わかったフリのアーティスト用語『 EQ 』 (W/江島啓一)



SAKANATRIBE
ツアー来ましたね!こういうリリースのタイミングじゃない時のツアー、行ってみたいんです。アルバムの曲にとらわれないので色んな曲が聴けるらしい…。3月のZEPP TOKYOなら受験終わってるかも…い、行きたい…。もう少し考えます(^^)
GIANTS歴6年のbaby
女/17/茨城県





山口「来年1月からのツアーが発表になりました。その名もSAKANAQUARIUM2014 "SAKANATRIBE" !今までは、"ZEPPALIVE"という名前で、ZEPPツアーをやっていたんですけど、今回は名前を改め、全国各地を回る事になりました! GIANTS歴6年のbabyが言っていた通り、アルバムツアーではないので、昔の曲をたくさん演れるツアーになります。つまり、新しく組み直せるので、再解釈できるし、リミックスみたいなこともいっぱいできるという……。それは楽しみですね〜。ちょっと面白いことを考えているので、是非、皆さん、ライブに来ていただけたらと思っています。」


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今回の授業は「わかったフリのアーティスト用語」にもたくさん質問が届いている、"EQ" についての授業をお届けします。EQとは、イコライザー(Equalizer。イコライザと表記することもあります)の略なのですが、みなさん、正しく理解しているでしょうか?これを使うと、音の何がどんな風に変わるのか、知っていますか?今回はイコライザーについて、山口一郎先生と、先週に引き続き、サカナクションのドラムであり副担任の江島啓一先生を迎えて授業を行います!


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江島「サカナクションのドラム、そして副担任の、江島……です。」

山口「"江島……です。"って(笑)。緊張してんの?」

江島「いや、先週も来たから、先週よりは多分大丈夫。」

山口「今週は、江島先生と一緒に "EQ" ……つまり、イコライザーについての授業を行います。イコライザーって難しいと思う生徒もいると思いますが、実は、皆さんもよく使っているはずなんですね。……知らない間に使っているかも。iPodやiTunesで音楽を聴く時に、メニューバーの "ウインドウ" の中にある "イコライザ" を開いてみると、ポップアップが出てきます。そこに、"Rock"、"Jazz"、"Pop"、"Hip-Hop"、"R&B"っていう音楽のジャンルがあって、それを設定すると音が変わって聞こえるでしょう?これ、試した事がある生徒はいるかな?……まあ、何人かはいると思うんですけど、じゃあ、なぜEQで音楽のジャンルが分かれているのか、これを説明したいと思います。」


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iTunes以外でも、皆さんが持っている音楽プレイヤーやコンポなどにもイコライザーが入っている事が多いので、同じように、設定が変更できることを知っているという人もいるかもしれません。

山口「まず、EQとは何なのか、説明します。ものすごく難しいところになっていくんですけど、先週はステレオとモノラルの違い、LチャンネルとRチャンネルの存在についての授業を行いましたよね。江島先生、ステレオとモノラルの違いについておさらいしてください。」

江島「ステレオは、右と左の2つのスピーカーやイヤフォンから、音量のバランスや、楽器の音など、違う音が出ているんです。モノラルの場合は、2つのスピーカーやイヤフォンからは、まったく同じ音が出ています。」

山口「そう。それがステレオとモノラルの違い。つまり、ステレオっていうことは、LチャンネルとRチャンネルに、別々に、ひとつひとつの音が配置されているっていう事になります。でも、同時に同じ音域のものが出たら、どれがどの音か混ざっちゃって分からなくなっちゃうでしょ?」

江島「うん、ドーンって出たら分かんないね〜。」

山口「それをばらけさせるために、よくEQを使うよね。つまり、ドラムの音がものすごく鳴っている中で思いっきり歌っていても、どれが声で、どれがドラムの音なのか分からなくなるでしょ。それを分離させて、聴き分けることができるようにするために、EQを使ったりします。」

江島「そうだね。それはレコーディングの時に、僕らがやることですね。」

山口「そう、作っている人たちがやること。つまり、音の性質を変えるものがEQだと考えてもらって良いですね。」

江島「ただ、元々はね、イコライザー(Equalizer)って言っているくらいだから、イコール(Equal:等しい、同じ)らしいんですよ。音をマイクで録ったりすると、普通に耳で聴くのとは違う感じになってしまうから、耳で聴いているような感じにする。つまり、イコールになるために使っていたみたい。それが今となっては、もっと積極的に、音色を変えてみようっていう使われ方をしているんだよ。」

山口「なるほど、おもしろいですね〜。……じゃあ、料理で例えてみようか。」

江島「おっ、料理で?」


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山口「例えば……お味噌汁。俺は濃い目の味噌汁が好きだから、塩っぱさを増したい。だけど……あ、これワカメの味噌汁ね。」

江島「あれ、ワカメ、嫌いじゃなかった?」

山口「……そこはとりあえず置いておけよ!(笑)俺の好き嫌いの話は!……もう、ラーメンにしよう。」

江島「はい(笑)。」

山口「ラーメンの、油をちょっと多めにしたいけど、塩っぱさを抑えたい。だけど、とんこつ感はもっと欲しいとするでしょ。その味の調整をする感じと、EQは似ているよね。ガッツリしたラーメンにするなら、油多めの、味は濃い目の、豚骨たっぷり……っていう味付けにするよね。その味の調整に、EQは似ているね。」

江島「うん。」


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山口「じゃあ、実際に、iTunesでEQを触ってみたいんですけど、ジャンルごとに設定されているプリセットを最初に聴いても、ちょっと分かりづらいと思うので、EQの見方をざっくりと説明しようか。EQっていうと、ボタンがいくつかあって、"32"、"64"、"125"……って、数字が並んでいるでしょ。これは何なの?」

江島「これね、ものによって違うんだけど、大概、左側から数字が小さい順番で並んでいて、左側は低い音域で、右にずれていくうちに高い音域になっていくっていうのは大体一緒。」

山口「これは、鍵盤の高い音、低い音っていう領域じゃないよね。」

江島「もっと、もっと!」

山口「だから、"ン゙ー、ン゙ー"っていう低い音から、ドラムのハイハットの音にある、"チッ、チッ"っていう中にあるキーンと高い音っていうようなイメージだね。」

江島「iTunesでいうと、左が"32"っていう数字なんだけど、これは耳では聞こえない数値で、体で感じるっていうくらい低い音。高い音の"16K"っていう数値は、Kが、1000倍っていう意味なんだけど、もう、耳に痛いような音。コンビニの前とかで、キーンって鳴っていたりするようなやつ。」

山口「若者が寄り付かないようにするやつだ(笑)。」

江島「そうそう(笑)。結構、もう、耳が痛いなって思うような高さの音ね。」

山口「じゃあ、一回フラットな状態にしたままで曲を聴いてもらって、一番低い部分の音域をあげてみましょうか。「僕と花」
を聴いてもらいましょう。」


M 僕と花 / サカナクション


(※このページではTEXTで紹介しますが、iTunesやイコライザーが手元にある場合は、実際に「僕と花」
を流しながら、イコライジングしてみたらよく解ると思います!パソコンのスピーカーでは解りにくいかもしれないので、ヘッドフォンやイヤフォンを使うのもオススメです。)

山口「まずはフラットな状態ね。これはEQを何も触っていません。それでは、ここから、"32"のバーを上げてみて下さい。」

江島「32、ぐっと上げます。……これは、あんまり分からないんだよね。」

山口「なぜかって言うと、耳で聞こえる部分がないんだよね。体で感じるくらいの、低い部分の音域です。……じゃあ、次は"64"を上げてみて下さい。」

江島「もうちょっと高い部分ですね。64を上げます。はい、ドン!」


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山口「……お、ちょっと、キックがドスドスと聴こえてきませんか?」

江島「うん、ブンブンいってる!」

山口「じゃあ、その隣、"125"を上げてみましょうか。」

江島「"125"、ゆっくり上げていきます。この音域は、まだまだ低いです。楽器で言うと、ベースのおいしい所。」

山口「なるほど〜。これはもう、バシバシ、ブイブイ言ってますね〜。」

江島「人によっては、モコモコしてるって思うかもしれない。」

山口「そうだね。……じゃあ、もう一度フラットに戻して、次は高い音域を変化させてみましょうか。」

江島「はい。それでは、頭からいきましょうか。フラットの設定に戻します。」


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山口「それでは、一番高い音の、"16K"っていうバーを上げてみて下さい。」

江島「はい。」

山口「……歌が、キャーキャー言っているように聴こえませんか?まだちょっと分かりにくいかな?じゃあ、"8K"のバーを上げてみて下さい。」

江島「はい。……あ〜、シャリシャリしてきましたね。ハイハットの音が立ってきました。」

山口「それでは、更に、"4K"を上げてみましょう。」

江島「はい、グッと。」

山口「……お、ギターが聴こえてきましたね。これ、みんなに分かるかな〜?」

江島「次、"2K"を上げてみましょう。」


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山口「……あら、重心が上がりましたね。」

江島「そしたら、次は、低い音域を下げてみたらどうかな。」

山口「そうだね、やってみましょうか。低い音を下げると……あら。なんだか、昔のラジオっぽい音に聴こえますね。つまり、低い音が無くなって、高い音の成分が上がる事で、音が安っぽく感じるんだね。」

江島「シャリシャリですね。」

山口「実は、これを理解しようとしている生徒諸君は、ものすごく難しい事を耳で分かろうとしているわけですね〜。……じゃあ、フラットに戻してもらっていいですか?」

江島「はい。」

山口「ほら、低い音がぐっとあがって、高い音がさっと下がった。これが、フラットな状態ですね。」

江島「全然違いますね〜。」


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さあ、皆さんは音の違いが解ったでしょうか。ラジオを通してだと、解りにくい音の違いがあったかもしれませんが、今回の授業も、そろそろ終わりの時間です。

山口「今週は、実際にEQっていうものを、iTunesのイコライザを使って説明してきました。何も知らなかった人は、これが何のボタンなのか分からなかっただろうからね。」

江島「触ってもいないだろうからね、みんな。」

山口「うん。来週は、iTunesのイコライザのプリセットを使って、"Rock"や"Pop"、"Electronic"っていうジャンルを設定して聴いてみましょう。プリセットを使いながら、それを元にお話ししていきたいと思います。……これは、僕らの憶測も入ってくるけど、面白いと思うよ。」

江島「うん、深いかもね。」

山口「だから、iTunesを持っている生徒は、実際にイコライザを触りながら授業を行いたいので、iTunesを開いて待ってくれていると嬉しいね。お父さんのラップトップを借りたりすると良いかもね。」

江島「そうだね。」

山口「とりあえず、EQを手元に……(笑)。来週は、EQを手元に置いて、授業が始まるのを待っていて下さい。」


ということで、今回の授業はここまで。
来週も、江島先生を迎えて、引き続きEQの授業を行います! 生徒の皆さんは、パソコンの中に入っているiTunesから、イコライザのウインドウを開いて、準備しておいて下さい。iTunesをインストールしていなくても、音楽を再生するソフトの中にその機能が入っていることがありますよ。
来週の授業もお楽しみに!

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