交通事故に関して「魔の6月」という言葉を聞いたことはありますか?
6月は小学生がクルマに接触する事故が多いことから生まれたもの。
ドライバーの皆さんには子供たちの安全を守るため
くれぐれも気をつけていただきたいと思います。
上のグラフは警視庁が発表した去年の「子供の交通人身事故発生状況」。
幼児・小学生・中学生が関係した事故です。
最も交通事故に遭っている人数が多いのは6月で183人。
次いで7月 – 180人、10月 – 177人、3月 – 160人という順。
そして、上のグラフは時間別に見たもの。
圧倒的に多いのが、午後4時〜6時で568人。
次いで午後2時〜4時で350人。午後6時〜8時で261人。
小学生・中学生は学校が終わって、気分が解放された帰り道、
あるいは塾や習い事に急いで向かう途中、そんな光景が想像されます。
その次に多いのが午前8時〜10時ですが、これは登校時間でしょう。
このデータは警視庁による統計なので、
一概に全国に当てはまらないかもしれませんが、
こうした傾向があることを覚えておいて下さい。
運転を科学する株式会社 ディ・クリエイト 代表取締役
上西一美さんによると、子どもは危険感受性が低い存在。
車の陰や交差点の壁で死角から出てくるという特徴があります。
さらにドライブレコーダーの映像を3万件近く見ている上西さんによると
歩道から突然飛び出すなど、左からの飛び出しが多い特徴があるそうです。
そんな彼らの行動範囲を考えると、最も注意すべきは生活道路。
地域に暮らす人が家から主要な道路に出るまでに利用する
国土交通省の定義では幅5.5m未満の道です。
狭い道なので基本的に交差点に横断歩道や信号はなく
子どもが飛び出してきて接触してしまう事故が考えられます。
「車が通るから子供が飛び出してこないだろう」とか
「子供からはこちらが見えている」と思ってしまうと車の事故は防げません。
子供を見つけた時はすぐに減速するようにしましょう。
生活道路の交差点は基本的に見通しが悪いので徐行義務があります。
まずは速度10キロ以下に落とすこと。
人身事故は時速30km/hを超えると死亡率は2.7%、
ところが時速30km/hを下まわると0.9%まで低くなり
時速20km/hを下まわると0.4%にまで低くなります。
そして、生活道路にはなるべくブレーキに足を置く「構えブレーキ」で進入すること。
アクセルからブレーキに足を置き換える時間は約0.2秒。
たった0.2秒と思うかもしれませんが、基本的に走行速度が低い生活道路なので
ブレーキを早く踏めば、もしもの時も大事故回避に繋げることができます。
もしかすると「絶対にクルマを運転する人が注意すべき!」と
強く思うお父さん・お母さんもいらっしゃるかもしれません。
もちろんドライバーは細心の注意を払うべきですが、
子どもの危険行動がなければ事故は起きないのも事実。
お子さんに道路の危険を教えることも大切です。
1人で外出する時など、しっかり注意喚起をしましょう。
夕方や夜には反射材を身につけるよう配慮してあげて下さい。
ドライバー、保護者、それぞれの立場から、
子どもがクルマと接触する事故を1つでも減らすよう努力したいものです。