「音楽にまつわる職業シリーズ『プロモーター』リモート編<後編>」

SCHOOL OF LOCK!


音を学ぶ、音学(おんがく)の講師、サカナLOCKS!。
音楽にまつわる職業を紹介していくシリーズ、今回は各レコード会社がリリースする最新楽曲やイチ推し楽曲を宣伝するお仕事、『プロモーター』について。前回に続いて、今回は<後編>です。

レコード会社の現役プロモーターさんが登場、ラジオ・ディレクターとなった一郎先生にプロモーション(宣伝)していただき、一郎先生が気になったら、そのまま楽曲をオンエア!実際にラジオで流れます。さあ今回は、どんなプロモーションが展開されるでしょうか。


山口「あー、いちおしの新曲がほしいなー。エフエム小樽の山口ディレクターは忙しすぎて療養中だからね。リモートで誰かプロモーションしてくれるプロモーターの人はいないかなー……」

(プロモーターさんが画面に登場!)

駒澤「すみません、今お時間よろしいでしょうか?」

山口「こんにちは、初めまして。」

駒澤「初めまして、ポニーキャニオン プロモーターの駒澤と申します。」

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山口「どうも、よろしくお願いします。山口です。」

駒澤「よろしくお願いいたします。プロモーション、よろしいでしょうか?」

山口「どんな曲を紹介してくださるんですか?今日は。」

駒澤「本日は、弊社いちおしのアーティストで、Hakubiという新人アーティストのご紹介をさせていただければと思っております。ちなみにHakubiは、山口さんご存知でしょうか?」

山口「いや、ちょっと知らないですね。すみません。」

駒澤「本当ですか。今回の機会に是非ご紹介させていただければと。せっかくリモートということで、画面を共有させていただければと思います。」

山口「是非、是非。画面共有で資料を見せていただけたらと思います。」


駒澤「Hakubiというスリーピースのバンドになるんですが、2017年に京都発で誕生したバンドでして。(資料の写真)左から、ドラムのマツイユウキと、ボーカル・ギターの片桐ベースのヤスカワアルという3人で構成されていまして。結成以降、京都から全国に飛び立つために、フェスやイベントなど多数出演して、今いろんな方から支持を集めているアーティストになります。」

山口「なるほど。」

駒澤「ちなみに、僕自身もHakubiの大ファンでして……」

山口「おー!それは素晴らしいですね。プロモーターがそのミュージシャンのファンっていうのは健全ですもんね。」

駒澤「なので、今一緒にお仕事出来ていることがすごく楽しくてありがたいことだなと思っています。」

山口「わー、素晴らしい関係性ですね。」

駒澤「今回ご紹介させていただくのが、1月15日に配信リリースしました「Rewrite」という楽曲でして、こちら是非お聴きいただきたく思っているんですが……まずYouTubeでミュージックビデオも公開されていまして。こちらがすごく過酷な環境の中、メンバーたちが頑張って試行錯誤して撮ったMVとなっておりますので、是非MVもみていただきたいなと思っております。」

山口「なるほど。じゃあ早速ミュージックビデオを検索してみたいと思います。」

駒澤「ありがとうございます。今チャットに(URL)お送りしましたので、よろしければ。」

山口「あ、本当ですか。分かりました。ありがとうございます。なるほど、リモートだとミュージックビデオも見れちゃうわけですね。じゃあ、ちょっと見てみましょう。」

駒澤「ありがとうございます!」

(一郎先生が自分のPCで、このミュージックビデオを再生する。)




(ミュージックビデオを観ながら)

山口「これ自分たちで撮影したんですか?」

駒澤「そうですね。撮影は都内の廃墟で行ったんですけど、今回初めてHakubiがアニメのタイアップ楽曲を書き下ろすということで、全てボーカルの片桐が監修してミュージックビデオを作成しております。」

山口「へー。」

駒澤「ちなみに、何が過酷だったかと言いますと……都内の廃墟ということで、冬の時期に撮影をしたんですけども、暖房など一切なくて。極寒の中で撮影をしておりました。」

山口「なるほどー。」

駒澤「アニメの世界観に合わせてメンバーたちも試行錯誤を重ねて、撮影時間も予定を大きく上回って、5時間ほどかけて撮影してきたものです。」

山口「多彩ですね。ミュージックビデオも自分で撮ったりとかね。」

駒澤「そうですね。本人たちもこだわりが強いっていうところと、今回は特にメンバーたちの表情もしっかりと楽曲にマッチさせていきたいというところで。表情ひとつにも気を配って撮ってきたという、こだわり抜いた楽曲になっています。」

(ミュージックビデオを最後まで観終わって)

山口「なるほど。サウンド的にはすごい懐かしい感じがしますね。」

駒澤「そうですね。サウンド面ですと、昨年の配信リリース楽曲からandropの内澤(崇仁)さんにもアレンジャーに加わっていただいておりまして。今までのHakubiらしさと少し変わったような……懐かしさであったり、例えば初めて恋愛の楽曲にチャレンジしたり。内澤さんと共にいろいろなチャレンジをしている最中なので、Hakubiらしさのいろんなテイストが楽しめる楽曲となっています。」

山口「そういうことだったんですね。僕ら世代からすると懐かしいスリーピースロックの楽曲だなーっていうか、ローカリズムを感じるサウンドだなと思うので、結構親近感沸きますけどね。」

内澤「ありがとうございます。「Rewrite」に関しては、老若男女楽しめる楽曲だと思うので、是非いろんな方に届いたら嬉しいです。」

山口「分かりました。このエフエム小樽からもプッシュしていきたいと思います。ありがとうございました。」

駒澤「ありがとうございました。」

■リリース情報
2023/1/15 配信リリース Hakubi「Rewrite」
https://hakubikyoto.com/



山口「スリーピースか……スリーピースってなんかエモいんだよなー。我々世代からすると。なんつったらいいんかなー……分かるのよ、なんかこう……バンド間の関係性みたいなのもすごい分かるし、楽曲制作をする上でのスタジオセッションの、ここいいよね、あれだよねみたいなのがすごいシンプルだから。なんか、これからスリーピースバンドくるかもしれないね。ばかうまスリーピースバンドとかちょっときそうな感じするね。こういう系久々に聴いたなー。」


山口「……ふと思えばさ、YouTube見てくださいって言われたから見てたけど、自然に曲流されてたよね?全部ね(笑)。ラジオだって忘れて見てたけどさ、聴いている側からすると、1曲まるまる聴いたってことだもんね(笑)。戦略だな!さすがそのミュージシャンを愛しているプロモーターだけあるなー。」


山口「次はどんなプロモーターかな?ミュージシャンを愛しているプロモーターがやってくるのかな?このエフエム小樽によー……」

(プロモーターさんが画面に登場!)

山上「どうも、どうも。ご無沙汰でございます。」

山口「ふふふ(笑)。どちらさまですか?」

山上「私、ビクター入社24年目のピチピチの山上と申します。」

山口「ははは!(笑) 最近なんか出世されたそうじゃないですか。」

山上「あの……ようやっとね(笑)。某サカナクションのボーカルの山口さんがずっと上から何十番目って言ってたんで、いよいよ私の実力を認めてきたという状況になっているのかなと思っております。」

山口「わははは!(笑) 貫禄出てまいりましたもんね、最近ね。山上さん。」

山上「そうですね。もうちょっと世界に羽ばたくのは、プロモーターとしては私じゃないかなという風に思いますんで。」

山口「ははは(笑)。どこがだよ(笑)。」

山上「あ!一郎さんあの……お年賀なんで。遅ればせながら、こちらお年賀のカレンダー。」

山口「ドラゴンズカレンダー(笑)。いらない、いらない(笑)。」

山上「球団とかドームからとかたくさんもらったんで。それ1個お裾分けいたしますんで、こちらちょっと……」

山口「物で釣る?物で釣る、いきなり(笑)。それもうね、バブル時期のプロモーターの手法だから。古い古い。」

山上「すいません、ちょっと手法が……現場回ってたのが古すぎて。当時の手法をすぐ……」

山口「古いんだよ、そういうのがもう。本当に。」

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山口「それで今日は何を紹介してくださるんですか?」

山上「先週、ユニバーサルの山根さんがやたらと気になるワード……にゃん・にゃん・にゃんの日(2月22日)にやたらとプッシュしておりましたが、非常に心の中ではイライラしておりまして。ふざけるなと。この日が何の日なのかと。」

山口「ふふふ(笑)。」

山上「サカナクションの『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』のリリース日でございます!」

山口「Blu-rayのね!」

山口「はい、Blu-rayの。こちらをですね、もう1回改めて山口さんの口からも気を引き締めてプロモーションしていただくためにも、じいやとしてですね、こちらに馳せ参じましたので。」

山口「じいや(笑)。もう慣れてるんだか慣れてないんだか分かんないよ(笑)。」


山上「一郎さんはもうこの作品のポイント分かっていますけど、プロモーターとして、キャリア24年目として、口頭で……ラジオだから。改めてポイントをお伝えさせていただきたいと思います。重要ポイント!」

山口「正直ね……山上さん。知ってんのよ、こっちは。」

山上「知ってますよね?」

山口「そうじゃなくて。知ってんの、売れてないってことが(笑)。」

山上「いやいやいや……」

山口「これ、売れてないんだよ!知ってるんだよ。」

山上「これね、今の市場規模とかマーケットトレンドからいうと、かなり健闘しているんです。ただ、やっぱりちゃんと良い物作れたという自負が私どもにもございますんで、ちゃんと伝えていきたいなという風に思っております。」

山口「これめちゃくちゃ良いですよね?」

山上「めちゃくちゃ良いんですよ。」


山上「ポイントを3つ私の方から。一郎さんが気づいていないポイントもございますので。改めてリスナーの皆さまに。1つ目は、当たり前ですけど、サカナクションの表現の集大成。このコロナ禍で生み出した表現の集大成が観れます。私ね、仕事柄MAだとか編集チェックだとか、何回も観ていますけども、何度観ても発見があります。音的な発見、映像的な発見……これはもうね、本当に、マジでオンラインでやったの?みたいな、壮大すぎてびっくりしちゃうような。毎回驚き、発見がありますので、何度でも観れます。本当にこれはお約束します。」

山口「本当なのよね。何度でも観れるのよね。」

山上「で、もう1つ。これまた同じような側面でもあるんですけど、特に完全初回生産限定盤はブックレットがついた……アートブックに近いものになってまして。こちらは監督を務められた、映像ディレクターの田中裕介さん。監督がこだわりにこだわり抜いたものになっていますんで。こちらはもう、映像作品とアートブックという部分においても、お手元にとっていただく分には全く損しないかなという風に思っていますんで、是非。」

山口「これ簡潔にいうとね、本当に音楽業界目指している人とかも、見るとめちゃくちゃ勉強になるんですよね。それぐらい専門書みたいな感じになっているんですよ。だから映像を観た後にこれを見るとまた全然違うし。」

山上「そうですよね。ディテールにこだわるってこれだけ重要なんだなっていうのが、こういう業界を目指している方は観ていただくとすごい……どの仕事にも通じることだと思うんですけど。そういうのがしっかりとアーカイブされているかなと思います。」

山口「うん。」

山上「そして、3つ目!これがですね……多分、一郎さんも気づいていないポイントが1つだけあります。ちょっと意外なところなんですけど、これは一郎マニア必見でございます!」

山口「何、何。」

山上「ドキュメント映像がどの形態にも入っておりまして、この『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』もですね、ギリギリまで山口一郎が作詞作曲をやってなんとか間に合ったというところをリアルにドキュメントで紡いでいるんですが……なんと、お宝映像。山口一郎があまりにも疲れすぎて仮眠しているかわいい寝顔が見れます!」

山口「(笑)」

山上「これが最大のポイントでございます!なので、これを実はティザーとかに出そうとしたんですけど、マネージャーとかからすごい反対されて。え、結構良いのに……とか思ったんですけど。あ、なるほどと。これは買ってからしかこの寝顔は見れないよと。にゃん・にゃん・にゃんだということでございますので、是非ですね、この3点で皆さんどうぞご購入いただければと。」

山口「ふふふ(笑)」

山上「最後言いますと、これ売り切れちゃいますんで。早めにご購入いただければと思います。」

山口「そうなのよ!これ、今必要ないなって思っても、3年後4年後とかに絶対観たくなると思うんですよ。自負しているわけじゃないですけど、記録として音楽史に残ったと思うんです。これって絶対に。だから今後振り返られる可能性があるから、買っといた方が良いと思うんですよね、音楽に興味ある人は。サカナクションそんなに興味なくても、これ持っておくと後で効いてくるよっていう作品だと思うんですよね。それくらい自信あるから、ちょっと迷っている人とか、値段も高かったりするけど、通常盤もあるんで。できれば初回限定盤買ってもらえると……いや、絶対初回限定盤かな(笑)。ちょっと無理してでも買っておくべきかなと思うんだけども。」

山上「おっしゃる通りでございます。」


山口「でもこれね……アーティストから一言ありますよ、山上さんに私から意見が。」

山上「何でしょうか?」

山口「これね、どこから買っていいか分かりませんとか、形態が何が違うのか分かりませんとか、そういう意見がすんごい多いし、どこでポチればいいのみたいなことをすごい言われるわけ。そういうのはちょっと良くないなって。機会損失を呼んでるよっていうのを……」

山上「分かりました。一応ですね、linkfireみたいなものですぐ購入できるやつは用意しているんですけど (→linkfire)……これは真摯に受け止めまして、今後もシステム設計に邁進……ヤスくん(※サカナクションのWEBサイト担当)と共に、邁進したいと思います。」

山口「ふふふ(笑)。ヤスの名前出せばどうにかなるみたいな言い方(笑)。」

山上「そうですね。大体人の名前を使って隠れ蓑にするというのが、プロモーターの常套手段でございますので(笑)。生徒の皆さんも、大人になったらそういうテクニックも学んでいただけたらという風に思います。」

山口「ふふふ(笑)」


山口「これ何?どうすんの?何かかけてほしい曲があるんですか?」

山上「そうしましたら、ちょっとYouTubeでも限定公開されておりますが、「雑踏」を是非聴いていただければと思います。」

山口「あ、ラジオで「雑踏」?」

山上「敢えて……敢えていきます。ちょっとやっぱり、サカナクションの曲って皆さんフェスとか行ってもそうなんですけど、知られている曲が多いんですよね。よりも、ちょっと耳障りが違う曲を聴いていただいてということで。」

山口「なるほどね。分かりました。じゃあここで「雑踏」を聴いていただこうかなと思います。」


♪ 雑踏 / サカナクション (『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』より)




■サカナクション 『アダプト』 特設ページ [→コチラ]


山口「今回はですね、スリーピースバンドのHakubiというミュージシャンのプロモーションと、サカナクションのBlu-rayのプロモーションを受けたわけですけども。山上さんはもう、プロモーションの仕方が昭和だもんね(笑)。もうプロモーションする立場の人じゃないからね(笑)。プロモーターに指示する係の人だから。古いスタイルだから僕も乗っかってやりましたけど。是非ね、サカナクションのBlu-rayも、Hakubiのシングルも興味があれば手にとって聴いていただいたり、観ていただけたらと思います。」

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聴取期限 2023年2月10日(金)PM 10:00 まで


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