Vol.63 「押し花」 神奈川県
今回は、花の美しさをいつまでも楽しむ技術、“押し花”の話題です。
「美しい物を素敵だと想える、日本人の情緒を残していきたい」
そんな想いを胸に、押し花を作り続けている方がいます。
押し花教室「押し花サロン シンフォニー」、主宰の石渡美彌子(いしわた・みやこ)さん。
「例えば桜の花は、一瞬に桜を愛でることができても残すことは出来ないのに、
押し花にすると一年中その綺麗な花を保っていられます。
旅行に出かけた時に出会ったスミレひとつでも、写真と一緒に残すことができるので、
綺麗な思い出とともに閉じ込めるというか、その姿も、また良いんじゃないかなと。」
ピンセットさえあれば誰でもできる押し花。
石渡さんの押し花教室には、なんと3歳から80歳を超える方までが通っているそうです。
競争ではなく、その人が素敵だと思えば。
ピンクが好きな人、オレンジが好きな人、それぞれOK。
上手下手ではなく好きなものを作る。
それが 押し花の楽しさなんですね。
教室を訪れる生徒さんは、来たときよりも帰るときの方が笑っている、と石渡さんは語ります。
「やっと2才になったばかりの孫がいるんですけど、一緒に散歩するだけでも、
“ばぁば、キレイね、キレイね”って、お花を見るたびに言うんですね。
情緒と言うのかしら、生のお花で愛でるのも素敵だと思うんですけど、
押し花でそれを残していく文化も継続して行けたら良いなと思って、
いま頑張っています(笑)」
より永く、美しく。
大切な花を「押し花」にして残す文化、いつまでも続いてほしいですね。