第477回 運転中の熱中症に注意

2024/05/31
先月、気象庁は5月から7月の3か月予報を発表しました。
それによると、全国的に気温は平年より高くなる見込み。
5月や6月でも30度以上の真夏日になる可能性があるとして、
熱中症への早めの対策を呼びかけています。





滋賀医科大学 社会医学講座 一杉正仁教授によると
この時期に一般的な外気温が一般的な22 - 23度という環境だったとしても、
車内の温度は、それよりもかなり高くなり、40度を超えることさえあります。

そして、車内温度がエアコンの表示で25度だったとしても
強い日差しは車内に温度差を生み、同時に乗車する人に日光が当たっていると
皮膚表面の温度と体温も上昇してします。
その状態が続くと体の中の温度も上がり、熱中症になる恐れがあるのです。





車内で熱中症にならないための対策は、まずは頻繁に水分を摂取すること。
エアコンかけていると湿度が低くなって体内の水分を取られ脱水症状になりやすいのです。
そして、長い時間続けて運転をしていると、室内温度や体温に上昇気付きにくくなるので
これを避けるようにすること。特に高齢になると温度の変化を感じる感覚は鈍くなり
体温の調整能力も低下するので注意しなければいけません。
身のまわりに高齢ドライバーがいらっしゃる方は、このことを伝えるようにして下さい。





熱中症になってしまった場合、運転にどんな支障を来たすのか。
自動車の運転は非常に複雑な認知・判断と操作能力が必要とされますが、
集中力がなくなり、認知能力と判断能力が低下します。
そうなれば交通事故を起こしやすくなることは想像に難くないでしょう。

さらに、熱中症は重度になると痙攣を起こしたり、意識を失うこともあります。
命を落としてしまうことさえあります。その年の暑さによって数に大きな違いがありますが
2020年には1,528人、2021年には755人、2022年には1,477人が熱中症で亡くなっています。





現在、自動車事故の約1割は運転者の体調変化が原因と言われています。
一番怖いのは自分に熱中症の初期の症状が出ている、
それによって疲労感が出ていることや集中力が低下していることに気づかないこと。
少しでも何かいつもと調子が違うなと感じた時はクルマを停めて休憩して下さい。
きちんと熱中症対策をして、おかしいなと思ったら無理をせず、安全運転に努めましょう