今週月曜日、6月1日に、改正道路交通法が施行されました。
注目するべきは自転車に対する取り締まりの強化。
今週は東京 麹町 みらい総合法律事務所に所属する
交通事故に詳しい谷原誠弁護士にお話を伺い「自転車と交通安全」を追跡しました。
自転車取り締まりの強化の背景には悪質な運転の増加があります。
かつては歩行者と同じように交通事故では被害者側だった自転車の運転手。
ほぼ取締りの対象にはなりませんでした。
しかし、ここ最近、その立場は加害者側に移ってきました。
自転車事故によって死亡する、重度の障害を負う事例が増えてきたからです。
近年、交通事故全体、自転車が関係した交通事故、ともに減り続けています。
しかし、自転車と歩行者の事故数は、ほぼ横ばい。
道交法違反容疑で摘発された自転車運転者は5年で5倍に増えているのです。
今回の改正道路交通法で、14の自転車運転の「危険行為」が特定されました。
危険な行為を3年以内に2回以上、犯した場合、講習が義務付けられます。
講習の手数料は5,700円程度。
講習を受けない場合には5万円以下の罰金を支払わなければいけません。
14の「危険行為」には判りやすいものと判りにくいものがあります。
「信号無視」
「酒酔い運転」
「ブレーキのない自転車の運転」
「歩道での歩行者妨害」
「携帯電話を使いながらの運転など安全運転義務違反」
「遮断機が下りた踏切への立ち入り」
以上の項目は読んだ通り。
特に問題はないでしょう。
他の項目、少し判りにくいものを解説しましょう。
「一時停止違反」
→ 自転車も道路交通法上、軽車両で車両の1種。
車用の一時停止ラインがあったら自転車は止まらないといけません
「歩道での徐行違反」と「路側帯の歩行者妨害」
→ 基本として自転車は車道を走らないといけません。
歩道を走っていい場合も歩行者の邪魔にならないよう徐行します。
歩道がなくて車道の左端等に路側帯がある場合は、
歩行者を優先として邪魔しないように路側帯を走ります
「交差点での優先道路通行車の妨害」
→ 信号機が無い交差点では太い道路が優先。
同じような道路だとしてもセンターラインが交差点で切れずに繋がっている方が優先。
その優先道路の車や自転車の妨害をしてはいけないということ
「通行禁止違反」
→ 自転車のマークにバツが打ってある自転車通行禁止の標識がある道路、
高速道路など自転車が通行してはいけないところを走ってはいけません。
自転車OKの表示がある場合をのぞいて一方通行の逆走も禁止です。
自転車運転の加害者になると損害賠償金が発生します。
自転車の保険に入っている人は少ないはず。
重度の事故なら数千万円という金額を自分で払わなければいけません。
取り締まりが強化されたこの機会に、
安全に自転車を運転するための正しい知識を身につけましょう