第501回 オールシーズンタイヤ

2024/11/15
2024年は長いこと夏のような暑さが続いていましたが、
11月も半ばともなり、さすがに冬の訪れを感じます。
雪が降る地域の方はもう冬用のタイヤに履き替えたことでしょう。

あまり、あるいはほとんど積雪がない地域にお住まいの方は
このタイミングで「オールシーズンタイヤってどうだろう?」と思っているかもしれません。





自動車評論家 国沢光宏さんによると
オールシーズンタイヤはアメリカでは長い歴史があります。
その特性は夏に使えて、冬もほどほどの雪であれば走れること。

ただ、とても滑りやすい日本の雪質。
だから日本では夏は夏用タイヤ、冬はスタッドレスタイヤがセオリーになっています。

そこへ最近になって、オールシーズンタイヤの性能がかなり向上してきて
一年を通しても使えるということで人気になっているようです。





これからの季節に気をつけなければいけないのが、
降った雪が押し固まった圧雪道路や雨などが凍った氷結道路ですが、
オールシーズンタイヤの特徴を見てみると

● 凍った道路(アイスバーン)は苦手

○ 圧雪や降りたての雪は得意

● 雪が降らない地域では意味がない

となると、冬の道路での安全運転を考えた場合、
オールシーズンタイヤに全幅の信頼を置けるエリアというのは、
あまり広範囲には及ばなそうです。

国沢さんの見解も”降りたての雪や長靴で歩けるような圧雪は得意なので
あまり雪が降らないところで長距離走行しないのであれば
オールシーズンタイヤでもいいと思います”
”ただし、舗装された道路の乾いた路面でのブレーキ性能は夏タイヤより劣るので
雪が降らないところでは意味がないと思います”とのことでした。
日本では、なかなか使い勝手が難しいのかもしれません。

タイヤメーカーに話を聞いても、アイスバーンを走るならスタッドレスタイヤ。
ただ、シーズン中に雪が降らないかもしれないという地域だったり
大した量が降らない地域、新雪・圧雪ではオールシーズンタイヤで全く問題無し。
関東地方のように、年間に何日か雪が降るかなというところは
オールシーズンタイヤがいいんじゃないでしょうか?とのことだったそうです。





積雪の多い地域にお住まいで
「オールシーズンタイヤがいいんじゃないか?」と思っている方や、
積雪が全くない地域にお住まいで
「オールシーズンタイヤがいいんじゃないか?」と思っている方は、
考え直した方がいいのかもしれません。

ちなみに、これからの季節、走行しようと思っている道路に
「冬タイヤ規制」や「全車両チェーン装着規制」が出ることがあります。
そうした時にオールシーズンタイヤは「スノーフレーク」という
スタッドレスタイヤのマークがタイヤについているので
高速道路の冬タイヤ規制、チェーン規制はクリアできます。
ただし、「全車両チェーン装着規制」の場合は、
どんなタイヤでもチェーンを装着しなければいけないので気をつけましょう。





オールシーズンタイヤを使用するか否かは、
以上のような情報を元に安全性を鑑みて決めて下さい。