家族、出会い、そして、物語を紡ぐということ
2025/01/25
今週も作家・小川洋子さんにお話を伺いました。
物語作りで大切にしていること
小川洋子さんが物語を作る上で大切にされているのは、「焦らないこと」と「登場人物の自由を尊重すること」。作家として物語を無理に動かさず、登場人物たちが自然にどの方向へ進むのかを見極めることを心がけているそう。
また、五感の中で特に「耳を澄ませる」感覚を重視し、登場人物たちの声や足音、風景の中の風の音などをじっくり感じ取る時間を大切にされています。そのため、すらすらと書けるわけではなく、一行書いては消す作業の繰り返しなのだとか。
創作の苦しみと喜び
作品を執筆する際、小川さんは「筆が乗る」という経験がないといいます。しかし、その苦しみは「価値のある苦しみ」だと感じて、登場人物たちが物語の中で生き生きと動き始める瞬間に喜びを感じるのだとか。ラストが決まっていない状態で書き進め、書き終わった時に「ここへ来るために書いていたのだ」と気づくときが、執筆がうまくいったと感じられるそうです。
プライベートと創作への影響
プライベートでは、ラブラドール・レトリバーの"Love"との生活が、小川さんの創作に大きな影響を与えています。「犬を飼ったことが人生で一番の選択」と語るほどの小川さん。言葉を話さない存在である犬と接する中で、小説が「言葉にできないこと」を描く場であることを改めて実感したと言います。
犬との時間は、小説の中で言葉にできない感情や経験を受け止める重要なきっかけになっているそう。
新たな挑戦と「推し活」
子どもの成長や犬との別れを経て、小川さんはミュージカルに出会い、新たな楽しみとして俳優・福井晶一さんを応援する「推し活」をスタート。舞台を観劇し、作品を通じて俳優としての深みや美しさを感じる時間は、小川さんにとって大切なひとときとなっています。
また、これから描いてみたい登場人物像として、小川さんは「隅にひっそりと隠れるような人々」や「死者たちの言葉を物語の中で再現すること」を挙げられました。また、小説の題材として、数学など一見小説とはかけ離れた分野にも興味を持っているとのこと。どんな分野であれ、黙々と働き、自己を表現しない人々の中に隠れた言葉を聞き取ることが作家の役割だと語ります。
十年後も変わらず、小説を書くことだけに集中していたいという小川さん。自身の作品が本屋や図書館に一冊でも残っていれば、それが何よりの喜びだとお話されていました。
たくさんの素敵な言葉が溢れた今回のインタビュー、もう一度聞きたい方はこちら!
NOEVIR Color of Life | TOKYO FM | 2025/01/25/土 09:00-09:30 https://radiko.jp/share/?sid=FMT&t=20250125090000
物語作りで大切にしていること
小川洋子さんが物語を作る上で大切にされているのは、「焦らないこと」と「登場人物の自由を尊重すること」。作家として物語を無理に動かさず、登場人物たちが自然にどの方向へ進むのかを見極めることを心がけているそう。
また、五感の中で特に「耳を澄ませる」感覚を重視し、登場人物たちの声や足音、風景の中の風の音などをじっくり感じ取る時間を大切にされています。そのため、すらすらと書けるわけではなく、一行書いては消す作業の繰り返しなのだとか。
創作の苦しみと喜び
作品を執筆する際、小川さんは「筆が乗る」という経験がないといいます。しかし、その苦しみは「価値のある苦しみ」だと感じて、登場人物たちが物語の中で生き生きと動き始める瞬間に喜びを感じるのだとか。ラストが決まっていない状態で書き進め、書き終わった時に「ここへ来るために書いていたのだ」と気づくときが、執筆がうまくいったと感じられるそうです。
プライベートと創作への影響
プライベートでは、ラブラドール・レトリバーの"Love"との生活が、小川さんの創作に大きな影響を与えています。「犬を飼ったことが人生で一番の選択」と語るほどの小川さん。言葉を話さない存在である犬と接する中で、小説が「言葉にできないこと」を描く場であることを改めて実感したと言います。
犬との時間は、小説の中で言葉にできない感情や経験を受け止める重要なきっかけになっているそう。
新たな挑戦と「推し活」
子どもの成長や犬との別れを経て、小川さんはミュージカルに出会い、新たな楽しみとして俳優・福井晶一さんを応援する「推し活」をスタート。舞台を観劇し、作品を通じて俳優としての深みや美しさを感じる時間は、小川さんにとって大切なひとときとなっています。
また、これから描いてみたい登場人物像として、小川さんは「隅にひっそりと隠れるような人々」や「死者たちの言葉を物語の中で再現すること」を挙げられました。また、小説の題材として、数学など一見小説とはかけ離れた分野にも興味を持っているとのこと。どんな分野であれ、黙々と働き、自己を表現しない人々の中に隠れた言葉を聞き取ることが作家の役割だと語ります。
十年後も変わらず、小説を書くことだけに集中していたいという小川さん。自身の作品が本屋や図書館に一冊でも残っていれば、それが何よりの喜びだとお話されていました。
たくさんの素敵な言葉が溢れた今回のインタビュー、もう一度聞きたい方はこちら!
NOEVIR Color of Life | TOKYO FM | 2025/01/25/土 09:00-09:30 https://radiko.jp/share/?sid=FMT&t=20250125090000