第471回 クルマをもっと知ろう 〜 エンジンオイル

2024/04/19
ふだんから安全運転を心がけているドライバーの中にも
クルマのメカニックの事については苦手な方も多いかもしれません。
ただ、クルマを安全に乗りこなすためには、
基本的な知識を持っておくことが大切。
今回は「エンジンオイル」についてお伝えしました。





今回のコメンテーター 自動車ジャーナリストの高根 英幸さん曰く
日常的な車の点検はドライバーの義務。
ガソリンを入れないドライバーはいませんが
タイヤの空気圧とエンジンオイル・バッテリーは燃料よりも大事なもの。
燃料系はクルマが止まってしまうだけで済みますが
タイヤのバースト、エンジンの故障は、事故に繋がることが理由です。

ということでエンジンオイル。
エンジンオイルにはさまざまな役割があります。

1)潤滑作用
  金属摩擦を減らしてエンジンをスムーズに動かします

2)密封作用
  ピストンとピストンリングの隙間を密閉してガス抜けを防ぎ、パワーを維持します

3)冷却作用
  エンジン内部の熱を吸収してオーバーヒートを防ぎます

4)洗浄分散作用
  エンジン内部の汚れを取り込み、エンジンを綺麗に保ちます

5)防錆作用
  エンジン内の水分や酸が原因で発生する錆を防ぎます





然るべきタイミングで変えないと
エンジンオイルにたまった汚れがエンジン内部も汚したり
エンジンオイルに取り込まれた細かい金属片でエンジンが摩耗する恐れもあります。
エンジン音がうるさくなる、燃費が低下するといった症状も現れます。

それでは自分でエンジンオイルをチェックする方法。
車を平坦な場所に停めてボンネットを開けます。
綺麗なウエスやペーパータオルなどでエンジンに刺さっている
黄色やオレンジ色でプラスチックの先端がリングのオイルレベルゲージを引き抜き
先端に付いているエンジンオイルを拭き取って、もう一度刺さっていたところに深く差し込み直し、
静かに引き抜いてどの部分までオイルが付着しているかでエンジンオイルの量を確認します。
ゲージ部分には上限と下限が記されているので、その範囲内に入ってれば量は問題なし。
真ん中より低ければオイルを足すようにしましょう。

レベルゲージの先端にオイルがつかない場合は、オイルが減っている証拠。
その場合はオイルを足すだけではなく、オイルが減っている原因を調べて対策する必要があります。
修理工場やディーラーでやってもらいましょう。
またエンジンオイルの量だけではなく、汚れにも注意してください。

正確にエンジンオイルの点検をするためには、
エンジンを始動してオイルを循環させることで温めて
その後にエンジンを停止して5分程度経過してから、
レベルゲージで量と汚れを確認する必要があります。

エンジンやオイルは熱くなります。
手袋をして火傷などに注意して作業しましょう。





乗車頻度や走行距離だけではなく、定期的に交換すべきなのがエンジンオイル。
自動車メーカーは交換時期について具体的に替え時を公表していますが
走行距離が少ないからと車検まで交換しないドライバーの方も少なくないでしょう。

でも、エンジンの好調さを長持ちさせたいのであれば、
走行距離が少なくとも半年に一度は交換するのが理想的だと高根さん。
また、最近のエコカーは純正のエンジンオイルもかなり高品質で
安さだけで他社商品に替えるよりも純正オイルを選ぶほうがいいとのことです。

安全なカーライフのために、まずは定期的なチェックを忘れずに!
そして、クルマはただ運転するだけでなく基本的な知識は持ち合わせるよう努力しましょう。