江島「はい、授業を始めますから、席に着いてください。」
岩寺「Twitterを開いている生徒はTwitterを閉じなさい。授業が始まりますよ。」
江島「こんばんは。サカナクションの江島啓一です。」
岩寺「岩寺基晴です。」
草刈「草刈愛美です。」
岡崎「岡崎英美です。」
江島「今夜のサカナLOCKS!は、僕たち副担任’sがお届けするんですけど、先週は一郎先生があじさい刈りに行ってらっしゃって、今週は……笹刈りにおでかけになっている、と。」
岩寺「明日……七夕なんでね。」
岡崎「笹刈りか……。」
江島「カラオケ行った後にずっと山の方に行っているってことですよね。」
岩寺「あー……山に行きっぱなしですよね。」
江島「だから、元気な山口先生が来週は戻ってくると思うのでね。待ちつつ、今週は僕たち4人でやっていこうかなと思います。」
江島「では、黒板を書きます。」
江島「今夜は、サカナクションが顧問を務める【 バンド部 】の部活動をお届けしていきます。」
岩寺「[ バンド部掲示板 ]に届いたバンドに関する相談、質問メッセージを紹介したいと思います。」
江島「はい。バンド部は、質問に答えつつも、名言っぽいことを言わないといけないっていうハードルが……」
岡崎「"ドドン!"だ。」
<太鼓ドドン!> ←名言が出ましたの合図の音。サカナLOCKS! の職員が判断しています。
江島「あ、これこれ。これが鳴ったらOKなの。質問を答えたってことになるんだよね。」
岩寺「クリア(笑)。そう。これね……考えながらしゃべるのがちょっと大変だよね。」
江島「ちょっとハードルが高いですけど、紹介していきましょうか……まずは、ドラム。」
★難しい...
私は高校からドラムをはじめ、今もバンドを組んでがんばっているところなんですが先輩ドラマーの方に質問です!
ドラムをするにあたってみなさんは筋トレとかしてますか?
バスドラがうまく素速く踏めないというのが、最近の悩みで、もしかしたら足首が弱いのかな?と感じているのですが...
どうすればいいかアドバイスあったらおねがいします!!
女性/15/神奈川県
江島「女性だよね。筋トレね。」
岩寺「筋トレしてるの?」
江島「あのね……10代の頃はそんなこと何も考えてなかった。」
岩寺「まあ、部活でサッカーやっていたしね。足の筋肉はあったでしょ。」
江島「元々ね、多分。ただね、30過ぎたあたりから、2時間半叩き続けるってなると若干辛くなってきた。」
全員「(笑)」
岩寺「衰えてますねー。」
江島「で、ツアーの1ヶ月前くらいからちょっと筋トレをし始めるようになったんですよ。すると、2時間半のライブの後半30分くらいバテていた状態が、とりあえず走りきれる……みたいな。体力の問題ね。マラソンに近いことをやっているから。」
草刈「そうだよねー。」
江島「だから、力強さみたいな筋トレは必要ないんだけど、長く叩き続けるにはちょっと体力が必要かなって。」
岩寺「鎌倉時代のオサさんは、バスドラムがネックだって話なんだけど、バスドラを速く踏んだり、踏み続けるのに足首はどのくらい重要なの?」
江島「足首の筋肉を鍛えたことはないんだけど……イメージがあるんだよ、ドラマーの。サッカーで言うとキーパー、野球で言うとキャッチャー、バンドで言うとドラマーは、筋肉が必要じゃないかって(笑)。」
岩寺「ちょっとガタイが良くてね(笑)。」
江島「そうそう(笑)。大きいやつは大体そのポジションって。」
岩寺「もっと言えばアフロで……ってね。」
全員「(笑)」
江島「……でも、それは間違いです。小さいキーパーとか、小さいキャッチャーもいます。それでだめなことはない。」
<太鼓ドドン!>
江島「おー!……筋肉は必要ない。真面目な話をすると、上手くなればなるほど筋肉を使わなくても素早く叩けるようになるんですよ。慣れないほど無駄な力を使っちゃうので。」
草刈「そうだね。分かるわー。」
江島「"脱力"っていうのを心がけていただけると、素速く踏めるんじゃないかと思います。」
岩寺「じゃあ、次はギターの質問を紹介していきます。」
★アドバイスください、、
ギター初心者です、、
今、バンドでKANA-BOONさんの「シルエット」という曲をやっています、、
でも、単音で弾くのが難しくて上手くできません、、(指が追いつかなかったり、音が途中で途切れちゃったり、、)
メンバーにも凄く差をつけられてしまってめっちゃ焦ってます、、
単音の曲を上手く弾くコツとか、オススメの練習方法とか何かあったら教えていただきたいです、、
女性/15/神奈川
岩寺「単音……これは、上手く弾くのはもちろんミスピッキングをしない、ミスタッチをしないっていうのが重要なんだけど、それは主に左手……押さえる方ね。意識が、ギター初心者って左手の方に意識が行きがちなんだけど、実は、重要なのは右手なんですよ。ピッキングする方。」
岡崎「ほー。」
岩寺「そっちがちゃんとリズムキープできていれば、ミスをしたとしてもある程度聴ける。」
全員「(笑)」
江島「はー、そうなの?」
草刈「そうですね。弦楽器はそうだね。右手が重要です。」
岩寺「これが重要で、さっきのエジー(江島先生)のドラムの話にも通じるんだけど、これも脱力なんですよ。できるだけ右手のピッキングに力を入れないように弾く。そうすることで速く弾けるってことにもつながる。無駄な力がないってことで、リズムにちゃんと意識が出来る。」
江島「はー、なるほどね。」
岩寺「上手く弾こう、ミスをしないようにしようってすればするほど、そこが混乱してくるんですよね。」
江島「でも、KANA-BOONの曲ってめっちゃ速いからね。」
岩寺「速いねー。だからこそ、リズムがキープできていて、他とのアンサンブルの中で点が噛み合っていれば聴こえるんですよ、ちゃんと弾いているように。」
江島「おー、それはごまかしですか?(笑)」
岩寺「ごまかしは重要ですよ(笑)。でもこれは、カッティングだったり、和音弾きをするときにも結構重要で、リズムキープができていれば、多少ミスしたとしても、リズムがキープできている方が上手く聴こえます。」
<太鼓ドドン!>
江島「おー。」
岡崎「力強い。」
岩寺「なので、これも脱力法を覚えると良いのではないかと思います。」
江島「できればサカナクションのコピーもしていただきたいですね。」
岩寺「そうね。」
草刈「……脱力してばかりですね(笑)。お二方。」
岩寺「ははは(笑)。おかしいなー。」
江島「ちょっと今脱力気味なんです(笑)。」
草刈「そうなの(笑)。まあ、たまにはね。」
江島「リハからここに来たんですけど、間にサウナを挟んでいまして(笑)。今ちょっと良い感じなんでね。」
草刈「良い感じ(笑)。じゃあ、良い感じで答えていきましょう。次はベース。」
★ベースのエフェクター
ベースやってる皆さん、初めて買ったエフェクターは何ですか?
グライコ、コンプ、もしかしたらマルチ?
男性/18/岡山県
草刈「私どれでもないわ……オーバードライブ。」
江島「あ、歪み系だ。」
草刈「モッチ(岩寺先生)、何?ちなみに。」
岩寺「俺もオーバードライブ。」
草刈「英美ちゃん(岡崎先生)、何?」
岡崎「私はディレイだと思う。」
草刈「エジー(江島先生)、何?」
江島「俺、マルチ。」
草刈「へー。」
江島「俺、ギターやっていたから。」
岩寺「あー、そっか。」
江島「ハードロックが大好きだったので。」
草刈「ふふふ(笑)。ハードロックは色々必要だもんね。」
江島「高いじゃん。単品のエフェクターって。やっぱ、買えなかった。マルチだといっぱい入って同じくらいの値段だったのね。」
草刈「はー。」
岩寺「あー、はいはい。あったね、そういうのも。」
江島「とりあえずいっぱい入っている方が良いかなってマルチを買ったんですけど。」
草刈「うん。全員バラバラだね。」
岩寺「ベースでオーバードライブってどういう使い方を目的としていたの?」
草刈「私は始めた当初、ロックだったんだけど、バンドでやり始めた時はパンクロックだったので、とりあえず歪(ひず)んでいるのが基本で。」
岡崎「そうだよね。」
江島「あー、なるほどね。そういうバンドやってたよね。」
草刈「やってましたね。なので、歪み系だったんですけど、みんなそれぞれ違うってことはね、みんなそれぞれ違う音楽が好きなんですよ。だから、好きな音楽、これからプレイしたい音楽がエフェクター選びの鍵になってきますよね。自分の気持ち良い音が出せるエフェクターを探してみてはいかがでしょうか。」
<太鼓ドドン!>
江島「おー。割とみんなスムーズに"ドドン"もらってますねー。」
草刈「よし。」
岡崎「……ドキドキ。じゃあ、キーボード。」
★手拍子
私は、バンドで打ち込みとキーボードを担当しています。
先週文化祭があり、人生初!ライブだったのですが、お客さんの手拍子が打ち込みのトラックとずれまくってしまいました。
正しいリズムに導こうにもうまくいかず、自分が何やってんだかわかんなくなって、もう崩壊寸前でした、、、。
たくさんの手拍子のなかでも、自分たちの演奏を貫く方法がわかりません…
女性/15/滋賀県
江島「これはもう、岡崎先生にぴったりの質問じゃないですか。」
岩寺「本当だねー。」
江島「岡崎先生がよくなるのは、「ネイティブダンサー」ですよ。」
岡崎「ふふふ(笑)。」
江島「ずっとサビまで僕はドラムを叩かないから、リズムがない状態でハンドクラップが入るところがあるんだよね。Bメロから。お客さんがすごいハンドクラップをやってくれるの。」
(♪「ネイティブダンサー」のBメロ流れて……)
岡崎「これだ。」
草刈「(手拍子をしながら)これがちょっと速くなるの。この中でやるってなると難しくなってくる。」
岡崎「こうなると、ピアノだけ頑張ってリズムキープをしないとって思うんだけど、おー、おー、おー……ってなるんですよ。」
江島「遅れて聞こえるじゃないですか、ステージにいると。」
岡崎「そう、会場の反響とかがあって。」
江島「それに合わせちゃったりすると、リズムがぐちゃぐちゃって。」
岡崎「ぐちゃぐちゃってなっちゃう。」
岡崎「……でも、これ、人生初ライブですよ。」
草刈「そうだねー。」
岡崎「緊張するよねー。」
江島「緊張した、初ライブは。でも、初めてで同期ものってすごいよね。」
岡崎「すごいよねー。打ち込みとキーボードを両方やるっていうのは。」
草刈「大変だよー。マニュピレート(同期している演奏の管理)しながらの演奏は大変ですね。頭がごちゃごちゃになります。」
江島「しかも初めてだからね。」
草刈「緊張しますよ、そりゃ。」
江島「でも、未だにお客さんの手拍子に引っ張られそうになっている時って、どうしているの?」
岡崎「一時期、クリック(お客さんには聞こえないテンポなどを確認する音)をものすごく聴いて、お客さんの音を聴かないように頑張るっていう……」
江島「お客さんの手拍子を遮断するんだ。」
岡崎「なんか、精神力みたいな感じになりかけたんだけど、あまり気を入れすぎないようにしすぎた方がよかった。気にし始めるとそればかり聴いてしまうというか……手で弾いている方、やっている方ではない方に意識がいっちゃっているってことだから。弾いていることとか、やっていることに夢中になっている時はそうはならない。」
江島「なるほどー。」
岡崎「だから、大丈夫よ……っていうか……(笑)。楽しんで回数をやったら大丈夫だと思います。頑張ってほしいと思います。」
<太鼓ドドン!>
岡崎「は……鳴らしてくれた……」
江島「今日はドドンのハードルが低めなんだ、きっと(笑)。」
岡崎「ありがとうございます……!」
そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。
岩寺「来週山口先生が笹刈りから帰ってくる……予定です。どうなんだろうねー……」
江島「予定ね。でも、いつも良いものを持ってきてくれるんですよ。良いあじさいとか良い笹とか……お土産をね(笑)。だから、待てば待つだけ期待できるなと思って待っています。」
岩寺「そうね、待ちましょう。」
江島「ということで、今回の授業はここまで。サカナクションの江島啓一と、」
岩寺「岩寺基晴と、」
草刈「草刈愛美と、」
岡崎「岡崎英美でした。」
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