最近、都市部でよく見かけるタイヤが太く、電気モーターとペダルがついていて、
電気モーターだけでも、ペダルを漕ぐ人力だけでも走行できる、
前輪・後輪の二輪がある乗り物、通称「モペッド」。
かなりのスピードで走るのを見かけ「危険だな」と感じたことがある方は多いでしょう
今回は若者を中心に利用が広まる、この「モペッド」についてお伝えしました。
「モペッド」は「モーター」と「ペダル」をミックスした造語ですが
NPO法人 自転車活用推進研究会 理事の疋田 智さんによると
源流は1993年に世界初の電動アシスト自転車として発売された ヤマハの「PAS」。
電動アシスト自転車は人間が足でペダルを踏む力に応じて
モーターが動力をアシストしてくれます。
人間の足の力を感知する「トルクセンサー」がついていて
マイコンがモーターの力を制御してアシストする仕組みです。
これは道路交通法上では自転車扱い。
マイコン&トルクセンサーは非常にハイテクでコストがかかります。
そのため日本から中国に渡った電動アシスト自転車は、国土は広く、
危険はないという認識でトルクセンサーとマイコンが外されました。
中国のメーカーがこれはいいと大量に生産するようになり
日本に入ってきたのが10年ぐらい前のこと。
インターネットで5万円〜20万円ほどで買えることもあり、
モペッドは東京ではここ2、3年、若者を中心に乗る人が増えています。
利用者が増えれば必然的に事故も多くなります。
疋田 さんによると自転車をモベッドが猛スピードで抜く際に衝突していったり
「モベッドは自転車だから歩道もいいんだ」という理屈で歩道を暴走し
ベビーカーにぶつかったり、お年寄りを突き倒したりという事故が起きていて
警察が問題視し始めてるというのが今の状況です。
自転車は基本的に歩道の通行は禁止ですが
モペッドは道路交通法上でどんな車両区分になるかというと
原動機付自転車(原付スクーター)と同じ範疇になります。
出力が600Wあるものは原付一種で白ナンバープレート
1000Wまでは原付2種でピンクのナンバープレートをつけねばならず
ストップランプ / ウィンカー / バックミラーなどを装備し
その上で自賠責に入った上で乗るべきもので、もちろん歩道を走ってはいけません。
今回お話をお聞きした疋田 智さんは
現状、モペッドに乗っている方達へ声を大にして注意を促していました。
事故を起こしてしまった場合、責任の比率はほぼ100%モペッド側にあります。
死亡事故を起こすと今の利用者は自賠責や任意保険に入っていないと想像され
自転車保険に入っていても自転車ではないので保険金は下りません。
膨大な損害賠償金の全額を自費で支払うことになります。
そうなると「自己破産」を考えるかもしれませんが
破産法は故意や重大な過失がある場合には免責がなく
ほぼ全てのモペッドの事故はこれに該当することになります。
賠償金は一生ついて回り、収入の4分の1は全額支払うまで差し押さえられ、金利もつきます。
それはおそらく一生かかっても払い切れない金額・・・
モペッドに乗っている方は法令に則って正しく、安全に利用しましょう。
身近にモペッドを利用する人がいる方は注意を促して下さい。