初オンエア「スパークル(original ver.)」!!
2016.10.12
RADWIMPS
野田「すっかり涼しくなってきましたね」
武田「はーい」
野田「最近の生きる楽しみは何?」
武田「えー、サンマですね。」(←即答)
全員「(爆笑)」
野田「はっはっはっは(笑) そんなにすぐ出てくんだね、生きる楽しみって。」
武田「うーん。」
野田「今年はどうですか(笑)、値段はそんなに……」
武田「いや、ちょっとね、高……あー、ねえ、変わんないけど」
野田「うん。」
武田「小ぶり。」
全員「(爆笑)」
野田「あれ、そんなに詳しかったっけ、毎年、批評してたっけ(笑)」
武田「まあまあ、サンマは好きですよ。」
野田「なるほどね(笑)」
期間限定、SCHOOL OF LOCK! の "先先先生" 、RADWIMPSのRAD LOCKS!。
今回の授業は、先週の授業で音源解禁した「前前前世」のオリジナルヴァージョン、そしてアルバム『君の名は。』に収録されるのが「前前前世」ムービーヴァージョン。このムービーヴァージョン(movie.ver)とオリジナルヴァージョン(original ver.)、このバージョン違いが生まれた経緯を紹介していきます。
野田「この違いをね、今日はじっくりと、授業で話していきたいなと思ってます。」
RADWIMPSが、映画「君の名は。」の主題歌として書き下ろした「前前前世」そして「スパークル」。どちらも映画の中で流れる前提で作られ、映像に合わせて曲の尺なども調整されたのですが、その完成ヴァージョンが 、"ムービーヴァージョン(movie.ver)" でした。RADWIMPSのアルバム「君の名は。」には、このヴァージョンが収録されているのですが、実はこのムービーヴァージョンのレコーディングが終わった後で、新海監督から曲への追加発注があったそうなのです。
桑原「レコーディングした後に、映像とこうくっつけて、で、ここに歌詞がほしい、って監督からのオーダーが追加でありまして。」
野田「その後であったんだよね。俺らが作ったのに。もうCDとして出来上がったレコーディングの後で、あろうことか!ここにさらに追加してくれという!そんなことがあっていいのかい!……ってなったんだよねえ。」
野田「で、そっから作ったバージョンが別にあるんですよ。しかもその歌詞をやたら、監督は気に入ってくれて、その映画の中で、さらにセリフとかもカットして、そこの歌詞を聞かせて。だから(映画を観た人は)余計に多分、みんな耳に残ってるんだよね。」
武田「うんうんうんうん。」
野田「そうなんですよ。あの、後ろで流れてるっていうよりは、ガッツリとね……」
武田「そうだね、前に居るもんね。」
野田「そう。で、その歌詞が、なんか多分、その未来をちょっと予兆しつつ、この先なにが起きるかっていうのを、波乱を含みながらも、なんかこう希望に満ち溢れてる感じが多分、監督としては嬉しかったのかなと思って。せっかくまあ、そこは作ったので……僕らも、また別の形でじゃあ録音しようかってことで、レコーディングを別バージョンとして、しなおして、アルバム「君の名は。」の方にはちょっと間に合わなかったんですけど、オリジナル・アルバムの方では入れようということになりましたねー。」
野田「同じように、「スパークル」という曲も、ムービーヴァージョンとオリジナルヴァージョンがあります。ムービーヴァージョンは、がっつり映画の長さに沿って、流れに沿って作ってあるから、ちょっと曲はだいぶ長い……」
武田「もう9分ぐらいあってねー。まあ、その "歌モノ" っていう要素もあるんだけど、その "劇伴" っていう要素もあったりとかで、1曲の曲としてはちょっと不恰好になってしまう……曲だけ聴くと。映像と合わせて、こう真価が発揮されるような出来になってるのがムービーヴァージョンで。」
野田「そうだね。でもなんか最初、僕らもだいぶ迷ったというか、半信半疑だったよね。(映画の中の)ここ9分間を、曲だけで持たすってことが果たして可能なのかな、って映画の中で。しかもピークの後半なので、監督ともちょっと相談して、別々の曲、2曲にしませんかみたいな話もしたんですけど、(劇伴を手がけることになった)1年半前にいちばん最初に脚本をもらった段階で、僕が「スパークル」の原型となる曲を渡して、監督がこの曲をえらく感動してくれて、気に入ってくれて、「絶対ここはこの曲、1本で行きたいんです。」ってことを言ってくださって、だからそこからアレンジでいかにこう変化を付けてくかってのを考えてったよね。」
武田「うーん。うんうんうん。」
野田「10分間、しかも三葉と瀧のいちばん結構大事な、部分であり、冒険であり、ほんとに勇気を振り絞るところなので、結構……結構がんばりましたね。あれは5ヶ月ぐらいかかったんじゃない。」
武田「ほんとに長かった。一回投げかけて、これで行きましょうってなったんだけど、ちょっとやっぱり、ここの部分、このパートにしてください、みたいな……結局、5ヶ月。」
野田「そうそうそう。あったねー。さらにこの曲でも……これで完成したってなって、こんどはじゃあ、さすがにこの曲じゃ長いから、オリジナルヴァージョンを作ろうか。ってなって作ったときに入れた、新たな歌詞があるんだけども、監督はさらにそれを気に入ってしまって、今度は「ムービーヴァージョンにそれを入れてくれ。」っていきなり言い出して。そしたら、とても重要な場所でまた、それを使ってくれて。手のひらを三葉が見るシーンなんですけども。あれはだから元々なかったんだけど、俺らが自分たちのアルバム用に、よし、やっとレコーディングできるね。って作ってたら、それくれー!っていう。お前の持ってるそれもくれ!っていう(笑)。でもまあ、そういう風にずっと、手作りというか、ラリーをしながら作っていきましたね。」
武田「思い出があるねえ。」
野田「でもオリジナルヴァージョンはオリジナルヴァージョンで、とても聞きやすくというか、まあその、歌モノとして完成されられているので、これはまた全然違うふうに聞けるじゃないかなと。新たな歌詞もいっぱい入ってますし、はい。」
ということで、今回は「スパークル(original ver.)」を初オンエアしました。