Vol.111 「郡内織物のネクタイ」 山梨県
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山梨県の富士山麓、郡内地方で、400年以上の歴史を誇る伝統工芸品。
「郡内織物(ぐんないおりもの)」が、今回のタカラモノ。
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「郡内織物」のルーツは、地域で昔から生産されていた「甲斐絹」。
独特の魅力で人気を博し、江戸時代には羽織裏地として評判を集め、
甲斐の国の特産品として知られるようになりました。
しかし、昭和に入り、時代の流れとともに「甲斐絹」の生産が減少。
江戸っ子たちに愛された、細かく美しい色と柄の上質な織物を、
どうしたら、伝統で終わらずに未来へと伝えていけるのか。
そんな思いから、100年以上の歴史を持つ「山崎織物」が、
2011年、「富士桜工房」というブランドを立ち上げました。
「心に花を咲かせたい」。
そんなメッセージを掲げ、郡内織物で時代に合ったネクタイやスカーフを作っています。
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代表の山崎博之(やまざき・ひろゆき)さんのお話です。
「ネクタイに限らず、服装って、やっぱり自分自身がどういう存在かとか、
こんな気持ちでこの服を着ている、、、という想いがあると、
自分自身の行動が変わるんですね。
例えば、うちのネクタイにトンボ柄があります。
前にしか進まない、前進する、決して後ろにはひかない、という意味が込められています。
“今日は勝負所だから、いざという時に怯まないように”。
そんな思いを、朝、決めていくと頑張れた、ということがあるんですよね。」
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山梨県の織物は、時代を超えて新しい技術を取り入れながら進化をしてきているので、
“これ”という決まった形はないといいます。
日本一の霊峰・富士山の麓で、その湧水の恩恵にあずかりながら作られる「郡内織物」、
職人さんたちの新しい挑戦がありながらも、
ニッポンの文化や“和”の心意気、そういったものを大切にしていきたい、
と山崎さんは語ってくれました。
「やっぱり、日本っていいなっていう気持ちは、
特に震災があって以降は増えていると思うんです。
歴史とか文化の面白さや魅力を発見して、それを楽しんでいきたいという人、
いろんな方に使っていただきたいなと思います。」
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