10/8 「CDを買う・買わないの基準ー1」
今回は、生徒の皆さんが『CDを買う・買わない』この基準についての授業を行います。 「10代のみんなの "CDを買う、買わない基準" を知りたいと思っているのは、先生だけではなく、メーカーさんや音楽業界に関わる人たち、みんながそう思っています。なぜなら、最近は配信で音楽を手に入れる人が増えてきて、CDの売り上げが落ちてきているからです。原因の予測はされていますが、実際のところ、僕は、購入者の本音を探りきれていないような気がするし、メーカーの人たちもうまく情報収集できてない気がしています。CDを買おうと思うか、レンタルで良いと思うか……このふたつの間のどこに線引きがあるのか、今日は勉強する気持ちで授業を進めていきます。生徒のみんなの意見、マジで反映します!意見が多かったら、次のサカナクションのCD特典に、僕たちの写真集とかつくかもしれません(笑)」 今回の授業には、サカナクション先生のレコード会社、ビクター (Victor Entertainment) から、山口先生曰く "ビクターの、上から50番目くらいに偉い人" も授業に参加してくれます。山口先生そして、ビクターの50番目くらいに偉い人といっしょに、皆さんから届いたメッセージを見ていきましょう。
「これはすごいね!なるほどね〜!サカナクションは、前々回リリースした「僕と花」という曲がドラマの主題歌になったんですよ。それでビクターは安心したからか、忙しかったからプロモーションもあまりしなかったし、特典もあんまりつけなかったからかもしれないけど、あんまり売れなかったんですよ。これは、おらにゃんが言っている事かもしれないね。みんな「テレビで結構聞いてるし、買わなくていいや。」ってなっちゃったのかも。でも、DVDが付いてたら買っちゃうし、初回版Aと初回版Bの特典が違ったら買っちゃうんだね。……つまり、"盛れ"ってことね!特典をいろいろ付けて欲しいし、発売まで、あまり聞きたくないのか。楽しみにしたいっていう感覚があるんですね。これは情報化社会の盲点ですね。いろいろと情報を届ければ買いたくなるんじゃなくて、届けずに買わせるってことか。おらにゃん、ありがとう。」 それではここで、この意見について、ビクター的にはいかがでしょうか?今回は音学室に "ビクターボタン" を設置しました。ビクターの偉い人が「なるほど!」と思ったら押してもらいます。 「それでは、お願いします!」 「おおお………!!」 「満点!いきなり満点でしたね……あんまり安売りしないでくださいね、サカナLOCKS! は、一応、厳しい授業で満点がなかなかでない事で有名なんですから(笑) ……でも、そうですね。僕もよくわかりますよ。「僕と花」はそれで売れなかったんですから。勉強になりました。」
「これ、完全に術中にはまってますね(笑)。確かに、「夜の踊り子」は発売日前日まで、フル尺でメディアで流さなかったんですよね。ラジオでもかけなかったし、YouTubeでミュージックビデオ公開もしませんでした。その理由として、今回の曲はサビが一番最後までなかなか出てこないっていう構成だったので、CMソングとしてテレビで流れていて、みんなが曲のサビを知っている分、余計にその戦略が通用するかな、と思ったんです。これを考えたのは、今回、授業に参加している、"ビクターの上から50番目くらいに偉い人" です(笑)。めぐみちゃんには効果があったようですね!」 「さてそれでは、この意見、ビクター的には、どうでしょうか……」 「……あれ?」 「お?」 「なんだよ(笑) また満点かよ!」 「……あ、ビクターの人、CDのセールスもワクワクさせて焦らす、っていう戦略をとったから、ここでも焦らせたわけね(笑)……でも、よくわかりますよね。今はインターネットで新曲を聴かせたりもできるし、ラジオで解禁を早めるっていう戦略もあるので、それ逆手に取って、ギリギリまで聞かせないっていうのもひとつの戦略になって、その術中にはまる人もいるんだなってことがわかりました。ありがとう。」
「あ〜!これは貴重な意見!ライブ・グッズには無い特典としてついていると、ファンとしては、「買わずにはいられない」と。つまり、コレクション願望ですね。CDを買う人はコレクション願望をもとに購入するという統計があるように、グッズという目線からもそういう事があるんだなというのが、眠れよ乙女ちゃんのメッセージでわかりました。これは盲点でしたね……。じゃあ、どんなのが良いんだろう? 僕は、缶バッチやステッカーが特典って言われると、「またか!」って思うんですよ。もちろん、特典にも予算があって、その予算内で特典を作らないといけないから、限られてくるところがあります。例えば、HMV限定特典とか、タワーレコード限定特典とか、CDショップの店舗によって特典を変える場合もあるから、予算がかかるっていう部分もあります。その上で、安くてみんなが喜ぶ物って何があるんだろう?……写真はね、ちょっと違うかな?バンドによってカラーもありますしね。……嫌じゃない?僕のオフショット写真とかCDを買ったからっていきなり渡されるのも(笑) ……みんな欲しいかな?ただ、ライブ・グッズに無い物を、特典につけるっていうのは考えたいですね。」 「それでは、この意見、ビクター的にはどうですか?」 「……ほう」 「はい」 「ん……!?」 「……???」 「あ!」 「なんだよ、ヘタクソか!!!(笑) 焦らせてないし、途中で止まっちゃってるし!(笑)」 「……でも、わかりますよ。ライブグッズにはまず無いものっていうのは当たり前にありますよね。もうちょっと、特典にも予算を割きたいですね。ね、ビクターの人!……あれ、目を合わせてくれませんね(笑) 」 と、いう感じで、皆さんの意見を紹介していたら、あっという間に授業終了の時間になってしまいました。まだまだ紹介したメッセージがたくさんあります。ということで、来週も引き続き、この『CDを買う・買わないの基準』の授業を行ないたいと思います。本日の授業はここまで。 M YES NO / サカナクション |