7/23 「アーティストグッズについて 1」
「聞いてくれたんですね!これも本当に大変でしたね。SMAPさんへの楽曲提供ですからね〜。緊張しました。ありがとう!」
「CD予約してくれたんだね!ありがとう。でもこれ、スギちゃんですよね。ウチの授業はギャグ禁止ね!授業中ですからね。みんなしっかりしろよ!テレビばっかり見ずに、ラジオ聞けよー。」 今回の授業は、アーティストグッズの授業です。 皆さんに出してもらった「アーティストグッズに関する自由研究」を山口先生が評価していきます。サカナクションのグッズも考案している山口先生、グッズに関しても厳しめの目線でいきますよ!
「バンドTシャツの事、"バンT" って言うんですか!へぇー……、Tシャツは良いですね! 必ずミュージシャンのグッズの中にTシャツは含まれます。 そして、Tシャツの良いところは、部屋で着れるということね。外でも着れるってことはライブにも着ていけるし、普段着にもできるっていうのが良いところです。男子的なことを言うとね、裏技もあるんですよ。……家に泊まりにきた女の子とかに、自分の好きなバンドTシャツを着せるっていうね……!(笑) やってないよ、僕は (笑)」 山口先生の評価 はい、では次!
「なるほど。これね、まずバンドTシャツを作る際に一つのネックとなるのがそれにかかる費用、コストなんですよ。僕らも首周りが広いのだったり、Vネックだったり、もっと素材やシルエットが良いものを作りたいんだけど、大量生産するとなると、発注先の業者にある (既製の) 無地のTシャツの型から選ばないといけないんですよ。 でも、最近は首周りの折り返しの部分が短くて広いものも出てきてますよね。メンズとレディースを作り分けたりもしているので、レディース用のTシャツを作ってるところは、肩口まで広くて、丈が短いやつがありますからね。ただ、良いものにしようとすると、コストが上がってしまうんです。みんなに着て欲しい、だからコストを下げるために大量生産されているTシャツを使わなきゃいけない……という、葛藤があるんです。 お客さんの年齢層が高いミュージシャンは、グッズの値段を上げても良いのですが、お客さんの年齢層が低いミュージシャンはちょっと値段を抑えめにグッズを考えていかないといけないんですよ。 あとは、年に何回もフェスに出たり、一年でツアーを2回もまわるようなバンドは、その辺りも考えていかなきゃならないんですね。そして、グッズっていうのは、アーティストの "マネージメント" =事務所の管轄なんですよ。CDをリリースしている大元のレーベルではなく、事務所が管理しているものなんです。なので、そのグッズ担当をしている人から、詳しくお話聞けると面白いかもしれないですね。」 山口先生の評価 ちなみに、山口先生お気に入りのライブTシャツは4年前くらいに買ったCORNELIUSのもの。素材がしっかりしていて、首周りも広くてオシャレなのだとか。ただし、値段は5,500円!と、高価なのですが、他にも、例えば、YUKIさんのグッズは、年齢層を高めに設定して作られているのでオシャレで良いものが作られているという話も聞かせてくれました。
「着目点が面白いですね! ただ、これも年齢層の話が関わってきますね。パスケースを使う年齢層は、学生が多いです。社会人の方も使うと思うけど、派手目な可愛いパスケースを使うかっていうと、そうでもない気がしますからね……。 お客さんに学生などの年齢層が多いと、あって良いかもしれないですね!ケータイストラップも、今はiPhoneとかだとストラップを付けるところが無かったりして、使い方が変わってきていますよね。」 山口先生の評価
「なるほどね!グッズの中で注意しないといけないのは、まず食べ物ですね。それで体に支障を与えてしまって問題になったら大変だっていう部分で、取り扱いにくい。あとは、陶器!グラスとか花瓶とかは危ないし、ツアーではトラックで運ぶので取り扱いにくいですよね。それと、靴ね。サイズがみんなバラバラだから、いろんなサイズを用意するにはコストがかかりますからね。 その中で、ボーカルが金太郎飴のようになっているという、この "飴" ね。モノとして面白い! まあ、飴だったらまだ大丈夫かもしれないけど、飾ってもおけないし、半年〜一年経った飴を食べるのはどうかと思うし……夏に置きっぱなしにして溶けちゃったりして、ボーカル様がドロドロになる……みたいなのもね (笑) 僕は嫌いじゃないですけど、サカナクションでやるってなると、食べ物は扱わないかもなあ。」 山口先生の評価
「指摘、ありがとうございます。ここもね、マネージメントとの議論になるところなんですよ。確かに自分の好きなファッションブランドの服を買うときも、ブランド名がドカッと書いてあるものは着にくいじゃないですか。それは、僕らもアーティストグッズを作る上ですごく気を使う部分なんですけど、「じゃあ、別にグッズじゃなくていいだろ!」ってくらいバンド名が分からないものだと、また難しくなるんですよね。だから、「サカナクション」より、英語表記で「sakanaction」の方が使いやすいっていうのは、良い着眼点になりますね。 僕らも、ロゴとして、サカナクションの文字と魚の骨が混ざったようなものがあるんですけど、それを作った事で、サカナクションを主張しすぎず、アイコンとしてそのロゴを使って明記できるし、普段使うときも持ちやすいですよね。"ウロコグッズ" を開発したのもそういうことで、サカナだからウロコ……っていう繋がりを持たせて、ポーチやパーカーを作ったことで、サカナクションっていうものを、さりげなく示して、日常でも使いやすいっていう狙いがあるんですよ。 ちなみにライブのとき、MCで「ウロコグッズが全然売れてません!」って言ったんだけど、実はすごく売れてたみたいです (笑) そして、京都の人がTwitterで言ってたけど、ウロコ柄って日本の和柄としてあるんですよね。「おばあちゃんが良いって言ってました!」って言ってた人もいたしね。そういう意味でも、僕たちはウロコグッズを押しています!」 山口先生の評価 これがサカナクションのグッズなどに使われているロゴ。 サカナクションのロゴはコチラ! リンク (サカナロゴ ビクターHPより) サカナクションHP ツアーグッズページ 「"まぁや" も言ってるけど、「グッズを買う事が癖になってる」っていうね。グッズとミュージシャンの音楽っていうのは、物として手で触れるものと触れないものとして違うものだけど、ひとつのカラーとして、アーティストの全体的なイメージに繋がっていくものなので、リスナーの方たちが欲しいって思ってくれるのは、CDを買ってくれる事と同じくらい嬉しい事なんです。 だから皆さんの意見を参考にしつつ、これからもグッズ開発を考えていきたいです。いろいろ大人の事情もあるのですが、そういうところをクリアしつつ、安い値段で良いものを皆さんに届けたいですね……って、企業広告みたいになっちゃったけど!(笑) これからも、面白いものにチャレンジして行きたいと思います。」 というわけで、今回の授業はここまで。 来週は、サカナクションのグッズを教室に持ち込んで、もう一歩踏み込んだ「アーティストグッズ」についての授業を行ないます! お楽しみに!! M モノクロトウキョー / サカナクション |