第519回 横断歩道の安全利用

2025/03/21
もうすぐ4月。暖かい春を迎えて、みんな活動的になり、
外を歩く時、自転車に乗る時、これまでより自由度が増します。
そんな時に気をつけたいのが横断歩道。
利用する側もクルマを運転する側も交通事故に遭わないように起こさないようにしましょう。





警察庁によると、令和元年からの5年間で
自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故は4,435件。
3,079件が歩行者が横断中の事故で、
そのうちの35%、1,086件が横断歩道で起こっています。

まずは、どんな立場にあっても、
横断歩道の交通ルールを知っておく必要があります。

歩行者は横断歩道が近くにあれば、横断歩道を渡らなければいけません。
その際には縞模様になっているラインの上を歩くこと。
横断歩道の近くを横断する行為は禁止されていて、細い規定ですが、
歩行者の安全を考えての規定なのできちんと守るようにしましょう。

横断歩道がなくても、信号がある交差点があるなら、ここを渡ります。
近くにはともに無く、さらに歩道橋や地下道もない場合には、
道路を横断していいと規定されていますが、斜め横断や、
例えば車が渋滞していてその前後・隙間から抜けていくような横断は禁止されています。





歩行者は、道路を渡りたい時、近くに横断歩道があるなら、
必ず横断歩道を横断しなければいけませんが、
ここで、歩行者用信号には青から赤に変わる前には点滅時間がありますが、
あれはどんなメッセージか知っていますか?

横断歩道を渡ろうとしたら歩行者用信号が点滅し始めて、
急いで横断したけれど横断途中で赤に変わったという経験があるでしょう。
実は、それは当然のこと。

道路交通法では「歩行者用信号機が青信号で点滅している時は、
道路の横断を始めてはいけません。 横断中の場合は、速やかに横断を終えるか、
引き返しましょう」と規定されていて、引き返す前提があるので点滅時間は短め。
多くの歩行者用信号は、半分を渡れる程度の設定になっていて、
点滅してから横断しても渡りきらないうちに赤になってしまうというわけです。
覚えておいて下さい。





次に自転車を利用している方。
自転車に乗って横断歩道を歩行者と一緒に横断しているでしょうか。
これは、交通ルール上NGというわけではありませんが、注意が必要です。

道路交通法では、歩行者の通行を妨げないことが求められていて、
歩行者の邪魔になってしまう場合は、降りて押して渡らなければいけません。
もう一つ、「自転車横断帯」がある場合には、そこを通行する必要があります。

自転車は歩行者に準じたものではなく、法律的には軽車両という扱い。
横断歩道の利用も車両であることを意識して下さい。





最後にクルマを運転している時の注意点。
まず、信号のない横断歩道に渡ろうとしている人がいたら必ず停止線で一時停止すること
ただ、横断歩道がないところを歩行者が渡ろうとしている場合は、
クルマで走行している道路のほうが幅が広い、優先道路なら泊まらなくても大丈夫です。
ただ、もちろんその場合も、渡ろうとしている人がいることを意識して通過しましょう。

それから、横断歩道や自転車横断帯の30m手前からは追い越しや追い抜きは禁止。
横断歩道や交差点の前後5mの中は駐停車禁止。
交通事故の要因を作らないため、こうしたルールはきちんと守って下さい。





歩行者、自転車利用者、クルマのドライバー、
それぞれの立場で横断歩道での事故が起きないように気をつけましょう。