第6回 飛び出し坊やを追え!

2015/05/07
今週のテーマは身近な人は頻繁に見かけるでしょう。
縁のない人はその存在を知らなかった人も?
ドライバーに子供の道路への飛び出し注意を喚起する看板「飛び出し坊や」を追跡しました。

「飛び出し君」「飛び出し小僧」などとも呼ばれる「飛び出し坊や」。
発祥は昭和40年代、滋賀県、今の東近江市でのことです。
自動車が急激に増えて、全国交通事故が多発する中、
社会福祉協議会から子供を事故から守る啓発看板を作ってほしいとの依頼を受けて
看板製作業 久田工芸の社長 久田泰平さんがつくったことから始まりでした。

子供の飛び出しそうな所に置く看板であれば
文字でなく見てすぐ分かるようなモノを・・・と考えた末、
久田さんがつくったのは子供の絵を描いた木の看板。
それを小学校PTAが通学路に置いたことから
男の子の看板が他の街にも広がっていったのです。

下の写真は久田泰平さんと奥様と息子さん。
写っているのは0系と呼ばれる、オリジナルの系譜を継ぐ、久田さんの作品。
久田さん自身は、この看板に「とび太くん」と名付けています。





「とび太くん」から派生した様々なタイプが各地に広がる中、
それらをまとめて「飛び出し坊や」として紹介し、全国区にしたのが、
「マイブーム」から多くの「ブーム」を生む 、みうらじゅん さん。
みうらさんが、初代新幹線になぞらえ、
久田さんの「とび太くん」を「0系」と表現したのです。

各地の「飛び出し坊や」をウォッチするファンも出てきました。
情報交換コミュニティ「飛び出し坊や研究所」を運営する今井貴裕さんによると
関西より西には飛び出し坊やで交通安全を喚起するというアイデアをもらい、
地域ごとにさまざまなタイプがあって楽しいとのこと。
今井さんが撮影した「飛び出し坊や」の写真を何枚か掲載しましょう。

まずは関西〜中部に広がる市販のもの。
裏と表が男の子と女の子。






滋賀県野洲町(現 野洲市)のおばあちゃん「飛び出し坊や」。
高齢者の交通安全を喚起したもの。




奈良県の聖徳太子。




京都のパンダ。なぜパンダ。
しかもちょっとぶちゃいく。




と、まあ地域ごとに個性のある「飛び出し坊や」があるわけです。
そして、去年8月にはタカラトミーアーツが、
0系をモデルにした「飛び出し坊や」ガチャコレクションを発売したところヒット。
今年7月には第2弾が発売になる予定です。

「ドライバーの方が、この人形を見て、近くには路地があり、
子供が飛び出すかもしれないので気を付けてくださいという思いで、
子供を交通事故から守れたらと作っています」と久田さんが語る「飛び出し坊や」。

ガチャもきっかけになって「飛び出し坊や」と
そこに込められた“思い”が全国に広がるといいですね。
あなたの暮らす街には「飛び出し坊や」ありますか?