第4回 交通安全年間スローガン
2015/04/23
「飛び出すな 車は 急に止まれない」「せまい日本 そんなに急いで どこへ行く」。多くの人には聞き覚えがある標語でしょう。これは「交通安全年間スローガン」に選ばれたものです。「飛び出すな 車は 急に止まれない」は昭和42年の内閣総理大臣賞 子供部門。「せまい日本 そんなに急いで どこへ行く」は昭和48年の内閣総理大臣賞 運転者向け部門。実は「交通安全年間スローガン」。最初の昭和41年から数えると平成27年は50回という節目の年。木曜日の追跡は「なるほど!交通安全」。今週は「交通安全年間スローガン」を追跡しました。
昭和40年は交通事故による死亡者が1万2千人。その対策をしなければという中で募集がスタートした「交通安全年間スローガン」。現在は全日本交通安全協会と毎日新聞社によって共催されています。いちばん最初の最優秀作品の3つを見てみると「世界の願い 交通安全」「もう一度 よく見て渡れ 手を上げて」「ブレーキは早目に スピードは控え目に」。それでは平成27年の最優秀3作品は一般部門A(運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるもの)が
兵庫県丹波市 村岡 孝司さんの「早めから つけるライトで 消える事故」。
一般部門B(歩行者・自転車利用者へ呼びかけるもの)が高知県高知市濱渦 幸嗣さんの「外出は 明るい笑顔と 反射材」。こども部門(こども(中学生以下)へ交通安全を呼びかけるもの)は静岡県富士宮市立東小3年後藤 悠仁さんの「ルールむし しん号むしは わるいむし」。こう見ると50年という月日は今昔ではありますが交通安全の心というのは普遍的なものです。
交通事故による死亡者は昭和45年(1975年)には過去最悪のおよそ1万7千人に達し「交通安全年間スローガン」も含めた交通安全運動が実を結び、その後は減少に転じます。去年はピーク時の4分の1、4,113人。減っているとはいえ、いまだ1年に4千人以上の大切な命が交通事故によって失われている事実を受け止めてゼロに近づけていく努力をしていくべきでしょう。そのために交通安全のスローガンを読むことはもちろん、考えるという行為は交通安全の大切さを実感し、交通ルールを守る意識に繋がるはずです。来年、平成28年に向けた募集は6月後半から募集予定。特にお子さんがいる方は、一緒に作品をつくって応募してみてはいかがでしょうか?