練習後、ゆたまるにインタビューをした。
「本当に別次元の人のような強さだった」「力、技のキレ、相手にならない凄さがあった。」「明日の試合に向けて活気がついて、力をもらえた。自信になった。」と話してくれた。

技術面においては野村さんから組手を教われたことが大きかったそうだ。
また背負い投げを得意としている野村さんから直接、指導を受けられたことが大きかったという。
ゆたまるの得意技も背負い投げで、「今までやってきたことが普通だと思っていたのに他にも大事なことがあることを知った。」と新たな発見があったとのこと。
ゆたまるは4歳から柔道を始め、今までずっと続けてきて、中学の頃は全国に出られずに悔しい思いをしてきた。
全国には出られなかったものの関東大会優勝の経歴がある。
その実績もあって柔道の強豪高校の先生から声をかけてもらったことも。
しかし彼はその誘いを断った。
勉強も柔道もやるという親との約束で今の学校を選ぶ。
今通っている学校を選ぶと勉強も忙しくなり、練習時間も短くなる。それを知った上で練習をやってきた。
高校1年、2年と試合で負けてきた。その時、周りの先生たちから「弱くなったな」「なんで強豪校に行かなかったの？」と言われ悔しい思いをしてきた。その時から見返したいという気持ちが芽生えた。

そんなゆたまるが高校生になって全国に行けるのは明日の大会がラストチャンス。

ゆたまるにはライバルがいる。柔道強豪校にいる選手だ。
前回の選手権予選の決勝で戦い負けてしまった相手。ライバルは選手権でベスト8になるほどの実力者だが、その相手に勝たないとインターハイに出ることができない。この相手が1番の大きな壁なのである。