に槍を突き刺されて死にかけているときに、人が笑う理由なんてまず何もないですよね。要するにどんな絶対的苦境にあってもめげないっていうか、あえてお笑いにもっていくっていうか、そういうタフな姿勢に惹かれます。みなさんもどうかそれぞれがんばってくださいね。

「笑うときだけ痛む」…… It only hurts when I laugh.

それではまた来月。

スタッフ後記

スタッフ後記

  • 表参道、青山通りといえば洗練された流行の最先端というイメージがありますが、周辺には明治神宮や青山墓地もあり、静寂と賑やかさが共存する不思議なエリアでもあります。そんな街でのエピソード、なんだか春樹さんを身近に感じられます。また春樹さんの世間話を聞きたいですね!(CAD伊藤)
  • VANジャケットのオリーブグリーンのコットン・スーツ、薄い黄色のボタンダウン・シャツに黒いニットタイの新人作家……カッコ良くて懐かしいですね。今月の世間話シリーズ5回目は「作家村上春樹」の思い出が語られます。貴重な逸話ばかりです。村上RADIOの特集「村上の世間話」が最初に放送されたのは、2021年11月のことでした。まだコロナが終息していない頃です。すっかり世間が狭くなっていた時期に、村上DJの世間話と選曲は僕たちの鬱屈しがちな日々に風穴を開けてくれました。カート・ヴォネガットの言葉を「愛は消えても親切は残る」と訳した村上さん。今回の特集も、懐かしい街と人びとの思い出がその曲とともに温かく沁みます。(エディターS)
  • 丸谷才一さんのエピソード、心に残りました。そして、エンディングの今日の言葉は「笑うときだけ痛む」。次回で村上RADIOも放送70回目です。「今日の言葉」だけを並べても、一冊の本ができそうですね(構成ヒロコ)
  • 授賞式での高橋三千綱さんとのエピソードが心に残りました。お二人とも若くて、それぞれにライバル心があったのだなと。この気概が新しい文学の時代を切り拓いたのですね。僕もディレクターのとき、高橋三千綱さんにとことんお世話になりました。惜しくもお亡くになりましたが、感謝しかありません。(延江GP)
  • 今回の村上RADIOは、世間話シリーズ第5弾。放送テキストをご覧になった方はお気づきかもしれませんが、過去最高の必聴回となっています。聴き逃した方はぜひAuDeeなど実際の音でお楽しみください。(キム兄)
  • 街は良くも悪くも変わるものなんだと思いますが、今とは違った昔の姿を知れるのは面白いですね。表参道は僕にとってただただ「ザ・お洒落&高級」なんてイメージでした。今回の放送、なんだかウナギが食べたくなったのでボーナスが入ったら一人で食べに行こうと思います。(ADルッカ)

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村上選曲を学ぶテキストはこれだ!

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『意味がなければスイングはない』
文藝春秋(2005年11月)、文春文庫(2008年12月):『ステレオサウンド』2003年春号~2005年夏号に連載された音楽評論集。
『村上ソングズ』
和田誠(絵・エッセイ)と共著 中央公論新社(2007年12月)「村上春樹翻訳ライブラリー」シリーズに収録(2010年11月):歌詞の翻訳と和田誠の挿絵が中心の楽しい一冊。
『走ることについて語るときに僕の語ること』
文藝春秋(2007年10月)文春文庫(2010年6月):音楽本ではないが、ランナーにも愛読者が多い。

村上春樹(むらかみ・はるき)プロフィール

1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。’79年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、最新長編小説に『騎士団長殺し』がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』、『パン屋再襲撃』などの短編小説集、『ポートレイト・イン・ジャズ』(絵・和田誠)など音楽に関わる著書、『村上ラヂオ』等のエッセイ集、紀行文、翻訳書など著訳書多数。多くの小説作品に魅力的な音楽が登場することでも知られる。海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、’09年エルサレム賞、’11年カタルーニャ国際賞、’16年アンデルセン文学賞を受賞。