第16回 車の清掃と交通事故の関係性
2015/07/16
想像してみてました・・・
→ 愛車を大切にするドライバーはクルマを傷つけたくない
→ 無茶で乱暴な運転は避ける
→ となると、交通事故に関わる確率は低いのでは?
→ そういう愛車を愛する人は掃除もマメにしているはず
つまり・・・「クルマがキレイな人は交通事故に縁が薄い」という仮説を
今回、立ててみました。専門家の中に、このことを指摘している方を探してみると・・・いました。
以前、この番組にコメント出演して下さった
日本モータージャーナリスト協会 副会長 菰田潔さん。
菰田さんは「車を綺麗に保つということは事故を防止する効果がある」と考えています。
アメリカの損害保険会社に勤めていた Mr.ハインリッヒが、
導き出した労働災害における経験則「ハインリッヒの法則」というものがあります。
それは「1つの重大災害の背景には29件の軽災害があり、
「その背景には災害にはならなかった300件の異常がある」というもの。
菰田さんはこの法則は交通事故に当てはまると指摘しています。
「ハインリッヒの法則」でいくと、いちばん最初のヒヤリハット、
あるいは軽微な事故を減らす事が重大な事故を減らす事に繋がる。
だから車を綺麗にしているとほんのちょっとでも傷を付けたくないと思い、
少し危ないなと思ったら早めにブレーキかけたりスピードを落としたりする。
凄くキレイな車には、人も自転車もバイクも他の車も、
なかなか近寄って来ないのではないかと・・という事で、
事故から遠ざかる効果があると考えているとおっしゃっていました。
そこで、愛車の清掃をするときは一石二鳥で交通安全を考えてやりましょう。
窓ガラスは外側、内側、両方とも綺麗にしておく必要があります。
西日に向かって走る時は窓ガラスがキレイか否かで走りやすさが変わり、
汚れていた時に眼が疲れて運転しにくくなることが事故に繋がります。
また、窓の内側が汚れていると、雨が降った時などはくもりやすくなる、
後ろや横の窓も綺麗にしておくことも大切です。
そして、ヘッドライト。汚れでくもっていれば、
明るいライトでも光量が減ってしまったり配光が乱れます。
さらにミラーも綺麗にしていれば安全性に繋がります。
菰田さんによると窓ガラスの内側の掃除は2枚の布を使い、
水拭きをして、乾拭きをするとベター。
最近では「ガラス掃除専用」マイクロファイバーの布もあります。
繊維の細さが毛髪の100分の1で汚れをとる能力が優秀
こうしたものも使ってみてはいかがでしょうか?
交通事故には整備不良に起因するものがあります。
平成26年は交通事故全体54万4千件のうち66件が整備不良のために起こったもの。
割合はわずかですが、66件のうち2件が死亡事故、10件が重傷事故と軽視できません。
その中で最も整備不良が事故に繋がっているパーツはタイヤ。
クルマを清掃する時はタイヤとホイールも一緒に綺麗にして状態のチェックをしましょう。
空気圧は低くないか、溝がなくなってしまっていないか、傷ついていないか。
車内は定期的にバキュームクリーナーをかけて埃をとる。
そうすれば室内の空気をキレイに保ち快適な運転ができてこれも交通安全に繋がります。
そして、車内を掃除した時は、荷物も整理しましょう。
車内にたくさん荷物を積んでいる人いるでしょう?
急ブレーキを踏んで事故を防ぐという場合も、
後ろに積んであるモノが前に飛んで来るのです。
これは、非常に危険。足元に転がってブレーキペダルの下に挟まったりすると、
ブレーキが利かなくなる危険もあります。
速度50kmでぶつかった時に車内の荷物が、
50kmで自分の顔にぶつかってきたら大けがをしてしまいます。
自分にぶつかって痛そうなモノは車内に置いておかないようにしましょう。