第479回 全国各地の交通安全への取り組み

2024/06/14
日本各地では日々、交通事故をなくすための活動が行われていて、
それに関わっている方がいます。
全国で放送している「なるほど!交通安全」。
今回は岩手県と佐賀県で行われている取り組みをお伝えしました。





今年4月、岩手県 紫波町立紫波東小学校の児童の皆さん144名が
紫波警察署から「ピカッポ推進隊」に委嘱されました。

これは岩手県警のマスコット「ぴかぽ」と反射材が光るピカッとをかけた造語。
「ぴかぽ」は地元が生んだ童話作家・詩人 宮沢賢治の
「雨ニモマケズ風ニモマケズ」の一節からつくられた
雨と風を連想させる、雨粒と風神の風袋をモチーフにしたペアキャラクター。





その「ぴかぽ」にクルマのライトが当たるとピカっと光る反射材つけて歩くことをかけて
紫波町では「ピカッポ」という反射材が作られました。
紫波東小学校の児童の皆さんは、率先して「ピカッポ」をつけて歩くことで
自分の身を守りながら、交通安全をPRすることを託されたのです。
登下校時に子どもが自分の身を守るとともに交通安全を社会にアピールして
さらに防犯にも役立つという目的が考えられた施策です。







岩手県内ではピカッポ推進隊が始まる前の平成30年には交通事故死亡者数が59人。
このうちに歩行者が横断歩道で交通事故で亡くなった方は19人で前年よりも増加。
そして、小学生が2人いたことから、5年前に小学生の交通事故防止対策の一環として、
小学校の児童を反射材着用推進委員「ピカッポ推進隊」として委嘱することにしました。
紫波町には小学校の数は5つ。
1校に2年ずつ「ピカッポ推進隊」を委嘱しています。




終了した学校でも反射材の着用が有効だということで
地域の交通安全協会や団体から寄贈してもらい、
通学時に反射材のたすきを着用して登下校する児童がいるとのこと。

「文化として根付いてきているので恥ずかしがらずに高学年でも着用していて
それが交通安全に繋がっていると思います」というのは
紫波町企画総務部 消防防災課 工藤睦 課長のお話でした。
また、「こうした小さな活動を1人1人が心がけて繋げてことで
交通安全が実現できると考えています」と工藤さんはおっしゃっていました。





そして、もう1つご紹介したのは、
去年の交通事故の死亡者数が13人と47都道府県で最も少なかった佐賀県の話題。
佐賀県では2年前に交通安全のマスコットキャラクター「マニャー」が誕生しました。





佐賀県 県民環境部 くらしの安全安心課 交通事故防止 特別対策室 室長 山﨑康子さんによると
マニャーのフルネームは「マモランバ・サガンコーツー・マニャー」。
見た目は猫ですが、プロフィールには“佐賀県内の人身交通事故発生件数、負傷者数が
全国ワーストレベルを嘆き、安全安心な交通環境を心より望む県民の
「要請」を受け「妖精」として誕生・・・”とあるので妖精です。

ふだんマニャーは佐賀県内を走る車のエアコンの吹き出し口の中に隠れて
ドライバーの安全運転を見守っているという設定で
県内で交通安全関連のイベントがある時などに登場して
佐賀県内の交通事故の状況や安全運転を伝える活動を行っています。





山﨑さんの考えでは去年の全国での交通事故死亡者最少達成は
平成30年にスタートした交通事故をなくすSaga Blue Projectや
警察や関係機関による様々な取り組みの結果でしょうということでした。

そんな山﨑さん「車は便利な乗り物である反面、
交通死亡事故を起こして命を奪う道具にもなってしまうことをしっかり考えて
道路を利用する人が、そのことをお互いに伝え合いながら交通安全に努めていただければ」
と全国へのメッセージを伝えて下さいました。