Vol.88 「点字名刺」 埼玉県
社会人の必須アイテムと言えば、名刺。
いろんなデザインがありますが、 “点字”が打ってある名刺、見たことありますか?
今回の話題は、「点字名刺」です。
「点字名刺」とは、お名刺に、視覚障がい者の方が点字を入れるサービス。
「視覚障害者の方が、1枚1枚、心を込めて点字を刻印していて、
それを1枚1枚使っていただくお客様にも、
新しいストーリーが生まれていくんじゃないかなと思っています。」
こう語るのは、埼玉県越谷市に事業所を持つ、
「ココロスキップ・点字名刺プロジェクト」、施設長の大政マミ(おおまさ・まみ)さん。
視覚障がい者の主な仕事は、“三療”とよばれている「針・灸・按摩(マッサージ)」。
ですが、障害の無い人でも働くことができるので、実情は狭き門となっているのが現状。
そこで、視覚障がい者の方にしかできない仕事を、
また、視覚障がい者の方が働くからこそ価値が生まれるものを、
との想いから、点字名刺プロジェクトがスタートしました。
視覚障がいを抱えている方にとっては、仕事を探すことは一苦労。
“点字“を名刺に打ち込むという仕事が、新たな雇用も生み出しました。
「点字名刺」は、もともと、視覚に障がいのある方に渡す為に利用されていましたが、
最近では社会貢献の意味から、障害の有無に関わらず、
点字名刺の受け渡しをする機会が増えてきているといいます。
7年前のスタート時は数えるほどだった注文が、今では、
「名刺交換をするときに会話が生まれる。」と、口コミで広がりを見せているのです。
「名刺に点字が入っているということが、
ユニバーサルデザインとして広がってほしいんですね。
そして、広がった先に、優しい社会へ繋がっていってほしいと思っているんです。」
点字名刺は、100枚1セットで1080円。
コミュケーションツールである名刺が、さらに幅広い可能性を与えてくれそうですね。