GW後半の5月3日。
そろそろ各地でUターンラッシュが始まります。
この時期に避けられないのが高速道路の渋滞ですが
高速の渋滞に巻き込まれてしまった時は特に慎重に走行しましょう。
というのは高速道路の渋滞発生時は死傷事故率が高いから。
NEXCO西日本の資料によると渋滞してない時に比べ40倍以上という数字もあります。
今回、話を伺ったモータリング・ライター 藤田竜太さんによると
考えられる理由はノロノロ運転や低速でストップ & ゴーを繰り返す渋滞中の運転は
次第に集中力が削がれ、前の車の減速に気がつくのが遅れて追突したり
停止しているつもりだったのに、いつの間にかブレーキを踏む力が弱くなっていて
車が動き出してしまったり、車の間をすり抜けてくるバイクに気がつかず
車線を変更し始めたりといったことが挙げられます。
藤田さんによると、まずは渋滞の最後尾に並ぶ時にハザードランプを点滅。
後続してくる車に渋滞が始まることを知らせるようにします。
そして、渋滞の中でもきちんと車間距離をキープすること。
割り込みされないように車間距離をできるだけ詰めるクルマもありますが、それは追突事故の元。
前走車のタイヤが下まで見えるぐらいの車間距離を保って下さい。
また、車線変更時には確実にウインカーを出す。
日没の30分前にはヘッドライトをつけること。
疲労や眠気、便意を感じる前に早め早めに休憩を取ること。
燃料の補給も十分余裕を持って行なうこと。
以上が大事なポイントです。
渋滞中に自分だけ早く進みたいと車線変更を繰り返すクルマや
走行車線の左側の路肩を走っていくクルマを見かけることがあります。
多くのドライバーからすると腹立たしい運転ですが
実はこまめに車線を変更しても目的地への到着時間は変わりません。
それどころか、ふだん一番流れの良い追い越し車線は
渋滞時になると車が集中して最も平均速度が遅い車線になることがわかっています。
渋滞発生中に限れば走行車線が最も流れが速いというデータもあります。
右往左往せずに車線をキープして走り続けたほうが効率的です。
そして、渋滞時に路肩を走る行為は通行区分違反、
路肩走行禁止で違反点数2点普通車で反則金9000円が科せられます。
ドライブレコーダーが普及している昨今、
他の車が渋滞に並んでいるのに路肩を走ったりすると
動画を証拠として警察に届ける人も出てくるかもしれません。
路肩は故障車両の一時停止や警察車両や救急車などの緊急車両が出動するためのスペース。
一般の車両が走行することは厳禁です。
気が緩んで事故の危険も多い高速道路の渋滞は出来るだけ運転を避けたいもの。
NEXCOのWEBサイトには各高速道路の渋滞予想が細かく紹介されているので
混雑が予想されている時間は極力避けるようにしましょう。
1時間ずらすだけでも結果はかなり違ってきます。
また、渋滞発生箇所は、下り坂から上り坂にさしかかるサグ部が6割と言われています。
サグ部や上り坂、トンネルなどで速度が低下しないように意識することが大切。
また、流れが悪くなりそうな箇所でも車間距離を40m以上は確保し、
前の車が不用意にブレーキを踏んでも自分はなるべくブレーキを踏まず
流れのよどみを距離で吸収して後続に渋滞を伝播させないようにする
「渋滞吸収走行」をドライバーの1人1人が心がけ
みんなで渋滞を発生させないようにするのが一番なのです。
最後に家族や友人・知人としてクルマに同乗した場合も、
「運転しているのは自分じゃない」と好き勝手に振る舞わず、
みんなのためハンドルを握るドライバーを気遣ってあげて下さい。
ゴールデンウィーク中のクルマでのお出かけ、くれぐれもご安全に!