みらい図鑑

VOL.222「未来遺産運動」

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「100年後の子どもたちのためにできることは、なんだろう」。
日本ユネスコ協会連盟が取り組んでいるのが、「未来遺産運動」です。

世界遺産ではなく、未来遺産。

登録されるのは、「文化」や「自然」そのものではなく、
それを未来へ伝えていくための、“アクション”です。

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※美の里を未来へ 石畳地区・村並保存活動(愛媛県喜多郡内子町)

まず、地域文化や自然遺産を未来へ伝えていこうとする活動を、
「プロジェクト未来遺産」として登録。
未来遺産運動では、それを支援できるような仕組みを作っていきます。

つまり、未来遺産運動で応援するのは、“活動をする人々”です。

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※赤瓦と煙出しの里 加賀ひがしたにの未来プロジェクト(石川県加賀市)

「プロジェクト未来遺産」の選定は公募から。

「原則として2年以上の活動実績があること」
「非営利団体であること」
「地域の人々が主体となって運営していること」

この3つが応募条件となります。

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※八女福島 空き町家と伝統工法の再生による町並み文化の継承(福岡県八女市)

長い時間をかけて培われた地域の宝物は、たくさんあります。
過疎化や高齢化が進むなか、どうすれば、それらを守ることができるのでしょうか?

「はじめの一歩」は、地域を巻き込むこと。

未来遺産のプロジェクト、この11年の間に登録された活動の数は73に及び、
地域を巻き込みながら、地域のタカラモノを未来へと伝えていく様子は、
どれも印象的です。

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※野生のサケのふるさと ウヨロ川保全調査・普及プロジェクト(北海道白老郡白老町)

日本ユネスコ協会連盟の青山由仁子(あおやま・ゆにこ)さんのお話です。

「京都で有名な、葵祭、というお祭りがあるんですね。
双葉葵という葉っぱがあって、毎年、お祭りでは、その葉っぱをたくさん使います。
ただし、地球環境の悪化によって、
なかなか、その葉っぱが自生することが難しくなってきています。

そんななか、“葵プロジェクト”というものがあります。
地元の学校をはじめ、市民の方に、葵を株分けして育ててもらって、
お祭りの前に返してもらおうと。
そのプロジェクトには地元の人たちいろんな人が関わって、
地域の大切な宝物を支えている、私にとっても印象的なプロジェクトです。」

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※葵プロジェクト(京都府京都市)

いまある自然や文化を未来に残すためには、人の活動が鍵を握ります。

そんな“人間のアクション”を応援する「未来遺産運動」。
これからの広がりが楽しみですね。

VOL.221「職人が作る、本気の爪やすり」

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切ってよし、削ってよし、磨いてよし。
万能な工具、「ヤスリ」。

古来より受け継がれてきた手仕事ならではのモノづくり、
その魅力を、どうすれば現代に伝えられるだろうか?

広島県呉市の仁方(にがた)という町で、
120年以上続く、両刃ヤスリの老舗メーカー、「ワタオカ」が行き着いた答えは、
職人が本気で作る、”爪やすり”でした。

名前は、「なめらか爪やすり」。

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「なめらか爪やすり」を開発した、
「ワタオカ」、綿岡美幸(わたおか・みゆき)さんのお話です。

「やはり、“やすり屋なんですけど”と言っても、
“やすりって、何をするものなんですか?”って、
いつも、聞かれていたんですね。
誰も知らないんだな、っていうところからスタートしたんです。」

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一般的な細長い棒状の爪やすりとは、一線を画すフォルムの「なめらか爪やすり」。

両面に凹凸があり、ひょうたんのようなユニークなデザインには、
使用感が計算されていて、
最後の仕上げに、真ん中のくぼみを使って、爪の丸い曲線を美しく整えるという優れものです。

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「見た目は目が細かくて、こんなので削れるのかな?と思うんですが、
実際に削り始めると、爪切りなしで、爪やすりだけでしっかり削れて、
断面がツルツルになります。

うちは、おばあちゃんにも使ってもらっていたんですが、
手がなかなか思うように器用に動かせなくなってしまった、という方にも、
とっても使いやすいと思います。」

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「なめらか爪やすり」は、その名のとおり、爪の断面を毛羽立たせることなく、
なめらかに仕上げられるのが最大の特徴です。

3つの方向から刃を立てるという職人技で、
“爪の断面の細胞を壊さずに削れるやすり”が実現しました。

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「爪やすりを使ってもらって、“やすりって、こういう道具なんだ”と、
いろんなところで、知っていただくことができました。
これを広めていきながら、
やすりを道具として未来に残していきたいなという想いがあります。」

小さくて、携帯しやすいサイズの「なめらか爪やすり」。
良い道具を普段づかいすることが、
伝統の技術を未来につなげる橋渡しになりそうですね。

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みらい図鑑

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「100年後の子どもたちのためにできることは、なんだろう」。
日本ユネスコ協会連盟が取り組んでいるのが、「未来遺産運動」です。

世界遺産ではなく、未来遺産。

登録されるのは、「文化」や「自然」そのものではなく、
それを未来へ伝えていくための、“アクション”です。

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※美の里を未来へ 石畳地区・村並保存活動(愛媛県喜多郡内子町)

まず、地域文化や自然遺産を未来へ伝えていこうとする活動を、
「プロジェクト未来遺産」として登録。
未来遺産運動では、それを支援できるような仕組みを作っていきます。

つまり、未来遺産運動で応援するのは、“活動をする人々”です。

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※赤瓦と煙出しの里 加賀ひがしたにの未来プロジェクト(石川県加賀市)

「プロジェクト未来遺産」の選定は公募から。

「原則として2年以上の活動実績があること」
「非営利団体であること」
「地域の人々が主体となって運営していること」

この3つが応募条件となります。

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※八女福島 空き町家と伝統工法の再生による町並み文化の継承(福岡県八女市)

長い時間をかけて培われた地域の宝物は、たくさんあります。
過疎化や高齢化が進むなか、どうすれば、それらを守ることができるのでしょうか?

「はじめの一歩」は、地域を巻き込むこと。

未来遺産のプロジェクト、この11年の間に登録された活動の数は73に及び、
地域を巻き込みながら、地域のタカラモノを未来へと伝えていく様子は、
どれも印象的です。

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※野生のサケのふるさと ウヨロ川保全調査・普及プロジェクト(北海道白老郡白老町)

日本ユネスコ協会連盟の青山由仁子(あおやま・ゆにこ)さんのお話です。

「京都で有名な、葵祭、というお祭りがあるんですね。
双葉葵という葉っぱがあって、毎年、お祭りでは、その葉っぱをたくさん使います。
ただし、地球環境の悪化によって、
なかなか、その葉っぱが自生することが難しくなってきています。

そんななか、“葵プロジェクト”というものがあります。
地元の学校をはじめ、市民の方に、葵を株分けして育ててもらって、
お祭りの前に返してもらおうと。
そのプロジェクトには地元の人たちいろんな人が関わって、
地域の大切な宝物を支えている、私にとっても印象的なプロジェクトです。」

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※葵プロジェクト(京都府京都市)

いまある自然や文化を未来に残すためには、人の活動が鍵を握ります。

そんな“人間のアクション”を応援する「未来遺産運動」。
これからの広がりが楽しみですね。

VOL.221「職人が作る、本気の爪やすり」

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切ってよし、削ってよし、磨いてよし。
万能な工具、「ヤスリ」。

古来より受け継がれてきた手仕事ならではのモノづくり、
その魅力を、どうすれば現代に伝えられるだろうか?

広島県呉市の仁方(にがた)という町で、
120年以上続く、両刃ヤスリの老舗メーカー、「ワタオカ」が行き着いた答えは、
職人が本気で作る、”爪やすり”でした。

名前は、「なめらか爪やすり」。

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「なめらか爪やすり」を開発した、
「ワタオカ」、綿岡美幸(わたおか・みゆき)さんのお話です。

「やはり、“やすり屋なんですけど”と言っても、
“やすりって、何をするものなんですか?”って、
いつも、聞かれていたんですね。
誰も知らないんだな、っていうところからスタートしたんです。」

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一般的な細長い棒状の爪やすりとは、一線を画すフォルムの「なめらか爪やすり」。

両面に凹凸があり、ひょうたんのようなユニークなデザインには、
使用感が計算されていて、
最後の仕上げに、真ん中のくぼみを使って、爪の丸い曲線を美しく整えるという優れものです。

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「見た目は目が細かくて、こんなので削れるのかな?と思うんですが、
実際に削り始めると、爪切りなしで、爪やすりだけでしっかり削れて、
断面がツルツルになります。

うちは、おばあちゃんにも使ってもらっていたんですが、
手がなかなか思うように器用に動かせなくなってしまった、という方にも、
とっても使いやすいと思います。」

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「なめらか爪やすり」は、その名のとおり、爪の断面を毛羽立たせることなく、
なめらかに仕上げられるのが最大の特徴です。

3つの方向から刃を立てるという職人技で、
“爪の断面の細胞を壊さずに削れるやすり”が実現しました。

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「爪やすりを使ってもらって、“やすりって、こういう道具なんだ”と、
いろんなところで、知っていただくことができました。
これを広めていきながら、
やすりを道具として未来に残していきたいなという想いがあります。」

小さくて、携帯しやすいサイズの「なめらか爪やすり」。
良い道具を普段づかいすることが、
伝統の技術を未来につなげる橋渡しになりそうですね。

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