最近の交通社会は些細なことでトラブルが起こりがち。
ドライバーはハンドルを握っている時、急いだり慌てたりせず、
優しい気持ちとマナーを胸にクルマを走らせることが必要です。
それが事故回避にもつながります。
すれ違うことができない狭い道で対向車と出くわした場合、どんな対処をとりますか?
日本自動車ジャーナリスト協会 会長で日本自動車連盟 交通安全委員会 委員もつとめる
菰田潔 さんによると、狭い道と言っても山中の狭い道や住宅街で狭い道と環境はさまざま。
いずれにしても相手の運転技量は分かりません。
手前にすれ違いできそうなスペースがあったら停車することが得策です。
どうしても早く行きたいからとどんどん行ってしまうと、
結果的にうまくすれ違えずに時間がかかってしまうこともあります。
停車する時にはできるだけ左側に寄ること。
左に寄っているつもりでいながら実はそうでもないドライバーも少なくありません。
ふだんから自車の左側のタイヤがどこを走っているかを意識して走るといいでしょう。
また、すれ違う時に停車して待っている自分のクルマが斜めになっていると
それだけ横幅を取ってしまい相手のクルマが通りにくくなるので
なるべく平行に停車できるような運転技量を身につける努力をしましょう。
次に狭い坂道でのすれ違い。
マニュアル車の時代は、いちど停まると再び坂を上る時に
後続車と衝突事故が発生する可能性があったので上り坂優先がマナーでした。
しかし、菰田さんによると、今のクルマはエンジンにパワーがあり
ブレーキペダルを離してからも上り坂なら2秒間はブレーキが効き
アクセルを踏むまでブレーキが効いてるヒルスタートアシスト搭載のクルマが増えました。
さらに大多数がオートマチック車で坂道発進も楽になって
譲りやすい方が譲ればいいという状況です。
ただし、ここで気をつけたいのが、対峙した相手のドライバーの考え。
特に自分が下り坂側で上り坂側が年配のドライバーだった時、
かつての習慣から上り坂が優先という行動を取る人もいるでしょう。
クルマの動きや顔の表情などから相手の考えを察知するようにしましょう。
そして、譲り合いの精神から発生してしまう不幸な事故もあります。
聴いたことはあるでしょうか、いわゆる「サンキュー事故」。
右折しようと思っていたクルマが直進車に道を譲られたあと
譲ってくれた直進車の脇から走ってきた二輪車や
別の車線がある場合には そこを走ってきたクルマに衝突してしまうケースです。
多くの日本人は律儀で人がいいですから
クルマを運転していて右折しようとしている時に
対向車が停まってくれたり、「お先にどうぞ」の合図をしてくれると、
「ありがとう」と思いつつ、急いで右折しよう考えてしまいが地。
感謝の気持ちを持つことは大切ですが、何時も急がず、慌てずの気持ちを忘れないで下さい。
譲り合いの気持ちを胸に、上手な譲り合いテクニックを身につけて、
事故やトラブルを起こさないようにしましょう。