第520回 高速道路での車線変更

2025/03/28
日本列島には、桜が咲き始めて、やってきた春。
クルマで遠出する機会も増えるでしょうが、高速道路では車線変更に注意して下さい。
時速100km前後で走っているので、万が一の時には大きな事故に繋がりかねません。





今回のコメントは、日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟 交通安全委員会 委員菰田潔さんでした。

高速道路での車線変更は、約3秒前に合図を出すと道路交通法で定められています。
合図は一般的にはウインカーで、安全確認・ウィンカー・3秒後に車線変更開始が正しい順序。

菰田さんの印象だと3秒前にウインカーを出して車線変更するドライバーは稀。
ウインカーを出すのは、他の車に自分の行動予定を示すためです。
車線変更をしたいと思ったらすぐにウインカーを出すこと。
そして、3秒間に他車の動向を見て、安全ならゆっくり車線変更します。





高速道路での車線変更は後続車にも注意しましょう。
バックミラーで1回だけでなく複数回見て、続いて来る車の速さを予測します。
特に走行車線から追い越し車線に出る時には気をつけて下さい。
追い越し車線に出て走行車線の車を追い抜いた後で、
前方に車がいなければ走行車線に戻ることも大切。
戻るタイミングはドアミラーではなく
ルームミラーに追い抜いた車のフロント部分が見えた時です。

また、ハンドルの切り方も重要。
ハンドルには指1本分ぐらいの遊びがありますが
その遊びの範囲内で車線変更したい方向にハンドルをやや押す程度でいいそう。

100km/hで走るクルマは1秒間に28m、5秒間で140m進みます。
最近は一部で120キロの制限速度の区間もできました。
120km/hだと、1秒間に33.3m、5秒間に約167m進みます。

この走行距離を考えると、ほんの少しの車の角度の変化で、大きく横に移動してしまいます。
だから、より丁寧な運転が必要になるのです。





車線変更してはいけない、あるいは避けるべき状況もあります。
まず、道路交通法で、トンネル内での追い越しは、原則として禁止されています。

また、雨や雪が降っている時には、路面が滑りやすく、視界も悪くなりがち。
車線変更の時に急ハンドルを切るとスリップしてしまう可能性も大。
そうなると接触事故や追突事故となって、
どのクルマもかなりのスピードを出しているわけですから大惨事が生じかねません。
無茶は決してしないようにしましょう。